CHANGE ∀ MIND
第58話
「光と影」
私立ブレード学園
さすがの影も、武器がなければ攻撃ができないのだろうか?
影 「コ・・・コイツ・・・・・覚醒シヤガッタ・・・・・。」
地面に映る影が、『剣』を持っている。
影が、火那子の影を斬る。
実体の火那子から、血が吹き出る。
火 「この野郎・・・・・そんな能力も持ってやがったか・・・・・。」
防ごうにも、影が影を斬る!!
向こうに走る心を見た。
考え無しに走ってるわけではなく、
影の向きから敵の位置を想定したのである。
斬られ続ける火那子。
火 「ようするに・・・・・影が無ければいいんだろう?」
影 「影ノ中ニモ、サラニ影ハ存在スル。日陰ニ入ッテモ無駄ダ。」
火 「んな事しねぇよ!! 『炎の運命(さだめ)』!!」
火那子の身体から炎が渦巻く!!
その炎の光が、影を薄くしてゆく・・・・・。
影 「アア・・・光ダ・・・・・。」
校内を駆け抜け、屋上へと上がった心。
心 「曲者、見つけたり!!」
本体が見つけられた。
高名 明(たかな あきら)である。
明 「影の方向で見つけたか・・・大人しくやられていれば良かったものを。」
心 「成敗!!」
明 「一体、どうやって倒すんだ?」
言われて気付いた心であった。
武器が無いのである。
スグに影法師が心を掴んだ。
心 「うっ・・・・・離すで御座いますよ!!」
明 「まぁ・・・めんどくせぇから・・・・・落とすか。」
屋上から校庭へと放り投げた!!
火 「!!あ、あの野郎!!」
心 「何が・・・・・私に足りないの・・・・・。」
空を舞う心、校庭を見下ろせば幾多の影が蠢いている。
心 「光を・・・・・。」
心の手から光が!!
心 「これは・・・・・!?」
影 「こ・・・・・こいつも能力者か・・・・・この街にはどれだけ・・・・・。」
志堂心
能力『龍穿滅光(りゅうせんめっこう)』
(ドラゴンスレイヤー)
光で形成する武器である。
心の手の中で刀の形になる。
心 「三十式:「護麓三途」(ごろくさんず)」
その光は長い棒の様になり、地面に突き刺さる。
そのままどんどん短くなり、無事に着地する事ができた。
明 「今のウチに潰しておくか!!」
明は屋上から飛び降りた。
校庭に映る影には、翼がついている。
火 「おい、オマエ、それは??」
心 「光の剣が参考になったのかもで御座います。」
そして高名明を睨みつける心。
心 「貴殿の様な悪党は・・・・・許せないで御座います。」
影 「せいぜい、足掻けよ。」
再び、数十体の影が校庭に映し出される。
火 「1つ思ったんだけどよ・・・オマエ、校庭(ココ)で無いと戦えないんじゃねぇの?」
明 「な、何を・・・・・。」
火那子が刀の柄を地面に打ち付ける!!
火 「『渇いた大地』っ!!」
そこから校庭一面に地割れが発生した。
明 「!!」
火 「簡単だったな・・・・・地面が平らじゃなけりゃ、まともな影もできやしない。」
心 「介錯致す!!」
心が明へと飛び掛る。
心 「十六式:「獅子獣牢」(ししじゅうろう)!!」
斬撃の牢獄が明を包む。
その光の攻撃が影をも全て消し去る。
明 「なんて、最悪の相性なんだ・・・・・おまえら・・・・・。」
心 「成敗っ!!」
火 「ふふ・・・イイ刀を手に入れたな。」
心 「まだ未熟な私にこのような銘刀が・・・・・。」
火 「良い侍になれそうだな・・・・・。」
心 「いえいえ、先輩には及びませんで御座います。」
ふと、火那子は自分の左手の感覚が戻っている事に気付いた。
火 「一番斬られたのは・・・・・ヘタレだったオレ自身か・・・・・。」
と、携帯を取り出す火那子。
火 「あ、先輩。なんか敵臭いキモい奴倒したんだけど?
これ、どうすればいいんですかね?」
電話の相手は風月であろう。
火 「そうそう。ブレ学ですよ。んじゃ、よろしく。」
携帯をたたみ、辺りを見回す。
火 「この校庭は・・・・・不可抗力だよな・・・・・?」
心 「だといいんで御座いますが。」
地割れでメチャクチャになっているのである。
学 「あの・・・。助けてくださってありがとうでゴザる。」
火 「ゴザっ!? な、なんだよこの学園いつから変な言葉遣いが増えたんだよ?」
心 「なっ!!それは私の事で御座いますか?」
学 「この『マインド』に関わる事件でしたら、気にせずともいいでゴザるです。」
火 「マインド・・・・この能力者の事件って事か・・・・・。
最近多発してるもんな・・・・・。」
学 「そうでゴザる。学園長も能力者でゴザる故に。」
火 「あーもー、オレが言葉遣いを教えてやんよ?」
心 「いえいえ、それこそ・・・・・問題・・・・・あ!」
火 「オマエ・・・・・いい度胸してんな・・・・・。」
心 「わ、私そろそろバイトの時間なんでっ!!」
火 「おい待て!!」
学 「担当の警察の方が来るまで待つでゴザるよ。」
火 「で、下着は取り返したのか・・・・・?」
学 「あ・・・・・。」
その後、警察がやってきた。
鉄 「しかし・・・もう隠しきれない事件が多くなってきたな・・・・・。」
凛 「で、ですねっ。物騒な世の中になりました。」
高名明は、そのまま逮捕・連行された。
鉄 「お、風月のツレか。」
火 「お疲れさんっス。」
鉄 「ふむ・・・・・。お前も『仲間』になっちまったか・・・・・。」
火 「なんで解るん?」
鉄 「信念ってのは・・・・・目を見れば解る。」
火 「信念・・・・・か。」
鉄 「よし、國玲、行くぞ。
これからなんか合ったら、直接拙者に連絡しろ。」
火 「あ、ああ。」
木刀を握り締め、少し物思いにふける火那子だった・・・・・。
続く。
おまけ。
ア 「んっ? ななな、なんで校庭があんなことにっ!?
っていつのまに私寝てたんだろう?」
真 「きっと、部活動も大変なのね・・・。」
み 「私は大学行ってないんでよく解らないんですけど、
ブレ学って、いつも竹刀振ってるイメージですよね。」
真 「そうねぇ。剣道や、弓道でも有名だからね。」
み 「拳法はやらないのかな・・・・・。」
真 「どうせなら・・・・・。」
み 「ん?」
真 「茶道がいいわ♪」
み 「茶道の和菓子って、一口ですよ?」
真 「じゃあ、イヤだな・・・・・。正座もキライだし。」
み 「真菜さん・・・・・。(汗)」