CHANGE ∀ MIND
第12話
「覚醒の序曲」
EVER SNOW
4人は逃げて来た。
自然と人通りのある場所に来ていた。
少しして、饅頭も追ってきた。
ス 「ハァハァ・・・・。なんだったのかしら?」
マ 「饅頭さんが、不思議な能力を・・・・・。」
サ 「う、うん。なんか砂みたいな・・・・・。」
満 「ふーーーー。」
ス 「って、饅頭君・・・・・。一体・・・・・。」
後を追って来た満次が追いつく。
満 「うーん、見られたからにはお話するしかないなあ・・・。」
饅頭は能力について語る。
満 「これが俺の能力で、なんだか『空気中の糖分を砂糖として作り出す』んだ。
そして、自由に固めて使える。」
和樫 満次(わがし みつぐ)
能力名 『甘く危険な渦巻き』(スクリュー・ドライバー)
砂糖を操る。
余談だが、この砂糖は透明である。
海が青く見える原理と同じで白く見える。
掌を広げ、塔を作り出す。
満 「ほら、これが『武道塔』(ぶどうとう)、さっき使った板が『皿眼』(ざらめ)って言うんだけどね。」
ス 「なによ、その漫画みたいな能力は・・・・・。」
満 「これのおかげで、狙われるんですけどね・・・・・。」
ある日突然目覚めた能力だった。
ただ、自分に出来る何か、出来ない何かに悩んでいただけだった。
その能力を、つい使ってしまったのを人に見られた。
それ以来、その『同じような能力を持つ集団』に誘われているのである。
ミ 「ふむむ・・・・・。」
満 「その集団の名は『デザートカンパニー』・・・・・結構聞く名前なんすけどね。」
サ 「どこかの博物館とか経営してたような・・・・・。」
ミ 「ねぇねぇ・・・・・その能力って誰でも使えるようになるの?」
満 「なんだか、そのDCの人が言うには『強い信念』とかで誰にでも眠ってる能力とか・・・・・。」
ス 「誰にでも・・・・・か。」
マ 「私にも眠ってるのかな・・・・・。」
満 「素質の有る無しとか、才能みたいなのも関係するみたいですけど。」
ミ 「あのさ、アタシさ・・・・・。」
ミナが手を広げる。
ポンッと『カマボコ板』が出る。
ミ 「なんか最近やたら、カマボコ板が落ちてると思ったら、アタシだった・・・・・。」
なんだかしょんぼりしているミナ。
マ 「え・・・・・。そんな能力もあるの?」
ミ 「なんか、かっこわるくない・・・・・?」
満 「何かの素質の表れじゃないですかね・・・・・。
最初は自分も砂糖が少しだけ出てきたくらいです。」
ミ 「じゃ、アタシもDCとやらに、狙われる?」
満 「無いとは言えない・・・・・。」
男 「そんなワケの解らん能力じゃあな・・・・・。」
ふと、後ろから声がした。
満 「!!」
さっきの男に見つかった。
どうやら弾丸が効いてなかったのだろう・・・・・。
満 「やれなかったか・・・・・。」
男 「まだまだ発展途上の能力か・・・・・。」
満次の手から、また砂糖がこぼれる。
満 「さて、どうするかな・・・・・。」
ス 「皆、逃げるわよ!!」
スワンの目の前に現れるまた別の男。
「有明さん・・・・・。何をしているのです?」
どうやら満次と戦っている男が、『有明』と言うらしい。
有明 伴 (ありあけ ばん)
『衝撃の咆哮』(ソニック・ブーム)
声を衝撃波として発声。集束も出来る。
満 「お、、おまえは!!燈篭環 真!!」
真 「和樫さん、そろそろ覚悟決めていただけませんか?」
登場したのはDC幹部の真であった。
ス 「饅頭君と一緒にTVに出てた・・・・・。」
ミ 「ジャ、、、ジャパネ・・・・・。」
マ 「違います。」
DCには相当な能力者が居るということは想像できる。
だが、彼等の目的などが一切解らない。
満 「暗是履火!!(あんぜりか)」
満次は両手から、熱く溶かした砂糖を垂らす。
真 「そういうのは、菓子作りの時だけで、お願いしますよ。」
真が5枚ほどカードを広げ、1枚掲げた。
真 「『氷河期』のカードを表示!!」
またたく間に、辺りが吹雪に包まれる。
ス 「な、、、、なにこれ!?」
ミ 「寒いじゃん!!」
マ 「ツッコむところはそこなんだ・・・・・。」
満 「な・・・・・。氷の能力か!?」
真 「私の能力は『自由』なんですよ・・・・・。ま、1日に5枚しか使えませんが?」
燈篭環 真(とうろうかん まこと)
能力名 『盤上の死亡遊戯』(デスゲーム)
カードに自由な能力を付加。
1日に5枚。
真 「『雪男』のカードを攻撃表示!!」
けむくじゃらの雪男が真の前に現れる。
伴 「さすが、燈篭環さん・・・・・。最強の能力だ・・・・・。」
攻撃しようとした満次の『溶けた砂糖』が固まってしまっている。
弾丸『核砂投』を撃つもあまり効果が無い様子。
雪男の攻撃を盾『皿眼』で防ぐ満次を、遠距離から狙う伴!!
