CHANGE ∀ MIND
第22話
「巻き込み廻る歯車」
ケッタモータース事務所
香 「社長、他には何か要りますか?」
蹴 「あ、いえいえ良いですよ。」
香 「玉山さんは?」
玉 「うーん。なんか温かい飲み物が欲しいかな。」
香 「解りました。ほな、行ってきます。」
蹴 「お気をつけて。」
酒場ルイーダの1Fにオープンしたコンビニ。
『シャンパーニ』
わりと近くに出来たと言う事で利用する香穂。
香 「そろそろ肉まんが美味しい季節やなぁ・・・・・。」
時は10月も終わろうとしていた。
と、店内ではしゃぐ外国人発見。
アイフィ=カルティア=ガックスヘッジ(16)
ア 「パパー。これ買って〜〜〜♪」
と、親子であろうか?
香 「仲がよろしい事で。」
岱 「アイ・・・・・なぜオマエは私の行くとこに・・・・・。」
ア 「えへへへへ〜♪」
香 「って、脳噛さん!?」
おもわず吹いた香穂であった。
自分のパパに似てるとの事らしいが、
真菜やみちるには未だに疑惑の目で見られている。
真 「フーン・・・・・。パパねぇ・・・・・。」
み 「本当のパパぢゃないの?」
と。
岱 「ああ・・・・・社長秘書か。このオマケは気にしないでくれ・・・・・。」
ア 「オマケじゃないもん・・・・・。」
今日店番をしてるのは苺であった。
苺 「にぎやかな事はいいことかな。」
岱 「解ったから、会計をしろ。」
香 「なんか、大変そうやなあ・・・・・。」
この辺りにはコンビニが無いので、相当繁盛している。
香穂が肉まんを買おうとしたら、他の客が居た。
凛 「ちょっと・・・・・玄馬さん・・・『ミルク鮭まん』、私のなのに・・・・・。」
玄 「早いもの勝ちだよっ。」
凛 「もう・・・・・。えっと・・・・・じゃあ・・・・「チョコオレンジまん」下さい。
あ、あと警部補には・・・・・「餡蜜まん」下さい!!」
苺 「えーっと、全部で1535円になりまーす。」
凛 「あ、小銭出します。すみません・・・・・あわわわ。」
玄 「おーぃ。まだ?」
凛 「あ、はいすぐです。すみませんすみません・・・・・あわわわわ。」
ようやく、肉まんを買え、食べながら戻る香穂。
香 「もう・・・・冬だなあ・・・・・。」
会社に戻り、中華まんを渡す香穂。
香 「ハイ、社長には「メガ肉まん」ね。」
蹴 「な・・・・・なんですかこのデカイ肉まんは・・・・・。」
香 「社長ならいけると思って・・・・・玉山さんは「プリン肉まん」です。」
玉 「プリンまん・・・・・?」
香 「いえ、「ぷりん肉まん」です。」
玉 「そ、、、そっか(汗)」
香 「あのコンビニ、チェーン店じゃないからオリジナル商品多くていい感じやで。」
蹴 「そ、そうなんですか。」
玉 「でも、中華まんも久しぶりだな。」
肉まんを頬張りながら休憩する3人であった。
玉 「ウッ・・・・・。」
ふと呟く蹴田。
蹴 「最近、運動不足かもしれませんね。」
玉 「俺も・・・・・。」
香 「二人共、メタボリックになってしまうでー。」
蹴 「う、うーむ。」
香 「あ、今流行の『アイアンブートキャンプ』とかやりません?」
蹴 「なんですか?それ。」
玉 「知らないんですか?警視庁公認の新人用訓練エクササイズですよ。」
蹴 「へぇ。」
香 「あ、お昼のTVショッピングでやってるかも。」
TVを付けてみる香穂。
『 連続ドラマ『LIVE−CARD』 次回『大盤振舞!!』ご期待下さい。 』
香 「あ、このドラマの後にやるねんて。」
と、いつものTVショッピングだが、今回はいつもと違った。
『 超ミラクルエクササイズついに上陸!!
