CHANGE ∀ MIND
第48話
「ヴァルキリー」
EVER SNOW
新曲の『咲花華(さかみち)』を歌う四人。
まだ、完全と言うわけではないので、製品としてでなく、
初回撮りという感じで音源を作っておいた。
サ 「すぐCDになるからびっくりですよねぇ。」
ス 「多分、ジャケットとかの方が大変なのよね。」
ミ 「アタシ描くよっ!?」
マ 「ミナさん・・・・・。何を描くつもりで・・・・・?」
ミ 「桜の花びら?(笑)」
マ 「せめて四季を表すような・・・・・。」
ミ 「イカとかは・・・・・?」
マ 「はたきますよ?(笑)」
そんなこんなで、その日の一応の収録は終わる。
その帰り道。
ミ 「ねーねー、なんか食べて帰ろうよ。」
ス 「そうねぇ、いつものとこ行く?」
ミ 「鰤熊?」
サ 「かな?」
ミ 「たーまーにーはー、ちーがーうーのー食ーべーたーぃー!!」
マ 「うるさっ。(笑)」
と、誰かの叫びが聞こえた。
ス 「何ッ!?」
サ 「あ、あっちですぅ!!」
5人は走る。
饅 「おばあさん!!大丈夫ですかっ!!」
婆 「ナイフで・・・・・脅されて・・・・・カバンを・・・・・。」
マ 「あっちだねっ!!」
饅 「よしっ!!」
と、駆け出す饅頭。
マ 「皆はおばあさんをよろしくっ!!」
饅頭に付いて行くマドカ。
マドカはとくに高齢者に対してそういう事をする人間が嫌いだった。
普段も『振込み詐欺』や、『架空請求』で、何も知らない老人を騙す人間に
怒りをおぼえていた。
マ 「絶対許さない!!」
饅 「捕まえてやる!!」
二人は全速力で駆けた。
はるか向こうに走って逃げる影を見つけた・・・・・。
ミ 「絶対カバン取り返すからねっ。」
婆 「そんなのいいのよ!相手はナイフ持ってたんだから危ないわよ。」
ミ 「大丈夫、大丈夫!!アタシらに任せてっ!!」
サ 「お婆ちゃん怪我は無い?」
婆 「ちょっと突き飛ばされただけだから・・・。」
ス 「とりあえず、どこかで座りましょう。」
サ 「ですね。」
少し明るい場所のベンチに老婆を座らせた。
婆 「物騒な世の中になったのぅ・・・。」
サ 「ですね・・・・・・。」
老婆はやはりまだ怯えている。
スワンは1枚の小さなレコードを出した。
サ 「ん?」
指の上でクルクルと廻るレコード、静かに曲が流れる。
ス 「『静寂の円舞曲』(サイレンス・ワルツ)。」
その曲を聴いているだけで、なぜか落ち着いていく・・・・・。
サ 「ああ・・・。なんか心地よい・・・・・。」
ス 「静寂の中に響くワルツ。気分を落ち着かせるの。」
ミ 「えっ!?・・・・・その『静寂の円舞曲』が、スワンさんの能力っ!?」
ス 「んー。一部かな・・・・・。」
右手と左手を合わせてみるスワン。
トランプの束のように、小さなレコードが何枚もパラパラとめくれる。
婆 「あんれま!手品だよ!!」
諏訪雲 白奈(すわぐも・しろな)
能力名『女神交響曲』(ヴァルキリー・シンフォニー)
『状態』をレコードにする事ができ、それを聴いた者をその『状態』にする。
サ 「スワンさんも戦闘能力じゃないんですね。」
ス 「音楽は人を傷つけるものじゃないから・・・・・。」
サ 「ですよね。優しい能力ですね。
私は特殊な空間を作り出すことしか。」
ス 「皆を守れるってすごく素晴らしい事だと思うわ。」
ミ 「空トンでちゃダメですか・・・・・。ションボリ。」
ふと遠い目をしながらスワンは語る。
ス 「何か大きな事に巻き込まれかけてるような気がするの・・・・・。」
サ 「私もそう思う。」
ミ 「あのデザートカンパニーのバカでしょ?どーせ。」
サ 「ううん・・・・・違うの。
もっと・・・・・凶悪な何か・・・・・。」
「見つけたし〜〜〜〜。」
若い女性の声がした。
ミ 「あ!!あの女!!メガラバでの女!!」
芽 「やっと見つけたわね。おばさん〜。」
ミ 「小娘ぇ!!」
現れたのは、
『鳴り続ける非常線』(インジンシブル・ライン)の城戸 芽瑠。
『錬金術師の手』(ゴールド・ラッシュ)の室樽 梨夢である。
メガラバ北側駐車場で、ミナ・マドカ+ケッタモータースと戦った二人である。
