CHANGE ∀ MIND
第62話
「社長を救え!!」
USA
長い飛行機の旅を終えた、玄馬と凛華。
凛 「やっと着きましたねぇ。」
玄 「あー、疲れたなあ。」
凛 「えっと、警部補がこちらの国の知り合いに頼むって言ってましたね。」
玄 「多分、まだ来てないのかな。」
と、「愛犬パピィ」の写真を眺める凛華。
凛 「パピィ〜〜〜〜〜。(涙)」
玄 「まだ数時間しか・・・・・。」
凛 「でも、どうして警部達は私なんか・・・・・。」
玄 「んー。まぁ、能力云々、性格云々の前に・・・・・。
その『私なんか』ってのは、俺はキライだな。」
凛 「うっ・・・・・。」
玄 「だいたい、自分の価値って自分で決めるもんじゃないと思うけど?」
凛 「はい・・・・・。でも、また捕まったりしたら・・・・・。」
玄 「だから、なんでやる前からそういう事言うかな?」
凛 「あわわわわわ・・・・・。ごめんなさい。」
玄 「自信の無さは時にはそれが、力を抑制してしまうこともあるんだよ?
そんなんで、市民の安全を守れると思ってるの?」
玄馬くどくどくど。
凛 「ごめんなさい・・・・・・。」
玄 「あ・・・・・。言い過ぎた・・・・・・。」
「それでも、良い事は言ったな。」
と、異国でありつつ流暢な日本語が聞こえた。
見ると、スキンヘッドのゴツイ男が立っていた。
凛 「あわわわわわ・・・・・・。」
玄 「誰だっ!!」
ナ 「おっと失礼仕った。拙者ナインハルト=サイファー。
テツヤ=テッカンノンの命により、参上致した。」
玄 「また・・・・・そういうキャラなんだ・・・・・。」
その長身のゴツイ男は、こっちのポリスと言うわけではなかった。
どうやら、元軍人らしいが・・・・・。
ナ 「彼には世話になったな。」
そしてついて来るように合図した。
どうも服の下から、やたらガシャガシャと何か鎧のような音が聞こえる。
つい、気になった凛華が背中をコンコンと叩いてみる。
玄 (なんだった?)
凛 (よ、鎧を着ている感じです・・・・・。)
玄 (なんか、戦場の最前線に居そうだな・・・・・。)
そして、港へとついた。
ナ 「話は聞いている。蹴田社長を救出に向かうんだな。」
玄 「場所はどこか解ってるんですか?」
ナ 「いや、見つかってはいない。
だから拙者を呼んだんだろうな。」
ナインハルトは服を脱いだ。
なんだか、メカメカしい武装だった。
玄 「な、なんだそりゃ・・・・・。ロボット!?」
凛 「ロボット♪!?」
ナ 「拙者は貴殿達の様な『マインド』を持たないんでな。」
玄 「近代兵器で戦うの!?」
ナ 「うーむ、未来兵器とでも言おうか・・・・・。
日本の科学の進化した技術だ。」
と、腕が途中で切り離された。
玄 「ロ・・・ロケットパンチ!?」
ナ 「いやなに、科学技術成せる技だ。」
凛 「ど、どうやって開発したんですか!?」
ナ 「テツヤに見せて貰った、日本のアニメを観たら
そのメカニズムが脳内に浮かんだのだ・・・・・。」
凛 「浮かんだって・・・・・。」
玄 「充分、マインドじゃん・・・・・。」
ナ 「我が国の科学力は世界一・・・・・・。」
ナインハルト=サイファー
能力『黒鉄(くろがね)の城』(キャッスル・オブ・ブラックアイアン)
能力だと言う自覚が無いが、『観た』科学力をある程度脳内で分析し
自分の身体にメカと成って構築されるが、実際にサイボーグ化してる部分もあり、
改造と信じマインドと言う自覚が無い。
*本人ができると信じ込める物である事も条件。(故にタイムマシンはムリ。)
著しく人間の力を超えるパワーは出せない。(30t プレスなど)
ナ 「さて、では探すとするか・・・・・。」
玄 「え、どうやって?」
ナ 「ウイングスクランダー!!」
ナインハルトの背中からウイングが生えた。
ナ 「さぁ、乗るがいい。」
玄 「いやいやいやいや、乗るがいいって・・・・・。」
凛 「あわわわわ・・・・・。」
と、玄馬はその場で黒く溶け、『捕り捉えられる真実』(メルティ・キャプチュア)を発動。
そのまま犬の形になった。
玄 「偽パピィ。」
凛 「あ。」
たとえ本物でなくても、どことなくパピィを連想でき、
なぜか勇気の沸いて来る凛華だった。
凛 「よっし、行きましょう。五刻さん、ナインハルトさん。」
ナ 「うむ。」
ナインハルトの背中に乗る2人。
玄 「アテはあるんですか?」
ナ 「航空機などがあまり通らずそれでいて、余り離れすぎてない範囲。
大体の位置しか解らぬ・・・・・。
凛 「探せば、必ず見つかりますよ!!」
無人島
あれからドレくらいだっただろう?
