CHANGE ∀ MIND
第52話
「光と闇のパラダイス」
コンビニ「シャンパーニ」
以前のママの特撮旅行(笑)で、代理をつとめた主任 花鳥風月(かちょう・ふづき)。
味をしめたママが代理を結構頼む。
もともと、酒場向きのキャラではないし、鬱陶しい酔っ払いの相手をしなくていい
と思っていたので特に問題は1つくらいしかない。
売り切れるものと、売れ残るものの数字の無駄が、性格上気にいらない。
風 「読みが外れたか・・・・・。」
今日のバイトは『杏山羊 梓(きやぎ・あずさ)』と、『志堂 心(しどう・こころ)』
まだ心は発注作業はできないので、やり方を見てるだけであった。
裏部屋の発注のシステムPCを作業するのを覚えてきた梓は
今日もやっているわけだが、操作が楽しくて仕方が無いのだった。
梓 「普通のパソコンより、簡単ですね。」
風 「慣れたらどうって事は無い。
週間売り上げ記録から、曜日別のデータを取り出しておいた方がいい。
その予想がある程度私と同じくらいなら、重要な発注を任せてもいい。」
梓 「マジですかっ!!」
風 「そうすれば、時給にも反映する。」
梓 「うおっ!!頑張りますっ!!」
自分の担当時間が終わってからも、風月の許可を得て、
過去のデータを閲覧する梓。
梓 「なるほど・・・気温が寒く安定した時より、急激に寒い日が来た時の方が
温かい物が売れるんだ・・・・・。」
と、何気に賞味期限が切れた弁当の残りを食べる。
医学生であり、1人暮らしをする梓であった。
こっそり様子を見てる風月も、昔の自分を見ているようだった。
風 「学生時代か・・・・・。そういえばコイツに覚醒めたのも、あの頃か・・・。」
もちろん風月の能力【創造する光と闇】(ソリッド・ファンタジスタ)の事である。
と、風月はコーヒーを1本買い、机に打ちつけ凹ました。
風 「飲むか?」
梓 「あ、風月さん、そんな気を使ってくれなくていいですよ〜。苦学生ではありますけど。(笑)」
風 「気にするな、箱から落ちて凹んでた奴だ。売り物にはならんしな。」
梓 「あ、じゃあ、遠慮なくいただきます。(笑)」
箱から落ちてたコーヒーがこんなに冷えているはずがないと気付いてる梓。
梓 (意外に、鋭くない部分もあるのかな・・・・・。なんて・・・・・。)
そして、システムPCを操作していたとき、静電気の様なものが指に発生した。
梓 「あうっ!? なんで?」
キーボードも機械なので、金属のよなものなのかと・・・。
梓 「コーヒーこぼしたわけじゃないし・・・・・。」
再び画面を直視した時、不思議な感覚に襲われた。
薄暗い闇に包まれた空間に引き釣りこまれた感じである。
梓 「な・・・・・なにこれ?って、ドコなの?」
よく見ると道は無いが、小さな灯りがポツポツと見える。
コンビニシャンパーニである。
そこに寄って見る。
だが、中には商品は無い。
冷蔵庫にも、棚にも数字が浮かび上がってるだけである。
梓 「ななななななによコレ・・・・・。」
弁当のあるはずの棚を見た。
見覚えのある数字である。
梓 「これって、さっき見てた週間売り上げデータ・・・・・。
奥には先週のデータ・・・・・。」
冷蔵庫にも行くと同じように数字が浮かび上がってる。
梓 「なるほど・・・・・。ココ・・・・・システムPCの中だ!!」
杏山羊 梓(きやぎ・あずさ)
能力 『不思議な蒼い電脳世界』(サイバー・サブマリン)
ネットやデータを世界として構築できる。
梓 「あ、コーヒーの廃棄なんてやっぱり無いし、さっき売り上げでてる。
風月さんたら・・・・・。」
その数字だけを良くみてみる。
コンビニはレジにおいて、客の年齢層も入力する事になってる。
数字だけで、何時にどんな年齢の人が何を買うのかが見える。
そう思うと、数字が全て引っ込んで、
人々の映像がコンビニに映し出された。
まるで防犯カメラを見てるかのように・・・・・。
梓 「一日の流れが見える・・・・・。これ、発注に便利だなあ。
これが、風月さん達の言う【マインド】って奴なのかなあ。」
たまにママと風月が裏で話しているのを聞いた事があったのである。
そういう漫画みたいな世界がどこかにあったらいいなと思っていたのかもしれない。
だから、今ここでこの世界を自然に受け入れる事もできた。
そして、楽しい。
その世界のシャンパーニを抜けた、少し奥に酒場ルイーダもあった。
だが、店の中のカウンターには、炎の壁が燃えさかっている。
梓 「ああ・・・・・不正アクセスとかを防止する、ファイアウォールなんだ・・・・・。
さすが風月さん、そういうのはしっかりしてるんだ。」
シャンパーニは、梓自身がパスワードを外して見てるために
用意に進入できたのである。
薄暗い闇を歩いてみた、さまざまな灯りが見える。
梓 「なるほど、色んなホームページが『街』になってるんだ。」
時々大きな灯りも見える。
梓 「アレは、ケッタモータースかな? さすが大手、大きいなあ・・・・・。」
と、そのビルの屋上に何か見える。
まだ、モータースビルのサイトには踏み込んで無いのに
誰か居る。
まるで忍者のような人が立っているのである。
梓 「どういう事・・・・・?」
ビルに近づいてみた。
梓に気付いた忍者が、ビルの壁面を走って降りてきた。
同時にビルの周囲が炎で囲まれる。
梓 「火遁・・・・・。とかじゃなくて・・・・・誰なの?」
忍 「侵入者か?」
梓 「うわっ、しゃべった!! って、まだ侵入とか何もしてないじゃん。」
忍 「なぜこの世界にこれた?」
そう言われ少し驚く・・・・・。
「この世界」、既存の世界なの?
