CHANGE ∀ MIND

第37話
「静かな戦陣」









             デザートカンパニー
             幹部・燈篭環 真。



真 「おやおや?これは教授、珍しいですね、我がDC本部にお目見えするとは。」


             現れたのは、白衣の脳噛 桜であった。


桜 「総間博士の代理で新年のご挨拶に。
     出資していただいてますからね。」

真 「なるほど。」



桜 「富虎砂縛がやられたって聞いたけど?」

真 「そうですね。」

桜 「彼は確か、『バイオハザード』だったわよね?なんであの能力で敗北したのかしら?」
真 「魚肉ソーセージとか・・・・・?」

桜 「なるほどね・・・。でも、一帯誰に?」
真 「一応、『警視庁』のマインド使い、『鉄漢音警部補』とその部下と・・・・・。
    『脳噛商会』と名乗る・・・・・。」

             博物館と、MLSでの戦いで多少入手できたデータを見せる。



桜 「脳噛・・・・・商会・・・・・。」
真 「ええ、アナタと同じ名字ですが・・・あまりにも珍しい名字ですよね?」

桜 「十中八九、私の弟だわ・・・・・。」
真 「それは手ごわいはず・・・・・。
    最近我がデザートカンパニー社員が結構潰されてます。
    警視庁と、脳噛商会が率いるわけではないと思いますが、
    一部で繋がりも確認されています。

    あとはエヴァースノーの一味も。」


桜 「ふーん・・・・・。」
真 「あと気になるのは・・・『酒場ルイーダ』ですね。
     調べていて、警視庁との繋がりもあるようなので。」





桜 「別の意味で気にもなるけどね・・・・・。」










             その夜、桜と真は向かった。






             酒場『ルイーダ』
マ 「いらっしゃいませ。(営業用ダミ声)」

風 「いらっしゃいませ。」

萌 「いらっしゃいませ〜〜〜〜♪」
苺 「いらっしゃいませ〜〜〜〜♪」



             そう向かった場所はルイーダだった。




桜 「スナック・・・・・いや、クラブ・・・・・?」
真 「一応、バーのような気がしなくも無いですが・・・・・。」


             そして、風月の立つカウンターへと座る。




桜 「えーっと、私はギムレットでいいわ。」
真 「え・・・・えっと・・・・・ミネラルウォーターで。」

風 「かしこまりました。」






             奥のほうが少し騒がしい。


             奇妙な帽子の男が騒いでるらしい。

             もちろん住職:空散。






空 「え?今日新しい子来るの?????」

マ 「え、ええ。」

空 「何系?何系?」


マ 「う〜ん、コスプレが趣味みたいだけど・・・・・。」

空 「それは楽しみ!!」




萌 「段々店の方向性が解らなくなっている・・・・・。(笑)」






             時間も22時となり、新人がやってきた。






   「新人:赤焔 火那子(あかむら かなこ)参上!!」



空 「コ・・・・コスプレ?」



             やたらにタケの長い制服のような・・・・・。

             特攻服・・・・・?


