CHANGE ∀ MIND

第39話
「屋上での死闘」

*「真」=燈篭環 真
*「菜」=砂流 真菜









             脳噛商会・ビル屋上

             対峙する、岱・みちると、桜・真。

             真は一枚のカードを出した。
             能力 『盤上の死亡遊戯』(デスゲーム)である。



真 「属性『王宮』!!地場カード『王宮の入口』をセット!!」


             辺りの景色が・・・屋上のはずが・・・中世ヨーロッパの王宮へと変わる。
             城を入ってすぐの庭の様なイメージである。


み 「うわ。」
ア 「な・・・なにこれ・・・・・。」

菜 「ふ〜ん、こんな事もできるんだ。」



             岱が真菜に叫ぶ。


岱 「死んでも、手出し無用。」
菜 「うん、知ってる。」

ア 「えっ!?(汗)」


             それを聞いて驚くアイに、真菜は、
             「2vs2と言う戦いで、危機だからと手助けされて恥の中生きるなら、
              死んだ方がマシ。」と言う、信念を耳打ちする。



岱 「『魔人の千里眼』(イビル・アイ)・・・・・。『正義』ジャスティスブレード・・・・・。」


             岱の手にある『正義』のタロットカードから、刀が出現する。

             鞘から、刀を抜いた。


桜 「『一騎当千』(グランドマスター)!!『兵士』(ポーン)!!アンダープロモーション!!」


             桜の手からチェスの『ポーン』が投げられ、鎧となって装備された。
             アンダープロモーションとはそういう技なのであろう。





菜 「ふ〜ん、自分で直接ヤるんだ。」




み 「私だって、修行したもん!!」

             能力 『覚醒する流星』(ジェット・ブースター)の『鍵』を出した。
             燃料メーターは満タンである。
             それを自分の心臓に突き刺し、鍵を廻した。


み 「トップギア「4」 ハイブリッドクロス!!」

             基本的に、全感覚を少しづつ上昇させる技である。
             それぞれの最高値は、L・2・3ほどではない。
             つまり、当たり障りの無い位置づけである。

             それだけで終わるとは思えない、地味な能力である。


             岱・みちる共に、戦闘の構えを取る。


真 「カード!!『王宮の近衛兵』を守備表示!!」


             真の前に、数十人の甲冑の兵士が現れた。





ア 「ずるっ。」
菜 「彼は、操作系なのかな・・・・・。
    あの身体じゃ、自分で戦うって見えないわね。」

             真菜はおちついて、敵を『診て』いる。







             次の瞬間、剣を構えた桜が眼前に来ていた!!

             その剣を、刀で受け止める岱。


桜 「あら・・・。意外にやるのね。」

岱 「オマエ相手に本気になった事など、一度も無い。」








             開戦!!



