ST:68
「四重奏」











              
               ガーディアンの元へと走る3人。



               そのガーディアンの戦闘力で散って逝った冒険者達。


               かろうじて生き残るも、完全に恐怖に慄いている。




ツァルト  「さすがに、デカイな・・・・。」
ヴァハー 「まぁ、やるしかねぇだろ?」

パルティ  「な、、、、、なんという気迫・・・・・。」



               おそらくLVで言えば、ここに居た冒険者たちの3倍はある。


               パルティから見れば、雲の上のようなLVだ。




ツァルト  「ファイアボールの分子運動を変える!!
          フリーズボール!!


               火球ならぬ、氷球である。

               ガーディアンの鎧を凍結させ動きを鈍くするのだろう。



パルティ  「こっちへ逃げるんだ!!」


               だが、冒険者は怯えて動けない・・・・・。


パルティ  「しかたない・・・・・。抱えて連れて行くか・・・・・。」



               ヴァハーは廻りの石を巻き込み、竜巻を作り上げる。


ヴァハー  「おい、ガー君さんよぉ? 俺が相手だ。」


                トルネードが唸りをあげ、回転を増す。




ヴァハー  「結局、、、この『音』も作れぬままだったな・・・・・。」



                動きの遅いガーディアンのターゲットがヴァハーに向く。


                絶えずツァルトが凍結させているので、攻撃自体も遅く
                致命傷を食らうことはまず無い。。。。。



ツァルト  「負けなくとも勝てないな・・・・・。このままじゃ・・・・・。」



                ツァルトの凍気は充分だが、その凍った鎧を砕く破壊力が無い。

                かと言って、ヴァハーやパルティにも無い。



                せめてもう1ランク凍結の温度を下げれれば、
                衝撃は小さくとも砕けるはずだ。



ツァルト  「しかし、私の魔法力じゃコレが限界・・・・・。」



                パルティはガーディアンのタゲが消えて息のある者を救出した。



パルティ  「これだって、充分私に出来る事だ・・・・・。」




ヴァハー  「どうする?ツァルト、ドラゴンの心臓も無いぜ?」
ツァルト  「私も1つしか残ってないがな・・・・・。」




                つい、ガーディアンに近い者を救おうとしたのか、

                急にガーディアンがパルティを標的にする!!




ツァルト  「マ、、マズイ!! メテオコフィン!!


                氷の隕石を落とす!!

                ツァルトは全てが氷属性のウィザードである。


ヴァハー  「止まらない!?」


パルティ  「こ、、、これは、まずい・・・・・。」



                ガーディアンの一撃がパルティを襲う。

                凄まじい鉄拳でパルティの防御ごと吹き飛ばす。



ヴァハー  「こ、、こいつ・・・・・!!」


ツァルト   「お、、おいヴァハー待て!!」



ヴァハー  「大丈夫だよ・・・・・。どんな魔法だって・・・・極めれば!!」





                ガーディアンに向かって杖を構える。


ツァルト  「何かあるのか・・・・・?」

ヴァハー  「見せてやるよ・・・・・。
         ロックバウンディングのMB『ロック・イン・ザ・キングダム』





                ガーディアンの足元から巨大な岩の柱が幾つも迫り出す!!

                地面からの打撃である!!



                ガーディアンの鎧にヒビが入る!!


ヴァハー  「切り札ってのは最後まで隠しておくもんだ・・・・・。」
ツァルト  「こ、、こんなマスターバーストを・・・・・。」



                数十の柱が迫り出しては地面に消え、また迫り出す。

                その大地のハンマーにガーディアンも崩れる。


ツァルト  「やった・・・・か?」
ヴァハー 「いや・・・・完全では無いな・・・・・。」


                動きの遅くなったガーディアンにツァルトは走った。


ツァルト  「一気に決める!!クリスタルブレイク!!



