ST:72
「籠の鳥」
古都ブルンネンシュティグ
街の名前すら忘れかけたほどに有名な街。
今日もどこかで人は出会い・・・・・・別れる。
プリッツ 「うーん。」
古都西の川で裸足になって遊ぶプリッツ。
今日は街の食堂でなく、外でキャンプ。
まだ父親を思い出させるあの食堂に気楽に入れるほど
心は落ち着いてないようだ。
ルドルフ 「プリッツ。魚が焼けたぞ。」
プリッツ 「ありがと♪ はぐはぐはぐはぐ。」
ルドルフ 「しかし、寒くないのか?」
プリッツ 「ぜ〜んぜん。ところで、皆が居ないけど?」
シーマは火の傍で寝ている。
ルドルフ 「ウォレンは、フェニの国へ行くとかなんとか?
アシャンは喰える物を捕まえに行った。
フレイオは・・・・・いつのまにかいない・・・・・。」
プリッツ 「そっか。じゃあ、食べちゃえ♪」
プリッツは、他の焼けた魚も頬張りだした。
プリッツ 「フェニの家って・・・・・なんだっけ?(笑)」
ビガプール南部
鳳凰の紋章を掲げる一族があった。
元は王族の末裔らしく、今でもその権威を持つ。
そんな豪邸の並ぶ場所に、フェニは帰って来た。
ここではアーチャ・フェニではなく「ヒルダ」である。
執事 「ヒ、、ヒルダお嬢様!!」
そのまま、父親の元へと向かう。
父親 「ヒルダ!!無事だったのか・・・・・。」
ヒルダ 「ご心配おかけしました。
何分途中で記憶を失った状態でして。
また、改めてお話します。」
そして、兄・フリオルも出迎えた。
あの一件から無事戻り、回復していた。(13・14話参照。)
フリオル 「ヒルダ!!無事だったんだな・・・・・。」
ヒルダ 「お兄様も。」
フリオル 「聞いたよ、あのオーガの一件は、武道家とオマエのおかげだったと。
我々を助けたビショップから話を聞いていた。」
おそらくそのビショップはレインであろう・・・。
少し複雑な気分であった。
それからそこで暮らして10日ほど、以前の平穏な暮らしではあるが・・・。
やはり物足りない。
時折窓辺で溜息をつく様子を、皆が知っていた。
数日経って来客だった。
ウォレン・・・・・。
と、プリッツ・ルドルフ・フレイオ・アシャン・シーマだった。
ウォレン 「なんで、お前らが来てるんだよ・・・・・。」
プリッツ 「(ノ∀`) ヒマだから。(笑)」
ルドルフ 「なぁに、仲間が増えるのかもしれんだろう?」
ウォレン 「それは彼女次第だろう。」
シーマ 「でも、難しそうじゃないかしら?」
アシャン 「なんでだい?」
シーマ 「窓から覗いたのは、ここの主でしょ?
私たちを歓迎してる者の目じゃなかったし。」
門番 「残念だが、通すわけにはいかない。」
そのまま入場しようとした6人を止める門番。
全く取り繕えない。
プリッツ 「ちょっと!!ここは来客に対して、そういう態度取るわけ!?」
門番 「何を申されても、通すわけにはいかない。」
アシャン 「なるほどね・・・。」
とりあえず、屋敷の見える範囲まで下がった。
プリッツ 「あの門番・・・・・。マシンアローしてやろーかなっ!!」
フレイオ 「ま、まぁまぁ・・・。」
アシャン 「お嬢様に冒険なんかさせないって事か。」
ルドルフ 「解らんでもないがのぅ。」
プリッツ 「誰がお兄さんを救ったと思ってるのよ。」
ウォレン 「その旅もこんな危険な状況になったわけだしな、
運良く命も無事で、記憶も戻ったが、その期間の家族の心配は解るからな。
ただ、要は本人の意志の尊重なんだがな。」
ヒルダは父親の元に向かった。
いつものドレスなどでなく、アーチャー『フェニ』としての戦闘服で。
ヒルダ 「お父様。お話があります。」
父 「フン、その格好を見ずとも、おまえの考えてる事など解るわ!!
誰がそのような危険な旅への許可を出すか!!」
ヒルダ 「私も自分の行きたい道を行きます。」
父 「そんな事許すわけがなかろう!!」
すぐに、守衛に連れて行かれ、部屋に戻され鍵が外から掛けられた。
そこは3階なので窓から出ることも難しい場所である。
ヒルダ 「どうしましょう・・・。」
10日ほどで戻るとウォレンに伝えたが、その期日は過ぎる。
もちろんウォレンも想定内である。
全員で居ても仕方ないので、ウォレンを残し5人は古都へ帰った。
屋敷から見える位置に居る。
ヒルダからの矢文で、状況を確定する。
ウォレン 「やはり、そうか。」
となると、強引に連れ出すしか無いのだろうか・・・・・。
その深夜の事である。
ベタな方法ではあるが、カーテンを結び合わせ外に行く事を試みた。
当然のように、守衛に見つかった。
守衛 「ヒルダお嬢様、困ります。そのような事をされては。」
ヒルダ 「私はそれでも・・・・・行きます!!」
だが、守衛2人に捕まってどうしようもなくなる。
その時、守衛を誰かが投げ飛ばした。
守衛 「な、何者!?」
フリオル 「ヒルダ!!行け!!」
ヒルダ 「お、お兄様!?」
フリオル 「全て俺は解っている。大丈夫だ!!行け!!」
ヒルダ 「お兄様・・・・・。申し訳ありません!!」
すぐにヒルダは走った。
門を抜け、その向こうの森へ。
ウォレン 「ヒルダ!!」
ヒルダ 「ウォレンさん・・・・・。」
ウォレン 「抜け出して来たのか?」
ヒルダ 「ええ・・・・・。このまま、連れて逃げて下さい!!」
ウォレン 「いいのか?追われる身になるぞ?」
ヒルダ 「覚悟の上です。」
ウォレンはヒルダの手を引き走った。
ヒルダ 「お兄様・・・・・ありがとう・・・・・・。」
待て次回!!
おまけ
プリッツ 「ふー。なーんか、久々って感じだね〜♪」
アシャン 「ああ、まるでストーリーが全然進んでないみたいだ。(笑)」
フレイオ 「設定そのものを忘れられたりして・・・・・?」
プリッツ 「((((;゜Д゜))))こわっ!!」
ミネルバ 「出番自体無かったりするんですわ・・・。」
プリッツ 「((((;゜Д゜))))!!」