             ザッザッと一歩づつ行進して迫る近衛兵を、みちるは酔拳で応戦する。


             拳や蹴りであると言うのに、なぜか近衛兵が斬れていく。

真 「手刀・・・・・にしては・・・・・変だな。」



み 「ふふん。『油』を具現化し、硬質化する事で、斬る能力も身に付けたのよ。」



             それが「4」の能力である。

             名前こそハイブリッドなのは、その『通常状態』の燃費の良さである。

             その名前の隠れ蓑の中にある、この奥義。


             だが、、その力を『油』と言うカタチで具現化する事で、
             力の燃費が一転、『最悪状態』になるのである。



             すなわち、短期決戦。


             ハイブリッドなのに、燃費が悪いと言う事実を見破られる前に倒そうという事である。






             廻りこませようと、近衛兵がみちるを囲む。

             それでも、対多勢の拳法を使うみちるにはそこはさほど問題ではない。

             むしろ敵の持つランスや剣を喰らってはマズイと言う事。



み 「うっ!!」

             さすがに、このスピードでは無理だと実感した。

             敵の攻撃が足をかする。


み 「「3」スリースターズ!!」


             ギアを3に変える。スピードを上げるギアである。
             もちろん攻撃力・防御力・五感感覚は下がってしまうが。

             その途端、近衛兵は、みちるを追う事はできなかった。
             甲冑からの愚鈍さを、人数でカバーしていたが、それもココまでだった。


             瞬く間に、甲冑の山ができあがる。


真 「な、なんという女だ・・・・・。」
み 「そんなペット使ってないで、かかっておいでよ?」


             酔拳独特の手の甲を翳す、挑発のポーズである。







ア 「みちるさん、かっこぃぃ〜〜〜♪」
菜 「魅せられるわね・・・・・拳法って・・・・・いいわぁ・・・・・ゾクゾクする。」
ア 「う、うん。(汗)」






              一方、桜と岱は接近戦である。
              刀と剣の斬りあいが行われている。


桜 「さすがに、剣術じゃ・・・厳しいわね。
    それに、直接攻撃じゃ面白くないわね・・・・・。」


              桜が後ろに飛びのいた。



桜 「『兵士』(ポーン) 『アンダープロモーション』解除!!
    『騎士』(ナイト)!! 『チェックメイト』発動!!」



              瞬く間に、鎧が外れ『兵士の駒』に変わる。

              そして、『騎士の駒』が、長い槍に変形した。

              これが、騎士の駒の『チェックメイト』の能力であろう。


岱 「なるほど・・・。直接は面白くないと言った以上、『ただの槍』ではないだろうな・・・。」
桜 「さて・・・どうでしょうね。」




              槍を構える桜。

              こっちの方が使い慣れてると言った感じである。




              リーチの差で今度は少し追い詰められる岱。


              すぐにみちるが後ろから連続の蹴りを放つ。

み 「敵は一人じゃないわよ?」


真 「カード!!『攻城弓(バリスタ)』を攻撃表示!!」

              みちるが離れた隙に新しいカードを置く真。

              巨大な弓である。

み 「うわ・・・。しまったなぁ・・・。」




              岱もタロットを引く。



岱 「隠者のスート!!『賢者の煙(パープル・ヘイズ)』!!」



              カードが怪しく光ったと思った瞬間、カードから煙が噴出した。

              それを回転させながら、上空に投げる。

              辺りは煙で覆われていく・・・。

桜 「!!」

              すぐに桜が槍でカードを叩き落すが、
              すでに数m先の視界が遮断されている。


桜 「なんてこと・・・。」

真 「これじゃ、ドコに撃てば・・・・・・。」





              その煙と言う闇の中、岱の声がする。




岱 「どうした?そのバリスタとやらは、見せ掛けだけか?」

真 「視界が悪いのはお互い様じゃないのかい?」


              と、真が一歩動いた所で、何かに撃たれる。


真 「!?」


              タロットカード『星』のスート、『地上の流星(シューティング・ブリット)』である。
              指先からの飛び道具である。


真 「自分だけは見えているのか・・・・・。」

桜 「いえ、動かないで・・・。」
真 「!?」


桜 「すぐに攻撃してこない所を見ると、こちらが動いた先をみつけてるだけね・・・。」





              『節制』のスート、『悪戯の絨毯』(トラップ・カーペット)も使用しているようだ・・・・・。



              煙が少しづつ晴れるのを待つ二人。


桜 「もう一人のお嬢ちゃんが来ないのも、見えてない証拠ね・・・。」


              桜が少しだけ、足を擦って動いた。

              またその瞬間、何かが飛んでくる。

桜 「なんて、鬱陶しい・・・・・。」


              が、その踏み込んだ足の感触に違和感を感じる。



桜 「なるほどね・・・。何か、敷いてあるわっ、それを踏まないように!!」
真 「解りました。」





              その薄い絨毯を見逃さなかった。

              それを踏まないように、方向だけを見据えて、
              大丈夫であろう方向へと動く。



              また、何かが発射された。




真 「残念、うちの近衛兵さ。」



              真のカードから出たものには質量が存在した。

              だが、それも特に想像の範疇内であり
              煙が晴れた時に、二人は何かに気づく。





岱 「今日は能力の大サービスが、浴びるほど思い知るがいい・・・・・。」


              二人が立たされているのは、細い橋の上であった。

              もちろん、廻りは奈落である。


真 「ば・・・ばかな・・・・。」


              真の呼び出した王宮の景色が少し離れた場所にある。

桜 「これは・・・いつの間にか歩かされていた?」


              だが、桜は自分達が今居る場所と、歩いた歩数に差があると気づいた。

              これも幻影であろうとは思う。


岱 「ククククク・・・。どうした?幻なら、飛び降りてみてもよかろう?」






              実際に、『世界』のスート、『虚実の景色』(シーン・チェンジャー)での景色であった。

              
              だが、その橋から半歩だけ、足を外してみるが、
              幻とは思えないのである。

              確かにそこには『地面が無い。』のである。


              桜は考えた、屋上の端に立たされているのでは無いかと。

              だとすれば、迂闊に動く事もままならないと。





              離れた王宮の前に、岱とみちるは立っていた。








真 (だが、今なら・・・・・バリスタで撃てる・・・・・・。)



              真はそう思った。














              続く。


































次回予告。



ミ 「次回!!イカ飯を買いに行ったミナちゃんは・・・・・・・。」



苺 「はいはいはいはい。
     次回は、私と萌ちゃんのお話ですよ。」

ミ 「あで?」


萌 「付け回すストーカーと戦っちゃうような♪」


ミ 「イカ飯・・・・・。」


苺 「イ、イカ飯は今度ね・・・・・。」

ミ 「はぁぃ・・・・・。」

萌 「かわいいとストーカーとか困っちゃうよね〜♪」
苺 「ね〜♪」




風 「私の見解だと、そんな人物は限られるのだが・・・・・?」

























空 「へっくし!!ん?風邪かな・・・。」    

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