CHANGE ∀ MIND

第55話
「運の狭間」









            小型飛行機内


             謎のチャイムの様なものが流れた。


             ピンポロパ〜ン


蹴  「?」

             どうもエースは気付いてない様子。


             その直後、小さな人型の何かが姿を現した。


蹴  「!?」


             だが、蹴田にはソレがなんなのか解った。


蹴  「シャーマン・・・。」


             そのつぶやきに答えたのは『シャーマン』であった。


シ  『さすが、御自分の能力はお解かりのようですね。
     私の名はシャーマン。あなたの『因果応報の座敷童子』(ジャッジメント・キッズ)の
     具現化した姿とも言えます。もちろん、アナタ以外の人には見えません。』
蹴  (なるほど、能力が進化したのか・・・・・。)


             口に出さずとも会話ができる様である。


シ  『この度、アナタの【運ポイント】が溜まりヴァージョンアップしましたので。』
蹴  (まぁ、これだけのメに遭ってれば・・・・・・。)

シ  『今までの能力、「幸運解放=ゼウス」 「不運解放=デビル」はご存知の通りです。
     ただし、幸運不運などと言うものは個人の捕らえ方だとはご理解いただいてると思います。』
蹴  (そうでしょうな。)

シ  『新しい能力のご説明を致します。不運なアナタの命を保証するような能力です。
     その両手の触れてる物の『破壊を阻止』する能力です。』
蹴  (破壊を・・・・・?)

シ  『そうです。手で自分自身に触れていれば、たとえ飛行機が落ちても自分は無事です。』
蹴  (え・・・縁起でも無い・・・。)

シ  『それでも現時点で片手で御自分、もう片手で運転手を・・・と言った事もできます。』
蹴  (無敵じゃないか・・・?)

シ  『いえ、細かくは私もよく解りませんが・・・『打撃』『斬撃』に対してなので、
      『病菌』や『毒』や『電気』と言ったものの細胞破壊はこれに該当しません。
      不幸にも落ちてきた鉄骨・・・ならば防げることができます。』
蹴  (なるほど。だが、余りにも良い能力過ぎないか?
      得る物があれば、失う物もあるだろうな・・・・・運ポイントか?)

シ  『いえ、この能力に限り。条件さえ満たして頂ければ何度でも。』
蹴  (条件?)

シ  『アナタの『呼吸』を代償に。呼吸を止めている間だけの無敵時間で御座います。』
蹴  (飛行機の墜落の瞬間に・・・・・ってうまくいく気がしないような・・・・・。)


シ  『炎の中から現れる様なこの能力は『フェニックス』と名付いております。』
蹴  (まるで、飛行機が落ちると言ってるようなモノだな・・・・・。)

シ  『ご検討をお祈り致します。』
蹴  (ところで、運ポイントなんだが・・・・・。)

シ  『すみません、明確な数字はお教えできません。
     数値を把握しての小出しなどと言う姑息なモノではありませんので。』
蹴  (なるほど・・・・・了解した。
     そして、キミ自身に戦闘能力は無いんだね?)

シ  『そうですね、運を管理する物なので。
     ただ私もアナタ在ってのモノなので、多少なり守る能力は持っておりますが、
     結局はアナタ自身の能力なので、お忘れなく。』
蹴  (ありがとう・・・・・。心得た。)




             シャーマンは消えていった。



             エースはまだ、画像を転送したりしているのだろう。



             両手が云々とは言え、錠前でロックされてる以上、
             今は何か1人しか不可能な状態か・・・・・。




エ  「よし、これで俺の用件は終わった。
      どうせなら作戦の相手も美女にしてくれたら、良かったんだが・・・・・。」


             エースが向かってくる。


エ  「さてと、ミスター蹴田。ここでお別れだ。
      我々の顔を覚えていられても困るしな、アンタに怨みは無いが。」

蹴  「!!」

エ  「ふむ、命乞いをしない所をみると、何か助かる能力でもあるのか、
     誰か助けに来るのか、諦めたか・・・・・。
     なんにせよ、俺は女性以外は助けるつもりは無いけどな。

     では、最後の空の旅を。」



             また空間が扉となり開いた。

             そのまま飛び込めば着いていけるのだが・・・・・。





             運転手を放置しては行けない。



             手に嵌っている錠前が外れない。

             一度嵌めたら、たとえ遠く離れても解除されないのか???



             飛行機が大きく傾く。



蹴  「パイロットは無事なのか・・・・?」


             眠らさせれているのだろうか?

             生きてはいるが・・・・・と言った所だ。


蹴  「この手では、2人を掴むことができないのか・・・・・。
      いきなり能力を自由に使えない状況なのか。」


             さっき『シャーマン』の説明した『フェニックス』の能力である。


             パイロットを無事にか、自分を無事にか。

             自分がここで死ねば、KM社にも打撃がある。
             さらにロイヤルの存在をそのまま解放するような物である。

             だが、パイロットを見捨てていいわけでもない。





             だんだん急降下を始める飛行機。


蹴  「私を守ると言った能力もよく解らない・・・・・。」


             再びシャーマンを呼んでみる。


シ  『どうかしましたか?』
蹴  「ああ・・・そうか・・・いや、なんでもないよ。」
シ  『?????』


             シャーマンは意味が解らずまた消えて行く。



蹴  「そういう事か・・・・・。」






             そして、飛行機は墜落してしまうのであった・・・・・。



















             コンビニ「シャンパーニ」


梓  「な・・・・・なんだったんだろう。あの戦争。」


             香穂と文人の戦いを実は見ていたのである。


梓  「ホントに怖い世界だなあ・・・。」


             まだここで何をし、何ができるのかを把握している最中に
             そんな情景を目の当たりにし、少し怖くなった。


梓  「それでも、私がこの能力に目覚めたのは・・・意味があるはず・・・・・。」

             恐る恐るKM社のビルに近づいてみた。


             なぜか、そのビルには穴があるように思えた。


梓  「なんでだろう・・・根拠も無いけど・・・・・。」


             無限に広がる電脳世界の中に、
             自分の能力の未知の力への期待と恐怖が入り混じっていた。


梓  「きっと、意味があるはず・・・・・。」







             そう言い聞かせて。




















             ケッタモータース 

燕  「我が主。敵の尾は、異国の場所からであるぞ。」

香  『え?どういう事? 海外のサーバって事やろか・・・・・?』

燕  「稀ではあるが、接続場所が異国の地に成っていたりする・・・・・。」


香  『あーもー。ほな海外からの敵確定か・・・・・?どないしよ・・・・・。』



              まだまだ香穂が頭を抱える事は続きそうである。













             続く。
































おまけ。


ミ  「ミナとーっ!!」
マ  「マドカの。」

ミ  「お悩み相談コーナー!!
マ  「はいはい、お聴きの皆様よろしくです。」





ミ  「えーっとですね。
     最近やたらとお腹が減るんですよー。」























マ  「え?アナタのお悩みを相談する場所なの???」


ミ  「ダ、ダメ?」


マ  「首絞めようか?」

ミ  「!!」

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