チューチューラブリーダンシング!! 』
香 「ああ、もうバッタモン出たんや・・・・・。」
玉 「バ、バッタモンて・・・・・。」
蹴 「まぁ、似たようなものじゃないんですか?」
香 「うーん。専門的な事はうちは解らへんけど。」
そこへ電話が鳴る。
香 「ハイ。ケッタモータース本事務所、田野橋です。」
少しの無言。
香 「また無言電話か・・・・・ムカツくんで・・・・社長!!調べます。」
蹴 「あ、ああ。」
眼を閉じ手を電話機にかざす香穂。
玉 「ん?」
田野橋 香穂 能力名 『電界の庭番衆』(エレキテル・ニンジャ)
小さな忍者。正体は『電子』
電話回線も入っていける。
以前真菜が探索系であると見抜いた通りである。
ある程度大きさは変えられる小さな忍者である。
忍者を電話回線から送りこんで、相手を探るのである。
香 「またやな・・・・・。なんでいつも無人の事務所なんやろ?」
蹴 「と、言いますと?」
香 「いつも無言電話する先は電話しか無い部屋・・・・・。
なんか建設中のビルか何かやろか・・・・・。」
再び電話が鳴る。
香 「またか・・・・・。」
今度は香穂も無言。
「もしもし。」
香 「!! もしもし!!アンタ誰やねん!!」
と、電話の主は驚き、名乗る。
鉄 「え?えーっと、警視庁の鉄漢音と申すものだが。」
香 「け・・・・・警視庁!?こ・・・これは申し訳ありません・・・・・。
いたずら電話が多くて・・・・・。」
鉄 「ほぅ・・・・・。」
香 「あ・・・ご用件はなんでしょう?」
鉄 「先日そちらの支店工場から盗まれた小型機械の一部が見つかったので
連絡をしたのですが・・・・・なんと言いますか・・・・・。」
発見された機械は『奇妙』だと言う。
とりあえず、蹴田・田野橋・玉山は向かう。
鉄也に案内され、見た光景は・・・・・。
蹴 「黄金ですか・・・・・?」
鉄 「ええ・・・・・。しかしこれが不思議な事に・・・・・。」
それを見て玉山が言う・・・・・。
玉 「コーティングとかじゃない・・・・・。
ありえない・・・・・ガラス部分も全てが黄金になってる!?」
香 「え?」
蹴 「た、たしかに・・・・・。」
香 「型取ったでなく?????」
玉 「こんな細部までたとえ鋳造でも出来ないし、黄金をここまで加工する技術なんて・・・・・。」
鉄 「先日、メガ☆ラバとかいう建設中のビルから見つかりました。」
香 「え?あのショッピングモール?????」
鉄 「ええ。」
蹴 「なぜ・・・・・そんな所に?」
鉄 「ま、犯人が・・・・・そこに居た・・・・・。
しかし、説明しにくい・・・・・。」
玉 「?」
鉄 「恐竜のような物が工場を襲った事に関してどう思ってます?」
玉 「ありえない。」
香 「能力者ね・・・・・。」
鉄 「な・・・・何!?」
一般人である玉山にはにわかに信じられない現象。
だが、能力者である蹴田と、香穂には予想の範疇だった。
鉄 「なんと・・・・・まさか社長も能力者・・・・・?」
蹴 「ええ・・・・・。貯めた運を解放したり、悪運を自分に振り掛ける事で他人に運を与えるという
非戦闘能力ですが・・・・・。」
鉄 「秘書さんもかい・・・・・。」
玉 「の、能力って?????」
鉄 「百聞は一見にしかず・・・・・。」
鉄は腕を鋼鉄化させ、玉山に見せる。
手でコンコンと叩いてみる玉山。
玉 「し、、、信じられない。
って事は恐竜に変身できる人が居るとでも!?」
鉄 「そうだ。拙者も奴等と戦ったのでな・・・・・。
犯人はデザートカンパニー社員 『富虎砂縛』 先日逮捕した。」