                チリングタッチのMBで、敵の温度を下げ凍結させ
                氷柱の中に閉じ込めるのである。



                 だが、途中でCPが切れる・・・・・。


ツァルト  「クッ、、、、、不充分か・・・・・?」

ヴァハー  「今、ロック・イン・ザ・キングダム出せれば・・・・・砕けるんだが・・・・・。
          俺ももうCPが無ぇ・・・・・。」


                 目の前でヒザをつく2人・・・・・。



パルティ  「う・・・・・・せめて・・・・・動ければ・・・・・・。」





                 と、それでも動き出すガーディアン。


                 パルティの少し向こうの冒険者が動く。

パルティ  「ダメだ・・・・・。今・・・・・動いたら・・・・・狙われ・・・るぞ・・・・・。」




                 その冒険者をターゲットにし、ゆっくり近づくガーディアン。



ツァルト   「ま、、マズイ・・・・・。何か攻撃を・・・・・。」
ヴァハー  「おい、そこのヤツ!!動くな!!殺されるぞ!!」





                冒険者が手を上に上げた・・・・・。



パルティ   「!!」






                ガーディアンがその冒険者を殴ろうとした。

                だが、凍結が少し進んだのか、動きが鈍る。


















                次の瞬間、槍がガーディアンを貫き、砕いた!!




ツァルト   「パルティ!!」



                そう、その冒険者はフルヒールをなんとかパルティにかけたのである。


ヴァハー   「そのLVでガーディアン倒したのは初めてじゃないのか?(笑)」
ツァルト   「しかし・・・なんとかなったな・・・・。」





                その冒険者もなんとか立ち上がった。


BIS    「ありがとう・・・・。助かったよ。」

パルティ  「いや、礼を言うのはこちらだ。おかげでトドメを刺せた。」

BIS    「でも、しくじってたら逆に命を落としてたかもしれない・・・・・。
         結果的に全員助かったというだけで・・・・・。」
ツァルト  「あのままでも、全滅だっただろ・・・・・。むしろ君は死んだフリしておけば
         もしかしたらどうにかなったかもしれない。」
ヴァハー  「だな、目の前にアイツ居るのに動くんだからな。」

パルティ  「とりあえず、意識の無い冒険者を全員コーリングでもしないと・・・。」
ツァルト  「そういえば、こんなケースは初めてだな・・・・・。」
ヴァハー  「そうだな、通りすがりの支援ばかりだったしな。」

BIS    「あの・・・・・僕も一緒に行ってもいいでしょうか?」
ツァルト  「え?」


BIS    「なんか、あなた達は他のギルドには無い何かが・・・・・。」
パルティ 「私もそれを求めて、ここに入ったんだよ。」

ヴァハー  「俺は構わないけどな。」
ツァルト  「ずっとコイツと2人でつるんで来たが、こういうのも・・・・・・。
         悪くないな。」

BIS    「僕はビショップのシュベル。よろしく!!」

ヴァハー  「俺はヴァハー。こいつはこの『white wind』のGMツァルト。」
パルティ  「私もさっき入れてもらったばかりの、パルティだ、よろしく。」





                 ふと、ヴァハーがトルネードを出す。


ツァルト  「ん?どうした?」

ヴァハー  「さっきの『ロック・イン・ザ・キングダム』の出現のタイミングと言うか、
         それを曲に見出してみたら、何か頭の中で繋がった・・・・・。」


                 トルネードシールドに石を飛ばし、
                 その空気との摩擦で音を出し、曲を奏でる。


シュベル  「す、すごい、、、、音階が順番にできてる・・・・・。」

パルティ  「何か1曲できる?」



                ヴァハーは目を閉じ、集中した。

シュベル  「こ、、、これは・・・・・。」








































ツァルト   「『猫踏んじゃった』なのかよ・・・・・。」


ヴァハー   「最初は簡単なのしか無理だろ・・・・・。(笑)」

シュベル   「重奏ができればクラシックもできる?」
ツァルト   「なんだ、君もクラシック好きなのか?」


パルティ   「え?私もだ!!」

ヴァハー   「そうなのか!?」











                 クラシック話に華が咲き、団結が強まった4人だが、
                 何か忘れてはいないだろうか?(笑)













                  待て次回。










































最近、筆が止まっております・・・・・。

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