CHANGE ∀ MIND
第14話
「騙しあい」
酒場『ルイーダ』
酒場は3階にあり、ビルは色々な店舗が入っていた。
ところが、1階にロクロママが昼に営業する店を入れようと言い出した。
風 「ママ、とりあえず物件の使用は伝えておきました。
でも、どんな店にするんです?」
マ 「あまり何も考えて無い・・・・・。(ダミ声)」
風 「店舗の作り的に、大きな飲食店は無理ですね。
厨房設備と換気扇の問題がありますので。」
マ 「そうねぇ・・・・・怪しい貴金属でも扱おうかしら?(ダミ声)」
風 「『怪しい』んですか・・・・・。」
マ 「萌ちゃんか、苺ちゃんにやってもらおうかと思ってもいるんだけどね。(ダミ声)」
風 「萌さんは宝石とか詳しいみたいですね。
苺さんは先祖代々の宿屋の経営が危ういとか・・・・・?」
マ 「とりあえず。保留でいいかしら。(ダミ声)」
と、そこにやって来たのは酒場の常連の住職「空散」
先祖代々続くわけだが、なぜか新しい風の子孫が出来た様子。
空 「よう、ママ。あいかわらず美しいね〜。
風月ちゃん、今度デートしようね?」
風 「ああ・・・一日の始まりにイヤな物を見た・・・・・。」
空 「ひ、ひどい言われようだが、なぜか懐かしい気がするのはなぜだ・・・・・。
で、何の店開くんだい?」
マ 「まだ決めてないのよ。(ダミ声)」
空 「女の子をさらに集・・・・・・・・・・・・・。」
と、言うが早いか、風月のパンチが顔にキマる。
空 「まだ、最後まで言ってない・・・・・。」
風 「必要は無い。」
マ 「コンビニみたいな、何でも屋の方がいいかしら?(ダミ声)」
風 「この近辺の店舗を考えると、それでもいいかもですね。」
マ 「それで内装工事依頼頼もうかしら。(ダミ声)」
少し遅れて、萌と苺が来た。
話しかけようとする空散に、風月の2発目のブロウがキマる。
マ 「あら。昨夜も仕事してたのに、こんな時間に起きて大丈夫かしら?(ダミ声)」
苺 「今日ここ見に来るって聞いたから。」
萌 「で、ママ。私たちは両方で働いていいの?」
マ 「いいけど、生活時間帯が結構違うわよ?(ダミ声)」
苺 「気分転換できるのはいいかも。」
萌 「そうね、イヤな酔っ払いの相手ばっかりじゃね〜♪」
マ 「し〜〜〜〜〜〜っ!(ダミ声)」
と、それを聞いてる空散。
空 「『し〜〜〜っ』って、それ私の事?(汗)」
マ 「え?あ、いえ、該当者が聞いてても困るからっ。(ダミ声)」
だが、事件は早いうちに起きた。
萌 「工事始まってないよね・・・・・。」
苺 「全然だね・・・・・。」
工事が始まるはずのその場所は何も無い。
マ 「ヤっちゃった・・・・?(ダミ声)」
風 「ヤっちゃった。」
どうやら悪徳業者に騙されたらしい。
マ 「ああああああ・・・・・早く警察にっ警察にっ!!(ダミ声)」
風 「いえ・・・・・。しなくていいです。」
マ 「え?(ダミ声)」
風 「私に喧嘩を売ったと取ってもいいですよね?」
その風月の気迫に誰一人文句は無かった。
風 「確かこの業者が売り込みに来たのは、ここで私たちが図面を広げてるあの時。
しかし、犯人がまたこの地区に来るとも思えないか・・・・・?
いや、業者自体を掴んでるわけじゃないから、人間を変えれば何度でも・・・・・。」
風月はすぐに携帯を取り出した。
萌 「あ、猫のストラップかわぃぃ♪」
苺 「そ、そんな雰囲気じゃないよっ!!」
風 「もしもし、鉄? この地区で空きのあるビルって無い?
え、そうよ。今のウチと同じ状況のビル。そうそう。
え?脳噛商会の2Fと、3Fが空いてる? OKOK。
管理会社の連絡先送っておいてね?
送・っ・て・お・い・て・ねっ!!
はいはい、どうもありがとっ!!」
鉄也の声が聞こえずとも内容が解ってしまう。
風 「ママ!!殺るわよっ!!」
マ 「えっ!?(ダミ声)」
風 「えーっと。で、萌さん。」
萌 「は、、はい!!」
風 「協力してくれますよね?」
萌 「もももももちろん!!」
風 「ママ・・・・・萌さんのアレ。今回は経費で落ちるかしら?」
マ 「工事被害総額を超えないように・・・・・。(ダミ声)」
さっそく、ワナを張ってみる。
わざとらしい図面を広げ、ビルの前で佇む女性。
他人に変身した萌の姿であった!!
拝神 萌
能力名 『妖しく輝く夜の歌』(ジュエリー・サーガ)
宝石を使用し、それぞれの効果を成す。
宝石は使用すると無くなる。
宝石の大きさによって効果時間が変わる。
萌 「ふぅ、経費で落ちるからいいけど・・・・・。
この『鏡面変化のジルコニア』も安いもんじゃないのよね・・・・・。」
他人に変身するという宝石を使った萌。
ビルの管理人と色々外で話をする。
しかし、そうそう物事は簡単には進まない。
あれから、2・3日経った。
さすがに質問事項も無く、管理人をそうそう引き止めておく事もできない。
萌 「参ったな・・・・・。そう何個も使ってられないし・・・・・。」
と、脳噛商会から出てくる、真菜と、みちる。
真 「おはようございます。上の物件に入られるんですか?」
萌 「え?あ・・・・おはようございます。」
真 「一昨日くらいから、毎日打ち合わせしていたようなので。」
萌 「えーっと、検討中です。(汗)
真 「もし、決まりましたらよろしくお願い致します。」
み 「でも、どうしてここあまり入らないんだろう。
昔っからそうなんだよなあ。」
真 「1階から、妙なオーラが出てるのかもよ?(笑)」
そんなやりとりをしつつ、2人はどこかに向かう。
み 「も〜。なんでこの辺コンビニ無いですかね〜〜〜?」
真 「そうね・・・・・。」
萌 「やっぱ・・・・・そうよね。」
そして夜。
酒場『ルイーダ』
萌 「マママママママママ!!風月ちゃん!!」
マ 「あら、どうしたの?(ダミ声)」
風 「もしかして?」
萌 「来ました!!来ました!!
えーっと、こないだのとは違う企業名ですけど・・・・・。」
風 「人は違った?」
萌 「うん、違った・・・・・。」
と、企業の名刺を見て・・・・・。
風 「なんだか、ヌルい奴等ですね。
ここにある電話番号は、転送屋が使ってる番号ですね。」
萌 「転送屋?」
風 「お金を払えば、あたかもその会社が存在してるようにしてくれる
アリバイ作りの職業よ。」
萌 「そんなのあるんだ!!」
風 「で、萌さんは名刺渡した?」
萌 「もちろん。」
マ 「でも、どうやって突き止めるの?また逃げられたら一緒でしょ?(ダミ声)」
風 「今度の名刺は・・・・・。
私の『折り紙』で作ったんです。明日、その場所を辿りに行きましょうか。」
マ 「さ、さすがだわっ。(ダミ声)」
萌 「す、すごい・・・・・。」
空 「ママー。ボトルまだ?」
風 「あ、来てたんだ・・・・・。」
そして、次の日の昼。
風月は、萌と共に向かう事にする。
続く。