香 「となると・・・・・機械を黄金に変える能力者が?」
鉄 「そうなるな・・・・・。消去法でいけばコイツか・・・・・。」
書類にある名前は、室樽 梨夢(むろたる りむ)であった。
香 「デザートカンパニーか・・・・・。
以前、修理に来た集団がやはり犯人だったのね。」
鉄 「しかし、何かあって故意にケッタMを狙ったのか・・・・・。
ただ、たまたまだったのかは解らないがな。」
香 「メガ☆ラバか・・・・・。来月オープンだっけ・・・・・。
建設中・・・・・。」
ふと、無言電話の先が気になった・・・・・。
そして3人はまた戻ったのである。
事務所前に車が停まっている。
香 「あれ?お客さん?????」
3人を確認して出てくる。
黒い服だが、スーツではなく白衣のような長い衣服。
『総間研究所 礼部夏美』との名札が付いている。
もう一人も『傘風 麻里亜』と。
二人共長身の美人ではあるが、気の強そうな女性である。
夏 「社長さん・・・・・あまり深入りしない方が身のためですわよ?」
麻 「そうですね。なにせ、大企業の社長さんですから。」
瞬時にデザートカンパニー関連だと解る。
香 「なるほど・・・・・DCね・・・・・。」
夏 「我々総間研究所は、『能力:マインド』の研究のスペシャリスト。
あなたがたのにわか能力者と一緒にしない方が賢明よ?」
麻 「見たところ、戦闘には不向きのようですし・・・・・。」
香 「・・・・・・。」
夏 「たまたま通りかかっただけだから、忠告に来た次第ですわ。」
それだけ言うと車で出て行ってしまった。
香 「堂々と名乗るなんて・・・・・。」
蹴 「我々が警察に言った所で気にしない感じですね・・・・・。」
事務所に戻っても、特に会話が無かった。
ただ、TVをぼーっと見ているだけだった。
蹴 「お、この映画ロスノワール。面白いらしいですね。」
香 「・・・・・。」
『劇場版ロスノワール!!絶賛公開中!!』
蹴 「・・・・・。」
『さーて、ついに来月開幕と成りました
メガ☆ラバ☆ショッピングモール。
つい先日は建設中店舗で一部取り壊しが行われたようですが
来月のオープン、間に合うんでしょうか?』
出演してるアイドルなどのコメントなどがあったりした。
『私も楽しみにしてるんですよ〜〜〜〜。』
『そうなんですか?月音さん。』
『ええ〜。絶対行きますよ。』
アイドル 流駒 月音(りゅうく・つくね)であった。
蹴 「来月か・・・・・ウチも協賛企業だからなあ・・・・・。」
香 「メガ☆ラバ潰したい理由でもあるの・・・・・・かな!?
って・・・・・まさかね・・・・・。」
と、考えても見るが・・・・・。
玉 「そろそろ、飯にしよう。」
香 「あ、お弁当届いてるはずです。」
玉 「俺が取ってくるよ。」
香 「ほな、ウチがお茶入れます。」
蹴 「あ、そうそうおいしい林檎を持ってきてたんですよ。」
誰も居なくなった事務所にむなしくTVが響く・・・・・・。
『えー、次の話題は、
総間研究所の脳噛桜教授が
提出した論文がアメリカの賞を取ったそうで・・・。』
『遺伝子なんとかって・・・なんか難しいですね?』
続く。
ス 「・・・・・・。」
サ 「あの・・・・・スワンさん・・・・・映ってますよ?」
ス 「!!」
サ 「(汗)」
ス 「えっと・・・・・あ・・・・・絡繰乱舞夢日記第23話!!」
サ 「それ・・・・・違う作品です・・・・・。」
ス 「えっと・・・・チェンジ・・・・・バチン!!」
サ 「あ・・・・舌噛んじゃった・・・・・。」