CHANGE ∀ MIND
第30話
「苦く走る念」
メガ☆ラバ☆ショッピングモール
出演者控え室
時は少し前後する。
スカウトマン馬場久(ばば・ひさし)との話である。
スワンとサヤが話をしているわけだが・・・・・。
久 「どうよ?ちょうど、来年から始まるアニメの主題歌とかどうよ?
箔が付くだろ?」
サ 「箔・・・・・。」
ス 「そのアニメの内容に相応しいんですか?私たちの歌が。」
久 「さぁなぁ・・・・・。深夜のアニメだし、適当にカワイイ女の子出しときゃ
勝手に食いつくだろう。」
ス 「・・・・・。ならば、お断りいたします。」
久 「おいおいおい、オマエらみたいな無名が、一気に有名になれるんだぜ?
だいたい今時、テーマソングなんて便宜上の名目だろ?
結局なんだっていいんだよ。
ドラマだって、内容なんざどうでもいいんだよ。
ようは、『誰が出演てるか?』だろ。
たかが、アニメぐらいで。」
サ 「・・・・・。」
スワンは席を立った。
ス 「私たちは、お金や名声のために歌ってるんじゃありません!!
それがその世界と言うなら、私たちは無名で結構です。
ドラマでも、アニメでもアナタのような人が居るから、
原作が冒涜されるんですよ。」
サ 「ついでに言わせてもらうと、詩に対しても失礼ですよ。」
久 「生意気なヤツラだな・・・・・オマエ等がこの世界で生きていけないように
することなんて、簡単なんだぞ!!」
持っていたコーヒーの缶を投げつけた!!
ス 「だから、興味無いって言ってるんです。」
サ 「そのアニメには、他の方を選んであげてください。
私はそのアニメが好きな方が歌うのが一番いいとおもいますけど・・・・・。」
そして、二人共控え室を出た。
ス 「なんて不愉快な・・・・・。」
サ 「芸能界ってあんな人が多いのでしょうか?」
ス 「ま・・・TV観てて私も思うところはあるけどね・・・・・。」
と、どうみても普通じゃないミナとマドカの姿が。
ス 「え!?どうしたの2人共!?」
サ 「ま、、まさか、また・・・・・。」
ミ 「アタシとマドカさんの超絶連携プレイで、グッですよ。」
サ 「え?え?え?」
ミ 「まぁまぁ落ち着けっての。(笑)」
こんなイベントの日でも敵は居る。
そう思わざるを得ない4人は、今後の自分達に不安を覚えた。
でも実はミナだけ、湧き上がるわくわく感を噛みしめていた。
脳噛商会事務所
鳴り響く電話。
岱 「ああ・・・誰も居ないんだったか・・・・・。」
電話を取る岱。
岱 「ハァ? 知るか・・・・・死ね・・・・・。」
なんの電話だか、速攻に切る岱。
岱 「さて・・・・・邪魔者が居ない時に調べて置くことも多いな・・・・・。」
また、電話が鳴る。
岱 「めんどくせぇな・・・・・。」
それでも電話を取る。
岱 「ああ、脳噛商会だ。 今、砂流は留守だ・・・・・。
ん?そんな事も知らんのか・・・・・。
その浴剤が化粧品目に入れば薬事法の適用で厚生省の管轄で、
グリセリン類に入れば、化学物質の審査となって通産省の管轄になる・・・・・。
だいたいだな・・・・・。」
まだ、外出できそうになさそうである。
岱は自分で入れたコーヒーを飲む。
岱 「ウッ・・・・・。あいつらいつもどうやってコーヒーを入れてるんだ・・・・・。」
ア 「ちょっとあの服いいんじゃない!!」
み 「かもかも〜☆」
真 「あら、イベントには全然興味無いのね。」
ア 「うん。全然♪」
み 「ねーねーねーねー!!なんかコーヒーの新商品配ってるよ☆」
ア 「もちろん、ブラックだよね!?」