なんとか2人で生き延びている、蹴田真臣と、パイロットの雄勝風二(おがつ・ふうじ)
雄 「社長!!今日は魚が取れましたよっ!!」
蹴 「こちらも運良く、実が取れました。」
葉・実・魚などあらゆる物で生き延びていた。
蹴 「しかし、一向に船も通りませんね・・・・・。」
雄 「まぁ、しょうがないっすよ。
ところで、そのマインドの続き教えてくださいよ。」
この無人島で、特に娯楽と言えばやはり『話』である。
やはり、1人じゃないということはとても良かった。
色んな意味で彼を助けて良かったと思う蹴田社長だった。
大企業に纏わる話や、創立の話よりもやはり雄勝が食いついたので
『能力者』の話である。
雄勝自身はやはり、半信半疑である。
と、いうか真実でも虚実でも、楽しめる事は事実だし、
心の奥底では、そういう非現実的な体験が羨ましかった。
当然ではあるが、蹴田社長の話も嘘に思えなかった。
そして、それを目の当たりにする事件はすぐに起きたのである。
今の状況になった張本人が現れた。
目の前の空間が歪み、扉が現れた。
中から出てきたのは、
『赤く滾る鋼鉄』(アイアン・メイデン) 蔵場 竜と、
『錠と鍵』(ロック・イン・ザ・キングダム) のエース・スペードルだった。
竜 「ヒャッヒャッヒャ!!なんだよ、普通に生きてるのか・・・面白くねぇな。」
エ 「まぁ、すぐに死なれちゃ困るんだがな。」
蹴 「!!」
雄 「ま・・・・・まじですか!!」
正に目の前に現れた能力者に驚く雄勝。
エ 「ミスター蹴田。あの新製品の欠陥をお前の秘書が知ってるのは事実か?」
蹴 「欠陥・・・・・。」
『欠陥』などは特に今の所は発覚していない。
確かに修正すべき点はあるが・・・・・。
そんな事を知る奴も居ないはず・・・・・。
もしかしたら、香穂の策ではないかと思った蹴田であるが、
このまま「YES」と答えたら、香穂が危険となるのは目に見えている。
竜 「おっと、黙秘権は無ぇぜ?」
何処から出したのか、赤いナイフを蹴田の腕に刺す。
蹴 「うっ・・・・・。」
と、携帯を取り出すエース。
なぜか電波が届いている。
エ 『おっと、どうやら秘書さんが見つかったようだ・・・・・。
そっちに直接聞くとしよう。オッサンよりも女の子の方がいいからな。
竜、アンタはどうする?』
竜 「ヒャッヒャッヒャ!!もう、こいつら用無しだろ?殺してしまうか・・・・・。」
エ 「今日はもう『くぐれない』から、それなら先に始末するか・・・・・。」
さすがに命の危険を感じる蹴田。
エ 『コートニー、そっちは任せたよ。』
竜が2人に一歩づつ近寄った。
蹴田は雄勝に逃げろと叫び、竜に体当たりを食らわすのだった!!
雄 「社長!!」
KM社
会社の外に出て、香穂とみちるが出会ったのは金髪の美女。
そう、コートニーである。
み 「あ!!あの女よっ!!兄貴をさらったのは!!」
香 「とりあえず、真菜さんの作戦は成功やね。」
み 「うんうん。絶対どこかに足跡を残したはずよ!!」
コ 「私、服が血で汚れるの・・・・・あまり好きじゃないんですけど・・・・・?」
み 「やるき、まんまんじゃん。」
『覚醒する流星』(シューティング・ブースター)を出し、
自分の心臓へと刺し、エンジンをかけた。
み 「私が・・・・・相手だ!!」
続く。
おまけ。
数日前の無人島。
蹴 「うーん、ベタにヤシの木が見つかったんだが・・・・・。
これはもしかして、運の小出しなんだろうか・・・・・。」
雄 「社長、飛行機の鉄板剥がしたんで、これで何か焼きましょう!!」
蹴 「ヤシの実・・・・・?」
雄 「いや、魚とか・・・・・できれば・・・・・・・・・。」
雄 「牛?」
蹴 「いや・・・・・居ませんから・・・・・。」