火 「よろしく。」

空 「カナコちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!」























火 「きめぇ・・・・・。」

空 「ぇ?」




             意味はもちろん「キモイ」である。

             あっけに取られる空散。



空 「ママッ!!ま、また個性的な子が入ったねぇ。」

火 「おっと、接客必須アイテムを持ってくるのを忘れた・・・・・。」



             一旦裏にアイテムを取りに行く。







空 「な・・・・・なぜに、木刀!?」

火 「いやなに、ナンパ野郎はこれでシバこうかと。」

空 「ははははははは・・・・・(汗)」










             静かに酒を呑み、店を何気に見渡す桜。




桜 「なるほど・・・・・。能力者が何人か居るみたいね。」

真 「そんな事が解るんですか?」


桜 「アナタももう少し、その能力で色々できると思うんだけど?」

             桜の後ろの通路と、ホールへの間に、
             チェスの駒のような物が置いてあった。




             脳噛 桜 能力名『一騎当千』(グランドマスター)
                 チェスの駒に秘められた能力を使う。

                 『兵士』(ポーン)の能力の1つ『アンパッサン』
                 2個の駒の間を通過した者の能力を察知する。


真 「さすがですね。ところで、今日は何を探りに?」

桜 「え?酒の味?(笑)」


            と、笑ってはいるが、すでに『兵士』で探りを入れている部分は目ざとい。







マ 「いらっしゃいませ〜。(ダミ声)」




            また次の客が入って来た。



            段々カウンターが埋まって行く。




            住職と呼ばれてる者が居るテーブルもあいかわらず騒がしい。


桜 「まぁ、こんなことろかしら。」

風 「あら?お調べ物は終わりですか?」

桜 「!!」

風 「お気に障りましたら申し訳ありません。
    同じ仲間を見つけると嬉しいものでして・・・・・つい。」


            風月の遠まわしの牽制である。

            もちろん桜にも解っている。


            『何かある。』までは解っているが、正面切って勝負を挑まれた感じである。


桜 「似たような事ができるみたいね。」

風 「いえいえ、私のはつまらない能力ですよ。」





桜 「いえいえ、古風な感じで。」

風 「!!」



            カウンターに何気に置いてある『黒い折鶴』である。

            これは能力者にしか見えない、風月の能力。
            ちなみに、以前も出たこの技の名は『邪嵐(じゃらし)』


            つまり、桜の視線がそこに行ったのを見逃さなかったのである。



風 「そんな人間模様を見るのが、唯一の楽しみでして。失礼致しました。」

桜 「いえいえ、面白いわ。アナタ、お名前は?」

            風月は、名刺を差し出す。


風 「花鳥風月・・・かちょう・ふづきと申します。」

桜 「この名刺も、面白いわね?」

風 「ソレでしか、作れないものでして・・・・・。」



            そう、これも以前発信機として使った名刺である。
            技の名は『涼(すず)』


桜 「貰って置いても、特に問題無いわよね・・・・・。」

風 「そうですね・・・・・教授。」




            仕掛けたはずの風月の能力がバレている・・・・・。

            いったい、桜の能力は何であろうか・・・・・?


            だが、今度は真の視線を逃さなかった。




風 (床に何かある・・・・・。)




            この静かなる戦いは、イーブンかあるいは・・・・・。


            自分の負けなのか・・・・・と思った。




風 「またのご来店、お待ちしております。」

桜 「そうね。また来るわ。」







             そして、桜と真は店を後にした。


















風 「ちっ・・・・・。」


             少し壁を殴る風月。


火 「どうしたんだい?」

風 「いや・・・・・なんでもない・・・・・。」





















              店を出て、寒空を少し歩く。


桜 「ふふん、なかなか興味深い酒場だわね。」

真 「なぜ・・・・・ですか?」


桜 「メガ☆ラバ☆ショッピングモールでの入手したデータの富虎を倒した女はアイツね。」

真 「今のカウンターの女ですか?」

桜 「カメラにあった女と顔が違うけど、恐らく変身能力もあるわね。
     さしづめ、お面でも『折る』のかしら?」


              桜の予想通り、風月のあのお面の変身も見破っていた。
              ちなみにそのお面の技名は『被(かぶり)』
              風月自身も最近付けた名前である。



真 「では、あの場に居たのは全員、『脳噛商会』では無いと言う事ですね。」


桜 「そうね、黒服の女は脳噛商会ね。
     顔は違うけど、こっちの腕輪をしてる女は、あの店の奥に居たわ。」




真 「そ、そこまで・・・・・。」

桜 「なんにせよ・・・・・DCに対抗する連合軍みたいなのができてるようね。」

真 「そう思いますが・・・・・。」







桜 「早急に手を打つべきかしら・・・・・。」























             桜の中でひとつの決心がついた。












             続く。











































ミ 「出番〜〜〜〜〜〜!!」

マ 「え?」

ミ 「出番欲〜〜〜〜し〜〜〜〜〜い!!」

マ 「そんなダダ捏ねられても・・・・・。」



ミ 「次回は、この女教授がどこかへ向かった話っぽいし・・・・・。」

マ 「そうですね。」





ミ 「スワンさーーーーん!!ルイーダ呑みに行こうよ〜〜〜〜〜!!」

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