梓 「って、私の創った世界だと思ってたのに・・・・・。」
忍 「創った・・・・・?」
梓は今日の経緯を話した。
この世界に来るまでの事を。
忍 「なるほど・・・・・この世界に自分自身がこれるわけか。
危険だな・・・・・。」
その忍は、この世界に潜行できる能力であり、
能力者自身は現実世界にいるらしい。
そう、忍の能力者は、
ケッタモータース秘書 「田野橋 香穂(たのばし・かほ)」
『電界の庭番衆』(エレキテル・ニンジャ)である。
電話線から相手先を探ったり、携帯に潜伏したり
あらゆる場所に忍び込む忍者であった。
さっきの話から察するに、何かの敵から守ってる感じである。
忍 「自分の能力をどうするかは自由だが、この世界も危険だと言う事を覚えておけ。」
そういうと、忍者は再び屋上へと駆け上がって行った。
なんだか怖くなった梓は帰ろうと思った。
どうやら、帰るにはコンビニ「シャンパーニ」まで帰らなければならないらしい。
そして、現実のシャンパーニに戻った梓は、
とりあえず、全部風月に話すのだった。
ケッタモータース事務所
蹴田社長が海外に出張であった。
だが、今KM社に侵入しようとしている輩を探れるのは香穂だけなので
ここに残り日々探索をしているのである。
香 「さっきの子、どっかで見た事あるんやけどなあ・・・・・。
ってウチも露骨にガードしてたらあかんわな・・・・・。」
ちょうど蹴田からの電話が鳴る。
香 「お疲れ様です、社長。」
蹴 『お疲れ様。そっちはどうだい?』
香 「ええ、その事で報告があるんですけど。」
一連の報告をする。
あの子以外の侵入者は今日は特に無かった事も。
蹴 『結局、こないだのは解らず仕舞いなんですね。』
香 「そうなります・・・。さすがに24時間見張ってるわけやないんで。」
蹴 『いえいえ、香穂さんだったからこそ、こないだの侵入者が居たことも解ったわけですし。』
香 「絶対突き止めて見せます。」
蹴 『無理をしないように。私も明日日本に戻るつもりなので。』
香 「了解です。お気をつけて・・・・・。失礼します。」
とは言え、先週、不正にアクセスしようとした輩は手がかり無しだった。
ただの興味本位の素人なのか、それとも悪意ある玄人の仕業なのか。
何者かがKM社の何かを探ってる事だけは確かだった。
香 「さっきの子も、忍者くらいやったらええんやけどなあ・・・・・。」
コンビニ「シャンパーニ」
風 「また、不可思議な能力に目覚めたんだな・・・・・。
まぁ、酒場ルイーダのセキリュティはエグイの入れてあるから、
興味本位で覗かないようにな・・・・・。フフフ。」
梓 「怖っ・・・・・・。」
風 「なんにしても、危険な世界だから気をつけるんだな。
だが、シャンパーニの発注にはかなり役に立つかもな。
一応、数字だけの予想と、その世界の予想と両方の視点から見るんだ。」
梓 「解りました。」
心 「何があったので御座いましょう・・・・・?」
心はまだ、簡単な飲料商品のテスト発注で悩んでいた。
続く。
次回予告ならぬ、おまけ。
真 「困ったなあ・・・。」
ア 「どうしたの?真菜さん?」
真 「社長というか、実行する人が居ないから、仕事にならないわ・・・。」
ア 「真菜さんは、やらないの???」
真 「結構この仕事危険なのよ・・・・・。」
み 「それに、あのロイヤルってのも調べないといけないし・・・・・。」
ア 「私もできる事あったら言ってくださいっ!!」
真 「おいしいご飯が食べたい・・・・・。」
み 「うっ、私はパスタしかできない・・・・・。」
ア 「厳しいなあ・・・・・・。(汗)」
真 「ええ、いつものお寿司コースで。」
み 「って、何、出前とってるんですか。(笑)」
ア 「で、伝説の「26万円分食事」ですか!?」