CHANGE ∀ MIND
第35話
「落ちる」
ガイナガテア・ビル内部
見事に、鮫を標識で殴り倒した蛙岩。
蛙 「肉体派じゃないんだけどな・・・。」
鮫4匹が消え、巨大な鮫が現れた。
要 「散らばったガラクタごと喰ってやるさ!!」
勢いをつけた大鮫が蛙岩の居る台ごと襲い掛かる。
蛙 「言ったはず・・・・・。禁止すると。」
蛙岩が地に刺した標識を指差す。
要 「ん?」
蛙 「進入禁止。
その鮫はそこから前には進めない・・・・・・。」
要 「なっ!? そ、そんな能力が!?
どうやら、その能力が創り上げた標識は、
その交通標識の通りの効果を及ぼすようだ。
蛙 「いやなに、俺も気づいたのは今なんだ。」
鮫が標識に喰らいついた!!
標識が歪んで、折れて落ちて行く・・・・・。
要 「標識を潰せばいいだけか・・・・・。」
蛙 「ま、交通規則違反で逮捕・・・・・・か?」
標識を倒し突き進んでくる巨大鮫。
特に逃げる様子も無い蛙岩。
蛙 「・・・・・。」
また、1本の標識が立っている。
要 「それも、喰い千切れば問題無いよな!!」
鮫が標識に噛み付く。
動きがスローになる。
要 「な・・・・・何!?」
蛙 「速度制限20km/h。
別に噛み付くは構わないけど、動きは・・・・・・スローだぜ?」
また別の標識を持って、鮫を殴る。
要 「それでもオマエの力じゃ、殴るだけだ。」
蛙 「そうだな。」
その殴った標識をそのまま刺す。
蛙 「自由に動く事を禁止する・・・・・。一時停止!!」
一時停止であるが、動きがゆっくりなために長時間の停滞と言う事になる。
そして蛙岩は自分の中から拳銃を取り出し、地面を撃つ。
要 「おいおい、そんな事をしたって、鮫が落ちるわけじゃないぜ。」
蛙 「ああ、俺が落ちるだけだが?」
蛙岩はそのまま飛び込んだ。
地面の穴は下の階に通じている。
奇妙な感覚だった、海原は屋上の階層だけに広がっているわけである。
下の階にはもちろん海原は無い。
要 「その階層も海で覆うだけだ!!」
瞬く間に蛙岩の足元に海原が広がる。
行動がゆっくりにされ、制限されていたため、
別の海の生物を生成する事ができなかったが、その制限も今消えた。
さらに拳銃で今度は天井を撃つ。
要 「最初に拳銃捨てたのはハッタリか・・・・・。
だが、天井の落石も、鮫には当たらないぜ?」
数十匹のミサイルのような魚が出現する。
だが、天井からの落石で、潰されていく魚たち。
要 「な・・・・・なぜだ!? 現実の物体の攻撃は・・・・・・。
そ・・・・・それは!!」
すでにこの階に降りた時点で1つの標識を刺していた。
蛙 「落石注意・・・・・。」
要 「な・・・なんという・・・・・。」
魚がほぼ全部潰されてしまった・・・・・。
再び生成する事は可能ではあるが、すでに要の中で敗北感が芽生えた。
自分こそ海の王者であるという信念が消えた・・・・・。
蛙 「とりあえず、連行する。」
すぐに上の屋上へと戻る蛙岩。
柵に縛られて凛華を救出する。
が、なんと屋上の床を崩した衝撃で凛華が目覚めてしまった。
凛 「あれ・・・・・私・・・・・って・・・・あわわわわ・・・・・。」
崩れかかった廃墟の柵に縛られているため不安定であった。
蛙 「國玲!!動くんじゃない!!」
時すでに遅く、凛華は、屋上から落ちて行った・・・・・。
凛 「きゃあああああああああああああああああああああああ!!」
ガイナガテア・ビル前
鉄 「アイタタタタタ・・・・・。くっ、不覚を取った!!」
なんと誰かが屋上から落ちていく!!
