CHANGE ∀ MIND

第53話
「電脳世界」









            コンビニ「シャンパーニ」

             あれから梓はたまに、電脳世界のシャンパーニには行った。

             さすがに、その外は少し怖かった。


             もし、あの世界で自分に何かがあったらどうなるのか。
             それすらも解らなかった。


             こないだ会った忍者に少し聞いてみたい気もした。



梓  「やっぱり、KM社の社員さんなのかなあ。」



             今日も発注をしながら、そんな事を思っていた。










             


             1人の男が、PCをいじっている。
             名を「大哉 文人(だいや・ふみひと)」

             後ろから、金髪の男が話かける。
             名を「エース・スペードル」

エ  「大哉・・・・まだてこずってるのか・・・・・?」
文  「ああ、さすがは大手メーカーってとこだな・・・・・と褒めたいが・・・・・。
      普通のファイアウォールじゃねぇな・・・・・。」
エ  「というと・・・・・?」

             眼鏡をかけあげ、エースは少し笑う。


エ  「能力者か・・・・・。」
文  「ほぼ・・・決まりだ。」

エ  「おまえ1人でいいのか?」
文  「どのみち、この世界には僕しか侵入できない・・・・・だろ?」

エ  「めんどくさい事は嫌いなんでね。」
文  「じゃ、最初から言わないでおくれよ。」


エ  「とりあえず、そこは任せた。」


             エースはその場から離れようとする。


             金髪の女性がちょうど帰って来た。


エ  「コートニー。」

コ  「そっちはどう?エース。」

エ  「さぁな、大哉に聞いてくれ。
     で、その男はなんだ・・・・・また、喰うのか?ハッハッハ。」
コ  「殴られたい?」

エ  「冗談に決まってるだろ?」


             ソファーに寝かすのは、岱であった。


竜  「結構、楽しかったが、俺様の敵じゃねぇな。ヒャッハッハッハッハ。」





             そう、ここは『ロイヤル』のアジトである。


竜  「おいおい、大哉さんよ。儲け話だったんじゃねぇのかよ?」
文  「だから、まだ確実じゃないって言ったよね?僕は。」

竜  「チッ・・・・・。」




             彼らが侵入しようとしてるのは、
             ケッタモータースのメインサーバーである。


竜  「なんだって、日本に戻って来たんだ?」
エ  「オマエと、大哉の祖国だろ?」

竜  「別に俺はこんな国には拘ってないが。オマエが儲かるって言ったから来たんだろ。」
文  「ま、この国にも能力者がいるとは思っていたけど、まさかピンポイントでガードしてるとはね。」



エ  「で、コートニーは何してるんだ?」



            コートニーは岱を探っている。


コ  「私は、この人の『能力が喰えたら』それでいいわ。ウフフフフフ。」
竜  「あいかわらず、奇妙な女だ・・・・・。」





文  「さて、もう一度・・・・・出撃だ・・・・・。
      僕の『蹂躙する兵隊たち』(ダイビング・ソルジャー)















             ケッタモータース事務所

香  「ふー。眼が疲れた・・・・・。」

              香穂の能力『電界の庭番衆』(エレキテル・ニンジャ)
              電脳世界にも侵入できるが、本人はPCを介して状況を見る。

              そして能力としては珍しく忍者自身が意志を持つ。
              さらに言えば忍者は1人ではない。


香  「ちょっと、休憩しよう。」


              その場を離れたら、状況は知ることはできないが、
              庭番衆は、自分達の意志及び、能力者の命令で行動する。


香  「頼んだわよ、『燕(つばくろ)』。」


              燕(つばくろ)が、KM社の電脳世界を守備している忍者である。
              忍者のイメージ通り、黒い装束に身を包んでいる。






              そのまま、コンビニ「シャンパーニ」へ行く香穂。



香  「気休めやけど、ブルーベリーでも買っとくか。」

              ブルーベリーのガムを買う香穂。
              本当に気休めにもならないと解ってはいる。

              少し、手がかりの無い敵にイラついていた。


香  「すみませーん。レジお願いします。」






              と、レジ横の部屋に居た梓。


梓  「あれ?風月さん、裏の冷蔵庫かな・・・・・。はーーい!!」


              レジに出る梓。


梓  「すみません!お待たせしました。」
香  「!!」

梓  「え・・・・・?どうかしました?」
香  「え、いえいえ、なんでもないです。」



              香穂は、さっきPCの燕(つばくろ)を通して見た姿の少女が、
              梓であると確認したのだった。



香  「ただ単に・・・・・近いから来ただけなんや・・・・・。」 



              現実世界の近所と、電脳世界は関係は無い。

              だが、梓の脳内で結びつけ具現化されたのであれば納得が行く。


              もとより電脳世界の道の近さなんて、なんの意味も成さない。



              ガムを噛みながら、帰る香穂。

              本当は名乗ってしまおうとした・・・。
              もしかしたら、自分と共に戦ってくれるかもしれない・・・・・。
              
              だが、危険に巻き込む事になる。
              彼女は、彼女自身があの世界にいるから・・・・・。

              いや、実は彼女こそ敵なのかもしれない・・・・・。
              あの接触は罠の一部に過ぎない・・・・・。


              など、色々な意見が交錯した。



              今、KM社を守れるのは、自分だけだから
              軽々しい行動も取れない。

              正体の解らない人へ名乗るのは軽率だと香穂は考えた。



香  「さて・・・・・どうしたもんやろなあ・・・・・。」








              事務所に戻った香穂は、状況が変わっている事に驚いた。


香  「燕(つばくろ)!!どうしたの!?」

燕  「来たぜ・・・大量の武装集団が・・・・・。」

香  「武装集団!?」


              燕の見ている映像が映し出された。


香  「な・・・・・。なにこの軍隊は・・・・・。」



              無機質な顔を持つ人形のような団体。

              軍隊である。

              ライフルの様な銃を構えて、列を乱さず行進して向かってくる。



燕  「現代の兵器の使い手か・・・・・。」

香  「燕!!今から、『獅子(しし)』を送るわ!!」



              数秒後に、燕の隣に赤い装束の忍者が現れた。


獅  「獅子・・・・・推参・・・・・。」
燕  「どうする・・・・・獅子よ。」

獅  「どうもこうも無ぇぞ!!勝てば官軍!!一気に行くぜ!!」




              KM社ビル屋上から飛び降りる忍者2人。




















             ロイヤル

文  「へぇ・・・今度は2人の忍者か。
      でも、僕の方も総動員させて貰ったけどね。」



             大哉 文人(だいや・ふみひと)
               能力名 『蹂躙する兵隊たち』(ダイビング・ソルジャー)

                 あらゆる場所に『侵入できる兵隊』を具現化できる。
                 人の体内、電脳世界、あらゆる場所に。
















             続く。









































おまけ。


玄  「俺も目が疲れた・・・・・。これはブルーベリーを取るしかないな。」

凛  「私のサプリメントあげましょうか?」

玄  「いいの?」








鉄  「ならんぞ!!玄米!!」

玄  「え・・・・・?」














鉄  「男は黙って、ヒジキを喰え。」


















蛙  「目にいいかどうかは・・・関係無いんだな・・・・・。」

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