CHANGE ∀ MIND

第65話
「カード」









            KM社

            腹の獅子がみちるの拳に噛み付いた。



み  「ううう・・・。この女、体内動物園なのかっ。」

香  「なんか『口』だけな気もするんやけど・・・。」

み  「齧るだけの能力なのかっ。」



            血だらけの拳を押えるみちる・・・。


コ  「少しだけ・・・見せてあげるわ・・・・。」


            コートニーの手に握られているカード。

            そのカードが刀へと変わる。




み  「!? あ、あれは兄貴の能力!?」


            岱の『魔人の千里眼(イビル・アイ)』=『信念の斬撃(ジャスティスブレード)』
             なのであろうか? その刀をコートニーが扱っているのである。



み  「兄貴に何したの!!」

コ  「さぁ・・・?」

み  「っのやろ!!」


            みちるがキレた。

            段々、掌に光が集まってくる。


コ  「あら、それだけは喰らうわけにはいかないわ。」


            集束していく光をそのままに。

            みちるのギアの『5』が光る。


み  「これが・・・・・私のトップギア!!
       ファイナルストライク!!


            その拳に当たらぬようにと、避けるが、
            刀で攻撃しようと、ギリギリで交わしたのがコートニーの誤算。


            みちるの光の玉が、少しだけ手から離れた!!



み  「この牛乳女(うしちち)!!」

コ  「と・・・飛び道具!?」




            そのたった数十センチの飛び道具だったが、
            コートニーに致命傷を与えるには充分だった。



香  「やったで!!」



            コートニーがその場に倒れる・・・・・。



            ほぼ同時に後ろに扉が現れた。

            エースである。



エ  「おいおい・・・。まさかキミまで・・・・・。
      そっちのカンフー娘、この勝負はキミの勝ちでいい。

      だが、彼女を失うわけにはいかないんでね・・・・・。」


            コートニーを抱えあげるエース。


み  「まちなさいよ!!兄貴を返しなさい!!」

エ  「悪いが、美女の頼みでも、それは聞けない。
     我が『ロイヤル』の野望は終わってない・・・・・。」

み  「び・・・・・美女・・・・・。」

香  「いやいや、照れてる場合とちゃうで・・・・・。
     ロイヤルさん、とりあえずうちらも、これだけのツワモノが居るんやで
     あんまいちびるよーなら、いてまうでっ!!」


エ  「その忠告も心に。」



            扉の中へ消えようとする。


み  「待てぇ!!」



            飛び込もうとするが、みちると香穂の足が錠前で地面に固定されている。


み  「な・・・何よ、このカギ!!」

エ  「では、また会おう。」









           エースが消えた後、足元の錠前も消えた。


み  「な、なんなの・・・・・。」
香  「これがアイツの能力・・・・・。」

み  「ちっきしょー、くやしいな。」
香  「何言うてんねん、勝ったやん!!」


み  「いやぁ・・・・・ハァハァ・・・・・燃料切れ・・・・・。
      1vs1でなら・・・・・勝てるんだけど・・・・・。」



           鍵が胸から消えた。

           みちるも地面にヒザをついた。




香  「うう・・・・・。ウチはそういう能力ちゃうもんなあ・・・・・。」











           USA

蹴  「いやあ、助かりました。ありがとうございます。」
雄  「ありがとうございます。」



凛  「とりあえず、少し休んでください。こちらも今病院に・・・・・。」
蹴  「そうですね、焦って戻っても仕方ありませんから・・・。」

ナ  「うーむ。拙者の必殺技が試せなかったか・・・・・。」
凛  「(汗)」


ナ  「しかし、何者なのだ・・・・・。」
凛  「彼らの行動範囲がこんな海外とかじゃなかったら、なんとかなるのにな・・・。」




           蹴田と雄勝は、空港近くのホテルで休養を取る事に。
           さすがに睡眠・食事もロクに取ってなかったからである。

           ナインハルトはその後、鉄也と連絡を取ったりしていた。

           玄馬も病院に運ばれていた。


           凛華は、そこまでのダメージでは無かったので
           海岸で黄昏ていた。


凛  「能力かぁ・・・・・。」


           思えば自分の能力もパワーアップはしている。

           むしろ影絵のスキルの方に問題がある気がする。


           影絵を具現化する、この能力。

           蒼い玉が、『乱反射する紫の玉』へと進化もした。
           1つだった物を複数具現化する事ができるようになった。

           その光のたまに近づけば、巨大な影も作れることが解った。



凛  「私なんかの『力』・・・・・・。
       あ・・・・・「私なんか」って言っちゃダメなんだっけ・・・・・。」



           小さい犬の影を作り、じゃれてみる凛華。


凛  「パピィ、元気かなあ・・・・・。」



           ふと、光の玉がなんなのか気になる。


           ただ、能力の性質上いつも自分の後ろにある。



           自分の目の前で作ってみた。


凛  「うわ・・・・・。すごくまぶしい・・・・・。」


           ちょっと触れてみた。



凛  「きゃっ!!」



           指先に電流のようなものが走った。


凛  「ななななな?よく解らないけど・・・・・プラズマとか?????」


















             ロイヤル


文  「え・・・・・。竜だけじゃなく、コートニーまで・・・・・?
      僕らの戦闘部隊なんて彼らがメインじゃないか・・・・・。」

エ  「思ったより敵もやるな・・・・・。」

文  「で、どうすれば?」


エ  「まぁ、ダブルキャリアーになれば、さらに飛躍できるだろ。」
文  「そう簡単にできればいいんだけどね・・・・・。」

エ  「あの実験体にはできたんだろ?」
文  「一応? 信念を催眠で引き出した強引なものだから、効果のほどは・・・・・。」

エ  「早くやらねぇと・・・・・『女王様』がお怒りになるぜ?」


文  「だね・・・・・。」





             ちょうどエースの携帯が鳴る。


エ  「噂をすれば・・・・・。『JOKER』だぜ?」



             電話の先は『JOKER』
             その横暴さへの皮肉を込めての『女王様』であった。



エ  『はいよ。』


             会話を直接聞いていない文人だが、内容は想像できる。

             結局自分等は、資金集めと能力者集めの道具の一端でしかないと思う。





エ  「ふぅ・・・・・。また女王様が能力者を色々見つけたらしいぜ?
      こっちは手駒が減ったって言うのにな・・・・・。」
文  「キング(竜)、クィーン(コートニー)が回復するまでは・・・・・。」

エ  「エースと、ナイト(文人)が頑張るしかないのか・・・・・。」
文  「まぁ、新しく増えたペイジ(実験体)にも、頑張ってもらうしかないね・・・・・。」

エ  「だな・・・・・。」











             そして『ロイヤル』は拠点を完全に日本へと移す事となった・・・・・。
















             続く。












































おまけ。

マ  「つ、ついに『週刊CHANGE ∀ MIND』 第2号よ!!(ダミ声)」

苺  「こ、今度は誰の特集?????」

萌  「えーっと、脳噛商会秘書:砂流真菜・・・・・。」
苺  「付録は髪の毛とか・・・・・?ひいいいいい。」




風  「注射器とかじゃないのか・・・・・?」

苺  「その大きな箱が怖いわっ!!ママ開けて!!」
マ  「わ、解ったわ・・・・・。(ダミ声)」













パカ。


























マ  「餃子無限挑戦権・焼肉大食い挑戦権・・・・・。(ダミ声)」


苺  「オ、オリジナル箸!!」



萌  「誰か・・・・・挑戦するの・・・・・?」

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