長い髪形から察するに凛華であると認識した。
鉄 「國玲かっ!!うおおおおおおおおおおおおお!!」
速攻でダッシュする鉄也だが、間に合うはずも無い・・・・・。
時間はそんな状況の少し前になる。
バラバラになった玄馬は、不思議な状態に居た。
玄 「あれ・・・・・俺死んだのか・・・・・?確かバラバラに・・・・・。
ああ、喰われる前に自分が分散できたらな・・・・・とかくだらない事考えてたなあ・・・・・。」
海原の消えた地面に『意識』はあった。
だが、何も動かない・・・・・。
玄 「変だな・・・・・ああ・・・・・バラバラになってしまったのか・・・・・。
もっとカッコいい死に方が良かったな・・・・・。」
それでも『意識』の消えない状況をなぜか冷静に感じられた。
玄 「あの黒い塊も自分なのか・・・・・。」
その塊が自分の意志で少し動く。
どうやったら離れた物が動くのか解るわけも無いはずだが・・・・・。
ずるずると蠢く黒い塊を、ビルの壁まで這わせた。
壁にもたれるようなカタチで、塊を積み重ねていく。
玄 「こ・・・・・これは・・・・・俺の能力なのか!?」
五刻 玄馬 能力『捕り捉えられる真実』(メルティ・キャプチュア)
黒い餅状の体質になれる。
ただし司令部分が細かくなりすぎてはいけない。
黒いドロドロのまま人間の形を作り上げる玄馬。
玄 「なんとなくコツが解ったぜ・・・・・。」
ふと、鉄也がこっちに走ってくる。
何か上を見て叫んでいる。
見上げてみた・・・・・。
見覚えのある人が落ちて来ている。
そう思うが早いか、玄馬は自分の脚部だけを溶かし、
そのままビルを登っていく!!
鉄 「な・・・・・なんだあれは!? げ・・・・玄米か!?」
落ちていく凛華を途中でキャッチする。
何かを捕らえるのにも最適な能力かもしれない。
凛 「うわああああ!!なななななななにこれ!!なにこれ!!」
玄 「暴れないで、國玲さん!!」
凛 「えっえっ!!五刻さん?????」
玄 「もう大丈夫だから落ち着いて。」
そのまま、開いた窓から中に入り、完全に人形に戻る。
凛 「あわわわわ・・・・・・。」
まだ少し取り乱す凛華。
上ってきた鉄也と、降りてきた蛙岩が来る頃は落ち着いていた。
蛙 「どうやら、覚醒できたようで・・・・・。ちょっと焦ったが。」
玄 「俺にも何が何だか・・・・・。」
蛙 「喰いちぎられたにしては、血も飛び散ったわけでもないし、
敵の能力にしては、あまりにも無視されてたし。」
鉄 「拙者は、さすがに無事だとは思わなかったな・・・・・。
うむぅ・・・・・冷静さを欠いてしまったか。」
蛙 「とりあえず、俺たちの敵は見つかった。
少しこの周辺を調べてから帰ろう。」
鉄 「了解!!」
凛 「りょ、了解です!!」
玄 「了解!!」
ガイナガテア周辺に何があるのだろうか・・・・・。
続く。
玄 「やった!!ついに覚醒!!
結構おいしい所持っていったような?(笑)」
凛 「助かりました。」
鉄 「なんか、アレだな。」
蛙 「アレですね・・・・・。」
玄 「アレ?」
鉄 「餅?」
蛙 「材料は玄米・・・・・?」
玄 「あ、あれは黒じゃなくて赤っぽく・・・・・・。
えーーーぃ!!第36話 『玄馬究極奥義炸裂』!!」
凛 「あ、五刻さん・・・・・。どうも『警視庁編』はココで終わりのようですよ・・・・・。」
玄 「えええええええええええ。」
鉄 「ええええええええええええええええ!!」