ST:55
「運命の羽」












            魔法都市スマグ
            スマグ発行のポータルクリスタル云々のくせに、なぜかテレポーターのいない街。
            あったらあったで、逆にクエとか簡単になるんだが、
            もういまさらそんなのどうでもいいから置いてくれってな街。

            特産品は『かんぴょう』(嘘)




            スマグ図書館に来ていた男が居た。

            20年前のバリアート事件を調べて居たのである。











アクァス    「なるほど・・・・・。」






            と、さらに一人の男が現れる。


ザヴロー    「見つかりましたか?アクァスさん。」

アクァス    「なぜ、ここが?」

ザヴロー    「私はこのスマグが本拠地ですよ・・・・・。
           ここにくることは、予想の範囲でもありましたがねぇ。」


アクァス    「赤き石の呪い・・・・・。」


ザヴロー    「そんなアナタに朗報です・・・・・。
           赤き石の呪いを、我が身で知り、謎を解いたギルドがあると。」
アクァス    「どこのギルドだ?」

ザヴロー    「噂に聞きませんか?あのseven seeをトーナメントで制したギルド。
            ever snowを。。。。。」
アクァス    「名前までは、知らないな。。。。。」


ザヴロー    「そのギルドにアウグスタのセスタス伯爵の娘が居るんですよ。」
アクァス    「セスタス?あのアウグスタ騎士団のか・・・・・。
          なるほど、あの医療財団・・・・・にか。」

ザヴロー    「ただ、その赤き石の事については、解り次第情報は提供すると。」
アクァス    「ever snowのGMは欲がないのか・・・・・。
           その情報が本物なら、数億の情報じゃないか?」

ザヴロー    「簡単な事です。苦しんでる人の事を考えただけです・・・・・。」


アクァス    「とりあえず、そこのGMに会ってみたいな。」


ザヴロー    「正式登録者名簿リストは、古都だけじゃなく、ここでも解りますよ。」





            アクァスはever snowの名簿を見た。


アクァス    「GMは、『プリッツェル』って、、、まだ18歳の子供じゃないか・・・・・。」

ザヴロー    「それだけの皆の信頼があるんですね。」

アクァス    「ル、、ルドルフ!?あの時のBISか・・・・・。」(16話参照)

ザヴロー    「機密情報ではない、一般の方々でも知りうる程度の情報なら、
           いつでも連絡してください。」
アクァス    「一緒に行かないか?」


ザヴロー    「私は、頭を使うこと以外は・・・・・・。苦手なんですよ。」






アクァス    「とりあえず、このGを探すか・・・・・。
           重要なのは、『なぜ、その呪いを知ったか』だな・・・・・。
          黒幕と接触した可能性が高いな・・・・・。」


ザヴロー   「アクァスさん。1つだけ忠告しておきます。
           水WIZなら、もっと『冷静』になることです。。。。。
           熱くなりすぎると、見えなくなりますよ。。。。。」



アクァス   「・・・・・・・。解った。。。。。
         色々と助かった。ありがとう。」
ザヴロー   「いえいえ、こちらも20年前のような悲劇は、繰り返したくないので。」





            そしてアクァスはスマグを去った。



            プリッツたちが『フェニックスの羽』を探していると聞き、
            『フェニックスの羽』を求めていけば、会えると同時に
            その世界を救おうとしてる彼女らに協力できると思ったのである。






            鉱山町ハノブ
            比較的田舎な町。

            その狭さから、銀行・テレポなど利用頻度が実は高いという。

            そしてなぜか、露店には指輪を売る者が多いと言う。




アクァス    「アイテムハンターに聞くのが一番なんだろうか?」


            とりあえず酒場を訪ねてみる。

          

