CHANGE ∀ MIND
第11話
「板」
脳噛商会
ひとまず、戻った真菜。
そのまま鉄也たちの手当てをする。
真 「鋼鉄化能力・・・・・。すごいわね、怪我はあまり無いのね。」
鉄 「ただ、その鉄の塊をブン廻す腕力が必要だからな、
誰にでもできる能力でもないぜ。」
凛 「良かった〜。パピィ。」
凛華はパピィを手当てし、撫でている。
少し元気は無いもののパピィも応える。
凛華自身は自分よりパピィが心配だった。
みちるは自分で自分の手当てをする。
終始無言・・・・・。
みちる 「・・・・・。」
そして、しばらくして部屋を出て行った。
真 「あ・・・・・。」
鉄 「今はそっとしておけ・・・・・。自分の無力さなんざ、
星の数ほど味わってきた。それを自分で超える信念なければ、
いつまでも、あの位置だ・・・・・。」
凛 「でも・・・・・なんかイキナリだったなぁ・・・・・。」
真 「最初はそういうもの・・・・・。でも、『受け入れて』しまえば、案外なんてことないわ。」
凛 「警部補はこんな戦いを影でしてたんですね?」
鉄 「拙者の直属の部下は、実はそういうことなんだ。」
ふと、一人浮かぶ。
凛 「じゃあ、玄米さんもそうなの?」
鉄 「眠る才能のテストに合格しただけだ。」
凛 「そうなんだ・・・・・。」
目覚めぬ岱の手当てを続ける真菜であった・・・・・。
真 「困ったなあ・・・・・。」
鉄也はなぜか目についた、魚肉ソーセージとカマボコを食べていた・・・・・。
EVER SNOW
スワンに渡された曲のパート練習をするマドカとミナ。
さらにカラオケで歌も歌う。意外にパワフル。
それだけ歌が好きなのだろう。
今日はTV局近くのスタジオを借りていた。
練習の終わった4人。
ス 「お疲れ様。」
マ 「なんとか出来てきたかもです。まだまだですが・・・。」
サ 「そんな事ないですよう、全然スゴイですよ。」
ス 「そうね、フィーリングとしてはすごく良い感じだよ、2人共。」
ミ 「アタシ、頑張っちゃうもんね。」
と、足元の何かに気づく。
ミ 「あれ?また、カマボコ板が・・・・・。」
また、落ちていたのである。
その時、一人の男が入って来た。
ス 「饅頭君。」
和樫満次(わがし・みつぐ) 元・10代目恐怖亭饅頭であり、
現在はタレントである。
満 「もう、噺家は引退してるんですけどね。」
スワンと饅頭は、祖先の代からの知り合いのようだ。
このスタジオを借りれたのもそのコネであるようだ。
ミ 「ぅお!和樫さんだー!!」
マ 「ほ、、本物だ・・・・・。」
サ 「お久しぶりです、饅頭さん。」
満 「もう少し早く来たら、新生『EVER SNOW』の歌聴けたのかな?
スワンさん、早くメジャーデビューしましょうよ〜〜〜。
うちの社長もヤル気満々ですよ?」
ス 「だから、それは断ってるじゃないの・・・・・。
好きなときにやりたいのよ・・・・・私は。」
満 「そうですよね。」
そして4人はそのまま食事に行く事にしたのである。
今日は時間も遅いので、ファミレスで済ます事にした。
サ 「メジャーかぁ・・・・・。」
ス 「ん?サヤ、成りたいの?」
サ 「そうじゃないけど、どんな気持ちなのかな・・・って。」
ミ 「もぐもぐもぐ。」
ス 「うーん・・・・・。ってマドカさん!!そんなに一味かけるの!?」
マ 「え、ええ。辛党なんで・・・・・。」
マドカは一味を二瓶かけている・・・。
ス 「の、喉痛めるわよ・・・・・。」
と、ミナが何かを蹴っ飛ばす。
ミ 「あれ?またカマボコ板だ・・・・・。最近なんなんだろう?」
マ 「ん?なんか最近ミナさん、カマボコ板集めてるんですか?」
ミ 「ちがうがな!なんかそこらじゅうに落ちてるんだよ。
なんかのキャンペーンかな?」
マ 「どんなキャンペーンですか・・・・・。(汗)」
ミ 「『皆でカマボコ食べようキャンペーン』・・・・・。」
マ 「・・・・・。」
そして食事をし終わって、店を出た。
ふと、サヤが饅頭を見つけた。
サ 「あれ?饅頭さん・・・・・?」
なにやら、饅頭はきょろきょろしながら逃げてるような感じだ。
普通じゃ行かない工事現場へと入って行った。
ス 「なんであんな所に?」
ちょっと気になった4人は、ついて行ってみた。
マ 「なんか、事件の匂いがしません・・・・・?」
ミ 「そうだね。」
中に入った4人は何かの衝撃を感じた!!
サ 「キャッ!!」
ス 「な・・・なにこの音・・・・・?」
饅頭がその衝撃のような音に吹き飛ばされていた!!
マ 「あ・・・・・あれは・・・・・!?」
一人の男が饅頭と対峙している。
満 「そう、何度もやられるわけじゃないっすよ。」
男 「ふむ・・・・・。防御を知ったのか。」
満 「何度頼まれても、困る・・・・・。」
男 「ならば・・・・・消えてくれて構わんよ・・・・・。」
男は気合いのような何かを『発声』した。
饅頭の目の前で、白い砂が集まり『板』を作った。
ミ 「ななななななな、なんだこれ!?」
と、男がその気配に気づいた。
満 「あっ!!皆さん!!危ないっ、逃げて!!」
が、男の発声が4人を吹き飛ばす!!
ス 「きゃああああああ!!」
ミ 「な・・・・・あれ?何でアタシ、カマボコ板持ってるんだ・・・・・。」
マ 「なにこれ・・・・『声』?」
次の発声衝撃が届いた。
サ 「ひどい・・・・・声で人を傷つけようとするなんて・・・・・。」
少しだけ、無意識にかざしたサヤの手が、音を弾いたような気がした・・・・・。
男 「ん?気のせいか?」
その隙を突いて、饅頭が白い砂でサイコロ状のツブテを作っていた。
満 「今だ!!『核砂投』(かくざとう)」
その無数の白い弾丸が男を襲う。
満 「皆、逃げて!!」
4人は急いでその場を逃げ去る!!
無数の弾丸が、男を覆い隠すように積もる。
その隙をみて、饅頭も逃げ出すのであった・・・・・。
続く。