CHANGE ∀ MIND
第32話
「大海戦」
警視庁
場所はメガラバの奥、企業ガイナガテアの敷地内となる。
広がるは・・・・・・・・・・『海』!?
明らかに不自然な光景が広がる。
玄 「警部補!!水が車の中に!!」
凛 「で・・・・・でも、これ、『水』じゃない!!」
車内にも、水が流れ込んでくるが、『水』ではない。
鉄 「なんだこれは・・・・・?」
その映像のような手触りの無い『海』
その様子を崩れかけたビルから見下ろす男。
嵐士 要(あらし・かなめ)
能力『海原を喰う顎』(マリン・ギャングスター)
当然その名が示す、能力の本髄は・・・・・・。
蛙 「鮫!?」
鉄 「おいおい・・・・・。あれも映像なのか?」
蛙 「だと良いですけどね。」
ただ一人非能力者である玄馬は意味が解らなかった。
漫画位で読んだ事しかないような世界が広がっていた。
そして、その鮫は、車など関係無いかのように、
そのまま中に入って来た。
蛙 「どうやら、これが能力らしいね。」
咄嗟に凛華は、椅子の上に上がっていた。
玄馬も同じようにしている。
蛙岩は、こっそり窓から周囲を確認していた。
そして鮫が窓から顔を出している鉄也の足に喰いついた!!
凛 「警部補!!」
玄 「警部補!!」
だが、鉄也は能力「闘いの挽歌(メン・ソウル)」で、
両足を鋼鉄に変えていた。
鉄 「なるほど、その程度の顎だな。」
蛙 「警部補・・・・・。運転を代わってくれるかな?」
鉄 「おうよ!!」
蛙岩は状況を調べていた。
まず、敵は何を察知して攻撃してるのか?
この鮫は、能力者の意志で動いてるのか、鮫の意志なのか。
だが、凛華などを攻撃していない事から、
『能力者の意志であり、今は『見えていない』と予想する。
そして、音声や映像で離れて情報を取り入れる事もできない、と。
それらを全員に伝え、運転してる鉄也意外を椅子に登らせる。
蛙 「なるほど・・・・・。」
どこから取り出したのか、双眼鏡のような物で周囲を見渡す。
蛙 「この辺り一帯だが、限界はある・・・・・。
その中心を考えると、ガイナガテアビルの屋上辺りか・・・・・。」
窓から拳銃を撃ってみる。
もちろん届くはずは無い。
だが、嵐士 要には伝わったのである。
要 「なるほど・・・・・。俺の能力を見破ったか・・・・・。」
蛙 「屋根で見えない位置で隠れていれば、大丈夫です。」
玄 「どうしてですか?警部。」
蛙 「車をすり抜けたって事は、人しか襲えない。
車を襲えるなら、タイヤでも屋根でも食い破って、露呈させれば確実。」
凛 「なるほど・・・・・。」
そうできないのは、恐らく人を喰う能力なのだろうと予想。
凛 「け、警部の能力でドカーンとやっちゃうとか・・・・・。」
蛙 「ああ、俺の能力は攻撃とか向いてないんで。」
玄 「うーむ・・・・・。」
玄馬に能力を見せたのは、鉄也と凛華だけである。
能力にも系統が色々あるんだなと玄馬は思う。
自分にもあるのか・・・・・。
鉄也の能力に気づいていないらしく、
何度か鉄也に噛み付く。
蛙 「ふむ・・・。なるほど・・・。車を停めたいわけでもなさそうだ・・・・・。
だとすると、警部補の能力を知っている・・・・・。
つまり狙いは・・・・・。國玲君か・・・・・。」
凛 「え!?なんでですか!?」
蛙 「君の能力を知りつつ、それなら人質に取れると思ったんじゃないかな?
人質を取るって事は、敵の人数もそんなに多くない・・・・・かな?」
凛 「ちょっと私ナメられてるんだ・・・・・。しょうがないか・・・・・。」
さらに蚊帳の外っぽい玄馬の疎外感はさらに増す。
時折鉄也が噛み付く鮫をかわしてみた。
目標を外された鮫が車に噛み付く。
蛙 「!! どうやら、車は『すり抜ける事が可能』と言う事か・・・・・。
と、なるとやはり人質目的・・・・・。
そして、敵の能力は・・・・・。」
蛙岩は拳銃で撃ってみるがやはり通用しない。
だが、『当たる』
物理攻撃は不可能ではない。
蛙 「気をつけて!!飲み込んだ者をそのまま、次元を超えて連れ去れる!!」
玄 「なぜ・・・・・そこまで?」
蛙 「簡単な事さ、『殺すだけならとっくにやっている。』」
それでもガイナガテアビルを目指す鉄也。
鉄 「なんだか、鮫は1匹だけじゃないような気がするんだが・・・・・。」
蛙 「可能性は大ありです。」
車の前に何かが飛び出てきた。
鉄 「来たか!!」
玄 「違う・・・・・・鮫じゃない・・・・・・アレは!?」
酒場ルイーダ
萌 「タコ?」
苺 「うん、タコ。」
風 「どっかの住職の事か?」
萌 「ひどっ!!」
以前からずっと閉まっていたタコヤキ屋がまたオープンした。
創立400年とも言われている。
店 「いらっしゃいませ〜。」
苺 「タコヤキくださいな〜〜。」
店 「大きいのと、小さいのがあります。」
苺 「もちろん、おっきいの♪」
店 「はいはい〜。しばらくお待ちください〜〜〜。」
萌 「へぇ・・・。ソースも色々あるんだ・・・・・。
って、オレンジ味?(汗)」
ガイナガテア・ビル前
玄 「タコだ!!」
鉄 「で・・・・でけぇな!!」
巨大なタコが眼前に現れたのである。
蛙 「鮫以外も・・・・・か。」
そして、その誰でも想像の付く攻撃が始まった。
鉄 「おいおい、こ、こんな単純でアホらしい攻撃が・・・・・効果的とはな。」
タコの吐くスミによって、視界が無くなっていた。
続く。
苺 「おぃしぃ〜♪」
萌 「ね〜♪」
苺 「あ!!今回は私たちのようです!!」
萌 「お! 次回!!CHANGE ∀ MIND 33話!!」
苺 「 『おいしいタコヤキ』 です!!」
萌 「って、絶対違うと思うけど・・・・・。
ま、いいか♪」