            酒場の横の部屋には大抵クエスト依頼や、
            色々な雇い主を探すハンターなどの張り紙がしてある。



         『ヴァンパイアの目玉 探しています。 報酬400万G 詳しくはトロトロまで。』

         『エルフテイマー就職ギルド探してます。 詳しくはモエまで。』

         『イヤリング材料依頼。詳しくはウェントリードまで。』

         『酢豚にパイナップル入れるの許せない人耳ヨロ。 詳しくはクェスまで。』

         『伝説のモンスター探し依頼。 詳しくはハヌスィムまで。』



アクァス    「ん?『魔具、なんでも探します?魔具ハンター3兄弟』?
           魔具?ああ、良品やUアイテムの事か・・・・・」



            アクァスはこの3兄弟が只者ではないのだろうと、
            世界を旅しているのだろうと判断した。



            さっそく連絡を取ってみることにした。。。


            その張り紙に対する返事を酒場に依頼して渡しておく。




            待つこと数時間。

            大抵こういう張り紙をする場合は、依頼者は何度も見に来る。



            と、アーチャーらしき三人組が酒場で席を取った。

            そう、魔具3兄弟である。


マルス    「メロス兄さん、もしこれが完成したらスゴイことになるね。」
メロス    「まぁ、才能だな。(笑) マルス、オマエも早くアーチャーマスター試験受けて、
          マスターバーストを身に付けないとな。」
ウルフ    「まだ、コイツには早いかもな。(笑)」

マルス    「ウルフ兄さんまで・・・・・。ってウルフ兄さんはどうなのさ!!」

ウルフ    「試験用の技、もう完成してるぜ?」
メロス    「い、、いつの間に。。。。。」



             酒場の親父が手紙を渡していた。



             読み終わったあと、メロスは店内を見渡した。。。。。


メロス    「アンタがアクァスさんかい?」




アクァス   「ああ、そうだ。お初にお目にかかるアクァスも申すもの、よろしく頼みます」
メロス    「こちらこそ、よろしく。」




             そして、アクァスは話をした。


             自分の追ってるものと、探してるものを。
             
             さすがにまだ赤き石の呪いは話せはしないが。。。。。



ウルフ    「なるほど、魔具とかでなく、『フェニックスの羽』を探すのか。」

メロス    「昔はたくさんあったんだがな。」
マルス    「GVが頻繁に行われるようになり、一時期品切れ状態だったね。」

メロス    「そうだな、今は相当効果になってしまったし、BISが居るから
         GVでは使用されなくなったな。。。。。」
             *この世界ではかなりの貴重品扱いです。

ウルフ    「以前なら、ソーサラーのジジィが持ってたんだがな。」

メロス    「ギルド『lucky blacky』に聞いてみるか。」
アクァス   「運に恵まれた人たちのギルドか・・・・・。」

メロス    「一応所属してるんでな。」



             4人はハノブの東の空き地へ向かった。


             小屋が建っていた。



メロス    「ココだ。。。。。イザベラ!!居るか!!」



             中から真紅のローブのテイマーが出てきた。


イザベラ   「どうしたのよ?メロス。ちょっと今取り込み中なのよ。」
メロス     「なんだ?」

イザベラ   「アナタも副GMでしょ?ちょっと来てよ。」

メロス    「アクァスさんよ、申し訳ないが少し待ってくれ。
          ウルフ、マルス、知り合いのハンターにもあたってみてくれ。」
ウルフ    「OK。」
マルス    「了解です。」







イザベラ   「だから、なぜ脱退したのか聞いてるだけでしょ?」

モエ     「私は、テイマーが全員幸運に恵まれてるみたいな扱いはイヤなの。
          結局、運がいいなら誰でも良いって事になるでしょ?」
ラシェル   「いや、私は『サマナー』なのに、『テイマー』扱いされるのがイヤなだけ・・・。」


メロス    「詳しくは知らんが、今聞いた状況から想定すると、そういう事か。。。。。
         イザベラ、、確かに俺がギルドに入った頃と比べると最近変わったと思わないか?」
イザベラ   「変わった? 私は最初からトレジャーハンターのギルドだと言ったはずでは?」

