CHANGE ∀ MIND
第51話
「叫びの轟く海岸」
海岸
倒れてるマドカを助けに行こうとする饅頭を阻む・・・・・。
ヤマタノオロチ。
8本の首を持つ怪物である。
マ 「な・・・・・こんなのあり・・・・・!?」
揺らぐ意識の中でも、その化け物は見えた。
大量の冷や汗、動悸、手足のふるえを伴っている・・・・・。
饅 「うーん。実は何かの撮影・・・・・・であってほしかったな。」
マドカは酩酊するような毒を喰らったらしい。
ばら撒いた板は、あちこちに散っている。
時 「さて、遠慮なくいかせてもらうぜ。」
ジャンククラッシュされた数熊もまた復活している。
数 「クソッ、不覚を取った。」
砂の中から現れた化け物はその8本の首で食いつこうとする。
必死に盾でガードする饅頭。
倒れてるマドカを喰われてもシャレにならない。
饅 「『暗入筒』(くらにゅうとう)!!」
筒状の丸太のような砂糖が飛び出した。
それをイカダのように組み合わせる。
時 「そんなもので防ごうと言うのか?」
盾に使うわけでもなく、マドカの下に出現させた。
時 「砂に沈まないようにしても、オロチに食われるだけだ・・・・・。」
マドカに伸びる首!!
だが、その丸太が回転しだした!!
そのままベルトコンベアーのように、マドカが運ばれる。
饅 「ちょっと、そこで休んでて。」
時 「ウザイ能力だな・・・・・。」
饅 「それはお互い様だと。」
白い砂(砂糖)をかき集め、固まらせる。
数 「チッ、空中でも操れるのか・・・・・。」
数熊は物を砂にし、操るのだがあくまで重力の支配下にある。
饅頭は、砂糖を四角い弾丸状にする。『核砂投(かくざとう)』
だが、それを発射した所で、オロチには何の効果も無いようだ。
時 「そんな小石で倒せると思ったか!!」
オロチが饅頭の腕に食いつく!!
饅 「うわあああっ!!」
そのまま右腕を操作し、『暗入筒』を積み上げる。
そして、回転を始めた!!
オロチの首が2本ほど、そのローラーに巻き込まれる。
時 「なにぃ!!そんな使い方が!!」
饅 「地獄のローラー・・・・・なーんて。」
この化け物に致命傷を与える技が思いつかない。
以前使った、『散怨刀』の二刀流12倍ヴァージョンくらいだが、
今、片手をやられてしまった。
地獄のローラーも、ネタがバレた以上、通用しないだろう。
数熊も、足元をどんどん砂にし、崩していく。
そこに落とされたら終わりである。
攻撃に砂糖を使えば足場が無くなるのも必須である。
とりあえず、『散怨刀(さんおんとう)』を具現化し持つ。
これで首を切り落とすしかないが・・・・・。
6本の首が交互に襲い掛かる。
片手の刀でどうにかなるものでもない。
とうとう、砂の上に落とされた饅頭。
数 「よし!!」
散怨刀も、崩されていく。
数 「時坂!!毒蛇でやっちまえよ!!」
時坂が砂の中の蛇を操る。
が、何かがおかしい。
時 「蛇が・・・・・。」
蛇の動きが鈍い・・・・・。
マ 「さて。反撃といきますか。」
数 「な!!この女、なぜ?」
時 「どういう事だ・・・・・。」
マ 「ただ単に、急激に血糖値を下げただけの毒だったようね。」
時 「なに!?」
マ 「相手が悪かったようね。」
マドカの手には、角砂糖が握られている。
マ 「饅頭君、ありがとね。ブドウ糖。」
饅 「いえいえ。」
時 「貴様、何かしやがったな・・・・・。」
マ 「あら。さっき、私の技をバラ撒いたはずだけど?」
時 「この熱を発するタダの板が・・・・・。」
マ 「そもそも、熱と言うのは分子運動なわけ。
私が熱を操る能力を持つって事は・・・・・。」
時 「冷やしたか・・・・・。」
マ 「変温動物は低温だと、動きが鈍くなるって言われてるけど、
必ずしもそうじゃないって解ってるわ。
それでも、度を超えた低温はヤバイようね。」
マドカの『処女の抱擁』は、マイナスの域まで達している。
マ 「熱い能力と思わせておくのも、手でしょ。」
饅 「おお。」
さらには、数熊にも、『人馬の火矢』を打っていた。
マ 「饅頭君、行くわよ!!」
饅頭は動きの鈍ったオロチの首を叩き斬る!!
マ 「『白羊の突撃』(はくようのとつげき)!!」
オロチの身体に飛び乗り、オロチ自身と、
数熊の身体にも『V』の様な記号を書いた。
数 「な・・・なんだこれは!!」
その直後、その記号から煙が上がる。
マ 「『白羊』の角のように、中まで突き抜ける炎・・・・・。
ちょっと、熱すぎたかしら?」
さらに、数個の『V』が刻まれる。
数熊はそのまま倒れた。
もはや操る蛇の無い時坂も攻撃の方法がなかった。
饅 「操作系能力の欠点だね。
売られた喧嘩だし、悪いけど決めさせてもらう。」
饅頭が手をかざすと、時坂の足元から白い塔が現れた。
饅 「『武道塔』(ぶどうとう)!!」
そのまま上空に打ち上げられる時坂。
地面に落ちる瞬間、再び、塔がせり上がり打ち上げる。
また地面に落ちる所を、打ち上げる。
饅 「『饅頭リベンジャー!!』なんて・・・・・。」
甘辛コンビの勝利である。
饅 「ふー。危なかった・・・・・。」
マ 「私もそんなに戦闘経験無いから・・・・・。」
スネイク2人の倒れた姿を横目に。
饅 「多分、DCの息のかかった連中なんだろうなあ・・・・・。
素直に音楽の道だけにしとけば、よかったのに。」
マ 「そうね・・・・・。」
饅 「とりあえず・・・・・戻りましょう。」
その後、全員は合流した。
さっきの強盗は、本当に謝罪に来たが、
そのまま警察に突き出されたらしい。
室樽 梨夢は、スワンの知り合いの能力者の警察に引き渡された。
そう、鉄也である。
鉄 「よう、諏訪雲。久々だなあ。」
『能力』云々の話を知っていた事になる。
サ 「スワンさん・・・・・昔、何かしてたのかなあ・・・・・。」
鉄 「ああ、こいつは・・・・・。」
と、鉄也が言いかけたが、スワンは口に指を当てた。
ミ 「ス、スワンさん、もしかして・・・・・・。」
サ 「な、なんだろう。」
ミ 「元デザートカンパニーとか・・・・・。」
マ 「ま、まさかっ。」
と、にっこり笑いつつ。
ス 「だったら、どうする?(笑)」
4人が驚いたが、真偽は定かではなかった・・・・・・。
続く。
次回予告。
風 「何だって?次回は出番がある???」
梓 「らしいですよ。コンビニチームの出番です。」
火 「私もあるのか?」
志 「私もあるので御座いますですか?」
梓 「ど、どうだろう・・・・・。その後っても聞いてるけど・・・・・。」
風 「発注忙しいから、また今度・・・・・・。」
梓 「って風月さん、何言ってるんですか!!せっかくの出番なのに!!」
風 「仕方ないな。そこまで言うなら出てやろう。」