ミ 「めっこめっこにしてやるぅ!!」
ス 「ちょっと、ミナちゃん!!」
サ 「どどどどど、どうします?スワンさん。」
ス 「饅頭君とマドカちゃんが・・・・・。」
サ 「とりあえず・・・・・。」
サヤの能力『起源の舞台』(ファースト・コンチェルト)の
『オーパス・ワン』が発動した。
サヤを中心に、大きな部屋が出来上がる。
ス 「前より広くなったわね・・・・・。」
サ 「オーケストラが入れるくらい・・・・・。」
その部屋の中ならば、外から何も見えない異空間になるために
少しくらい派手に戦っても被害が少ないからである。
あとは、戦ってる所を他の人に見られたくないからである。
とくに、話の内容がよく解ってないお婆さんも巻き込むわけにはいかない。
サ 「どうしよう・・・・・。」
ミ 「サヤちゃん、外で部屋だけ作ってて。」
サ 「え・・・・・?」
ミ 「あいつら、アタシがやっつけるから!!」
ス 「相手は二人も居るのよ!?」
ミ 「大丈夫、あいつらの手のウチ知ってるし。
小娘二人っ!!アタシと勝負しなっ!!」
と、サヤはその部屋への入り口を広げた。
芽 「へぇ・・・良い度胸じゃん?おばさん。」
梨 「ま、スグに終わらせちゃお? 様筬のジジィウルサイしね。」
芽 「そうだね。」
ミ 「お婆さんの事、よろしくね。」
ス 「え・・・ちょっとミナちゃん!!」
サ 「あああ。饅頭君戻ってこないかなあ・・・・・。」
饅頭に電話してみるが、どうやら追跡中らしい。
ス 「電話に出ない・・・・・。」
ミ 「この、戦う女神のミナちゃんに任せなさいっ!!」
二人に続き、ミナもオーパス・ワンの部屋の中へ入っていった。
ミ 「『じゃじゃ馬ライダー』っ!!」
速攻スノーボードに乗り、空を舞うミナ。
ミ 「天井も広くなったかな・・・・・。
さぁ来い!!小娘共っ!!」
芽 「また、空飛んでるよ。」
梨 「キャハハハ!!アンタも携帯ばっかっつー話ぃ?(笑)」
芽 「だよね〜だよね〜♪」
ミナは思った。
『超うぜぇ。』
芽 「さーて、アレヤっちゃう?」
梨 「ヤっちゃおっか?」
芽瑠が携帯を操作する番号は3桁。
芽 「『117』天気予報!! もちろん雨っ!!」
梨 「そして、雨を黄金に変えるっ!!!!!!」
ミ 「もうそれは知ってるよ。」
降り注ぐ黄金の雨、だが、以前使った技であり、(28話参照)
『焼肉ロマンス』の焼肉鉄板で、雨を防ぐミナ。
ミ 「はっ・・・この黄金の雨・・・・・売れるのかな・・・・・。」
部屋の一番上まで来たが、
その天井から雨が降り注いでいるらしい。
ミ 「くぬぅー。めんどぃ能力だなあ・・・・・。」
ミナが上空を廻りながら、何かをバラ撒く。
芽 「また、なんかバラ撒いてきたよ?」
大量のプレパラートである。
ミ 「こないだは、あの毒霧野郎が邪魔したからだけどっ。」
芽 「どんなけ、落としてるんだよ。」
梨 「アレってさ、理科の授業で使うやつじゃん?????」
芽 「そーそー。キャハハハハハ。」
枚数にして、軽く万を超えている枚数だ。
どうやら、そのプレパラートが積み上がって何かを作っているようだ・・・・・。
続く。
次回予告(?)
ロ 「さぁさぁ、何ができるのかしらねっ。(ダミ声)」
苺 「って、ママ娘も居るの?」
ロクロママの後ろに娘が。
ロ 「そうよ〜。若菜って言うの。
メロキュア大好き。(ダミ声)」
萌 「メロキュアって・・・・・何?」
苺 「女の子向けのアニメだと思う。」
萌 「あーあー、アレね。」
苺 「って事は・・・・・・。」
萌 「やっぱ、息子みたいに変身しちゃうのかしらっ!?」
苺 「ま、まさか・・・・・。」
火 「なぁ、木刀とか注文しねぇの?」
心 「ちょ、火那子さん・・・・・勝手に操作しないで下さい・・・・・。」
風 「ちょっと・・・・・酢昆布・・・・・大量に注文したの誰?」
梓 「わわわ・・・・・私です。」
風 「なんで100個も?」
梓 「お客さんが好きらしくて、買うって言うものでして・・・。」
風 「こんなに買うやつ居るのか・・・・・。」
鉄 「ぶぇっくしょぃあああああああああ!!」