メロス    「ああ、そうだ。ギルドに所属してるというだけで利用できる施設もある。
          そういう意味の利用だけで、ギルドメンバーのギルドハンティングも無くていい。
          最初にそう聞いた。だから、俺も利用するカタチでココにいる。」
イザベラ   「そうよ。むしろ、それを『変えようした』というなら、この子たちじゃないの?」

モエ     「別に同意してのギルハンするなら、問題ないでしょ?」


              どうやら、このギルドを通じて仲良くなったメンバーでの
              交流が深まり、ギルハンなどをしていたのだが、
              それぞれの友人(別ギルド)も混ぜてのことだった。


モエ     「私の友達はテイマー多いけど、運が有るとか無いとかで一緒に居るんじゃないよ?」
ラシェル   「だから、私はサマナーだと言っている・・・・・。」

メロス    「なるほどな、極端に言えば運の無い人間とつるむと、運が吸われるみたいな事か。」

イザベラ   「そこまでは言った覚えはないわよ。」

モエ     「でも、GMは実際そう思ってるでしょ?だから私たちは抜けるの。
          私の考えとは違うから、私の居場所はここには無いってことなの。」


メロス    「ま、俺は別にそれでいいんじゃないかと思う。
          だがな、モエ。GMというという物の立場、そしてギルドとしての守るべきもの。
          それは解ってくれ。」
モエ     「守るべきもの?」

メロス    「友達を大事にするオマエはそれでいい。
          だが、世の中人間を信じられない人も居る。
          『金』という同じ目標で集ってる者も居るんだ。
          お互いがお互いの運を利用し、このギルドの特権を利用する者も居る。
          世の中キレイ事だけじゃない、そういう集まりもあると言う事だ。」
モエ     「うん・・・・・。そういう意味で、しっかりギルドを選ばなかった自分が悪いって思ってる。」

メロス    「そうだ。責めるわけじゃないが、『ギルドを抜ける』という重みは忘れるんじゃないぞ?」

モエ     「大丈夫。GM、ごめんなさい。。。。。
          でも、誘ってくれたのは嬉しかったよ。(´・ω・`)」

イザベラ   「いえ、、、、私もアナタの運しか見てなかったと思うわ。。。。。
          運テイマーが当然の存在って思っていたわ。。。。。」

ラシェル    「だから、私はサマナーだってば・・・・・。」






                少し黙ってた後、イザベラが席を離れてつぶやいた。



イザベラ   「とりあえず、お疲れ様。
           私も、アナタみたいに人を素直に信じられたらいいんだけど・・・・・。」
モエ      「ぇ?」
イザベラ   「なんでもないわ。。。。。。モエ、ラシェル、今までありがとうね。」
モエ      「こちらこそです。」
ラシェル    「お世話になりました。。。。。」

メロス     「モエ、ラシェル、、、オマエはオマエのギルド、見つけろよ。」

モエ      「.*゚+(人*´∀`)+゚*.うん!!」
ラシェル    「私はとりあえず、サマナーギルドがいいな・・・・・。」



メロス     「イザベラ、本題だ。実はな。。。。。」




                そして、モエとラシェルは一礼して出ていったのであった。













イザベラ    「 『フェニックスの羽』?そういえば最近手に入らないわね。
            せいぜい、フェニのネックレスだけじゃないかしら?」

メロス     「フェニ・・・・・?ああ、ギルメンか。会ったことはないな。」






                 イザベラはフェニを呼んだのであった。







イザベラ    「言っておくけど、彼女、過去の記憶が無いから、
           そこだけは注意しておくわ。。。。。。
           フェニックスの羽を握り締めて倒れていたから、フェニって名前を付けただけなの。」

メロス     「そうか・・・・・。解った。」












                 謎の記憶喪失の少女フェニ。















                 まて、次回!!

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