ス 「饅頭君!!危ないっ!!」
スワンの叫びで逸早く気づき、交わす事ができたが
伴の攻撃方法は『音』なだけに見えない。
雪男の守備力も相当な物である。
サ 「これじゃ、饅頭さんが・・・・・。」
伴 「ん?」
伴の頭に何か飛んで来た。
伴 「カマボコ板?」
よく見ると、ミナが必死で投げている。
伴 「この女!!」
ミ 「バ、バレた!?」
マ 「普通に・・・・・。」
伴の衝撃波音がミナとマドカを襲う!!
ミ 「わっわっ!!」
マ 「きゃああああああ!!」
サ 「ミナさん!マドカさん!!」
マ 「あれ?」
ミ 「ぅお!? なんかデタ。」
ミナの目の前に少し大きな板が出た。
ミ 「ま、、、まないた?(汗)」
まないた。
マ 「料理好き・・・・・?(汗)」
ミ 「え、アタシの能力って何・・・・・?」
伴 「本当にワケの解らん女だな・・・・・。」
マ 「あれ?なんだろうこの感じ・・・・・。」
伴が再び2人を狙う。
サ 「『声』は、そんな事に使う物じゃないっ!!」
ス 「私も同感かな・・・・・。」
伴の前に4人が立つ。
満 「ちょ・・・・・。皆さん!!」
真 「無駄口を叩いてるヒマは・・・・・無いと思いますよ?
『アイスランス』を攻撃表示!!」
巨大な氷の槍がカードから出現した。
満 「うわ・・・・・。アレを砕く能力なんて持ってない・・・・・・。」
伴 「変な料理能力に、ただの人間が数人集まった所で、無駄に死ぬだけだろう?」
ミ 「料理なんかあんまできないもんね!!」
マ 「だ、だから・・・・・ツッコむところは・・・・・。」
再度、伴の衝撃波音が4人を撃つ!!
ミ 「わっ!!まないた、いっぱい出ないかなっ!!」
見えない壁だろうか・・・・・?
4人を囲む空間の中には、衝撃も吹雪も入ってこない・・・・・。
マ 「な、なにこれ・・・・・?」
ス 「不思議な・・・・・空間? なの?ミナちゃん?」
ミ 「うーーーんと。」
廻りを見渡して・・・・・。
ミ 「これ、アタシじゃない。」
マ 「ということは、サヤさん?」
サ 「音は人を傷つけるものじゃない・・・・・。」
羽桔 沙夜(はねつき さや)
能力名 『起源の舞台』(ファースト・コンチェルト)
『オーパス・1』音や衝撃をも遮断する部屋を作る。
サ 「この中に居れば、攻撃は受けませんです・・・・・。」
ミ 「あ、あとはアタシの『まな板アタック』で?」
伴 「ほう・・・・・。戦いにおいて目覚めたか・・・・・。
自然と能力者は引かれ合うものだ・・・・・。」
その様子を見ていた真も、4人に目を付けた。
真 「あなたを含めて5人、連れて帰らせてもらいますよ?」
満 「連れて帰れたとしても、そんな軍門には下らない。」
真 「いつでも『洗脳』はできるんですが?」
満 「!!」
そして真は『アイスシールド』を守備表示にした。
満 「コイツを・・・・・ここで倒さないと・・・・・・。」
続く。