CHANGE ∀ MIND
第56話
「賭け」
ロイヤル
急降下する飛行機の中、半分意識の無いパイロットと共に落ちる蹴田社長。
そしてそのままどこかの海岸に墜落してしまうのであった・・・・・。
文 「どうやら海岸に墜落したようだよ?」
文人はPCを触りながら、そう伝えた。
いつの間にか戻って来たエース。
エ 「今度のミッションは、美女相手にしてくれよ?」
コ 「そう言われると、逆にしたくなるわ。」
呆れたようにコートニーが答える。
横に居る竜は、戦いをしたくてしょうがないらしい。
竜 「ヒャッヒャッヒャッヒャ。俺はなんでもいいから、斬らせろよ。
次の作戦はなんだ?誘拐か?脅迫か?」
文 「とりあえず、この情報を捌くとするよ。」
ケッタモータース事務所
香 「な、なんやて!? 社長が消えた!?」
旅客機に乗ったはずの社長が「突然消えた」と知らされた。
香 「こいつらのしわざね・・・・・。」
紅 『主・・・。前回の軍隊の装束に同じ紋章がついていたのですが・・・。』
香 「紅蜂、その映像を送れる?」
PC内から、紅蜂の通信が入った。
彼らは電脳世界で「見たもの」を映像として送ってこれる。
香 「R・・・O・・・・Y・・・・A・・・・・Lかな?」
筆記体のその文字は『ロイヤル』と読めた。
香 「手がかりになるのかな・・・・・。」
とりあえず検索をかけるが、ホテルやらレストランやらしかヒットしなかった。
香 「ま、あたりまえやな・・・・・。」
このロイヤル軍団が社長を拉致したに違いない。
社長を探すことにしよう。
香 「紅蜂、社長の携帯位置を探索できる?」
紅 『やっていますが、某国上空辺りで探知。
おそらく小型の高速移動物体内と思われますが、
移動距離が急に下がっているのはどういう事でしょうか?
この様子だと墜落したものと思われます。』
香 「な!!なんやて!?」
紅 『通信絡繰機器はここで破壊されたものと思われます。』
香 「その高度と速度、失速した方向を全部教えて。」
紅 『御意。』
香穂は社長の『幸運』に賭けていた。
おそらくあの能力なら・・・・・と。
墜落地点を予想し、その周辺から探そうというわけだ。
香 「電話・・・・・電話・・・・・と。」
警視庁
香穂からの連絡を受けたのは、他ならぬ蛙岩警部。
とあるコードナンバーを伝えれば、蛙岩か鉄也に繋がるようになっている。
香穂からの連絡で緊急事態とした。
蛙 「さて、どうするか・・・・・だな。」
鉄 「拙者が参ろうか?」
蛙 「いや、今はこの近辺の事情の方が怪しい。
私が出向くのは立場上無理だからな・・・・・。」
玄 「あ、俺が行きますよ。」
聞いていた玄米が立ち上がる。
蛙 「とりあえず現地での状況を聞くだけだからな・・・・・。
社長の無事が確認されたら、すぐに日本に来て欲しいわけだが・・・・・。
何せ飛行機から突然消えて、小型飛行機に移ったとなると・・・・・。
すぐには帰れそうにないな・・・・・。」
鉄 「あっちの知り合いに話してみるるか・・・・・。」
玄 「よーっし。海外出張だ!!頑張ろう、國玲さん。」
凛 「え・・・・・?私もですか・・・・・?」
玄 「あったりまえじゃないですか!!」
凛 「あわわわわ・・・・・。」
玄 「行きたくないの?」
凛 「パピィ連れて行けないですよね・・・・・。」
玄 「何言ってるの!仕事だよ。仕事。」
凛 「ですよね・・・・・。」
渋々、行く事になった凛華。
蛙 「私はKM社に向かう、後は頼んだぞ。」
敵が能力者の担当の支部のために、
結構考えられない任務が与えられる場合がある。
少しだけ後悔した凛華だった・・・・・。
ケッタモータース事務所
香 「というわけなんです。警部さん。」
蛙 「なるほど・・・・・。ロイヤル・・・・・か、脳噛商会の誘拐事件の奴等と同じか・・・。」
香 「ああ、あの事件ですね・・・・・。」
蛙 「となると、奴等の目的は・・・・・デザートカンパニーとは別か・・・・・。
一体どれだけの能力者が覚醒したのだ・・・・・?