警視庁
玄 「警部補、一応DCが普段使ってる本社以外にも使用している建物があるそうです。」
鉄 「なに?どこだ?」
玄 「えーっとですね、メガ☆ラバ地区知ってます?」
鉄 「今日だかオープンのとこだろう?」
玄 「ええ、あのもっと奥が海に面するまでの、数kmは未だ立ち退いた工場が壊されてないんですよ。」
凛 「なんだか、あの地域も全部開発されちゃったらしいですね。」
玄 「その奥の工場跡地あたりで、DC社員が何度も発見されてます。」
鉄 「その下見じゃないのか?」
玄 「いえ、その工場地帯を買い占めたのは別の企業ですから。」
鉄 「なるほどな・・・・・。」
と、書類を書いてた蛙岩警部がこっちに来る。
凛 「あ・・・警部っ!!コーヒーのおかわり、お入れしましょうか?」
蛙 「いや、それには及ばないよ。」
コーヒーは全部飲み干す。
蛙 「特に理由は無いが・・・・・なんとなく行ってみるか・・・・・。」
鉄 「警部も行かれるんですか?」
蛙 「書類ばかり相手だと疲れるんで。」
凛 「けけけけけけ警部も同行ですかっ!!」
蛙 「ん?俺が行くと困るの?」
凛 「いえいえ、滅相もございません。
きききき緊張してるだけでございますです。」
蛙 「五刻君も行こうか。」
玄 「は、はい!!」
若きエリート警部・蛙岩法人出陣の様子。
ちなみに彼はすでに『能力者』であり、
実質『能力者相手の犯罪』の捜査の場合はトップに立つ。
つまり彼より上の階級には能力者が居ないか、少ないか・・・・・である。
そして『能力者の犯罪』に関しては情報が警察内でも洩れないように
最重要機密になっているのである。
蛙 「とりあえず、メガ☆ラバにでも向かうとするか。」
凛 「もしかして警部・・・・・メガ☆ラバに行きた・・・・・・いえ・・・・・なんにもです・・・・・。」
EVER SNOW
ス 「って、なんかじっとしてないっていうか・・・・・アクティブな2人ね。」
ミ 「EVER SNOWの『MMコンビ』ですからっ!!」
マ 「え?なにそれ?」
ミ 「ん?ミナ&マドカで、MM・・・・・。」
サ 「じゃ、こっちは『SSコンビ』になるのかな・・・・・。
というか、マドカさんも能力に目覚めちゃったんですね。
しかも私より使いこなしてるんだ。」
ミ 「そーなのよ!!なんか、ニョロニョロ文字書いてドーーーンと。」
マ 「ニョロニョロ文字って・・・・・。」
さらさらとマドカの書いたのを見るサヤ。
サ 「こ・・・これ・・・・・。星座のシンボルですね。
かっこぃぃなあ。」
マ 「今朝の星占い見てて、なんとなくかな・・・・・。」
ス 「空中に舞い散るハバネロ・・・・・なんだ。(笑)」
マ 「ですです。あのラーメン屋のオジサンの言葉にもヒントあったのかもです。」
ス 「能力・・・・・信念かあ・・・・・。」
サ 「もしかして、スワンさん・・・・・覚醒してません?」
ス 「・・・・・。」
サ 「き、きのせいかな・・・・・。」
そしてスワンは、無言でコーヒーカップを口元に近づけた・・・・・。
そんなスワンにそれ以上答えを聞くことはできなかった・・・・・。
続く。
凛 「次回っ!!『凛華スプラッシュスター☆』」
玄 「ってさ・・・・・なんかすんごぃ恥ずかしい名前付けてない?」
凛 「あわわわわ・・・・・。やっぱりですか・・・・・。」
玄 「日曜の朝・・・・・TV観すぎてない?」
蛙 「なんで・・・・・日曜朝って知ってるんだ?」
鉄 「アンタもな・・・・・警部・・・・・・。」