何かのきっかけがあるのか、この街に・・・・・。」
香 「いい能力者を第二秘書として雇おうかな・・・・・。」
蛙 「ハッハッハ。そんな有能な人材が居たら、私も欲しいくらいだ。」
香 「なんか、物騒な世の中になったなあ・・・・・。」
蛙 「全くだ・・・・・。」
この日を境に、『今まで世間に隠されていた事件』と違い、
『不可思議な事件が、報道されるようになった。』
その多くの謎に包まれた事件が、より一層人々を悩ませる。
そして各地で『超能力者』を名乗る者が現れだしたとか・・・・・。
『信念』が具現化したりする『マインド』
本来の素質を持たないであろう人間にも影響が現れて来た。
その原因は一体何処から流れ、どんな方法で人の中に眠ったのか・・・・・。
裏で能力に引かれた人々に、大いなる不安が過ぎった。
某海岸
結論から言えば、蹴田社長もパイロットも命は助かっていた。
蹴 「さすがに人生の一台勝負でしたな。」
蹴田の生存へのプロセスは・・・
繋がれた手でパイロットと座席を掴んだ。
『フェニックス』で掴んだ座席が『飛行機全体』扱いになるのかは賭けだったが、
その座席の破壊を阻止する事が、コックピット内の無事になればいいと言う考え。
墜落しておいて、破壊が無いのもおかしいので、
おそらく『不時着になる。』と読んだのである。
あとは着地の衝撃でパイロットから手を離さないようにベルトに絡めたり
一つ間違えば死に至るはずだったが、この能力が自分の運を全体的に上げている事と。
自分の運ポイントを消費して、飛行機の不時着への運に代える能力『ゼウス』の発動。
さらに、シャーマンの言っていた『自分を守る能力の発動』をシャーマンが行うであろうと
それだけの策であった。
蹴田の身体には、鎧のような物が纏ってあった。
蹴 「アメフト時代を思い出しますな・・・・・。」
シャーマン曰く『ヘラクレス』という、自分を守る技の一つだと。
蹴 「なんか、自分の運ポイントを恐ろしく消費したような・・・・・。」
と、シャーマンは答える。
シ 『ポイントの増減は教えませんが、自分を犠牲にしてその人を救おうとした行為ですから、
その辺りも考慮しますよ。』
蹴 「名前通りの能力なんだな・・・・・。」
辺りを見回しても、森しか無い島である。
飛行機の通信は壊れ、蹴田自身の携帯も圏外である。
蹴 「さて、どうしたものか・・・・・。」
とりあえず、サバイバル生活を覚悟した。
いつのまにかエースの錠前は外れている。
見よう見まねで本で見た家を建てようとするが、巧くいく筈も無い。
蹴 「やはり読んだだけじゃだめか・・・・・。」
しばらくして、パイロットが気がついた。
パ 「は・・・・・。ココは・・・・・。」
蹴 「おお、気が疲れましたか。」
パ 「社長さん!?」
蹴 「しかし、この状態ではなんともなりませんなあ。」
最初は状況が解っていなかったが、飛行機の状態と
蹴田の話で理解したようだ。
とくに怪我をしているわけでもなく、助かったのである。
そして、2人はその果て無き島で生活する事となった・・・・・・。
続く。
おまけ。
サ 「こんばんはぁ。『EVER SNOWの新雪ナイト』のお時間ですーぅ。」
ス 「って、サヤちゃんのお悩みを言うとかじゃないよね?」
サ 「そういうのは担当が違いますんで・・・・・。」
ス 「えーっと、お手紙が来てますね。」
サ 「えーっと、20代女性からの意見ですね。
何々〜、『次回の番外編は、警部補の覚醒が読みたいです。』だってさ。」
ス 「あ〜、登場から使ってたもんね。
また、結構熱い戦いとかありそうな気がする。」
サ 「皆さんのお手紙もお待ちしておりまーす。」