ST:48
「それぞれの剣」












            
            そう、あれはどれくらいの時間経ってからだろうか。。。。。






            オート監獄で囚われた、ミネルバ・カゲトラ・イェロン・ミスティ・セバス・スネイク。


            ひとつの部屋に閉じ込められた。


            部屋全体には蜘蛛の巣が張り巡らされ、動きは思うようには取れない。

            何事もなかったかのように、格子から差す光があった。



イェロン    「参ったな。。。。。しかし、こんなに牢屋があるとはな・・・・・。」

ミネルバ   「あの光の先が地上と言うのなら、B2辺りかしら・・・・・。」
カゲトラ    「結構、奇怪な仕組みの牢獄でゴザるな・・・・・。」

ミスティ    「これからウチら、どないなんねんな?」

セバス    「赤き呪いの実験体と言った所でしょう。」

スネイク   「サイコブラスターもばれてちゃ、隠しきれなかったか。。。。。
          武器も無くどうしようってとこか・・・・・。」



             牢屋の格子の向こうに、ネメシスが来た。



ネメシス    「ククククク・・・・・。そこのジジィ、まさかこんな指輪を2つも持っているとはな・・・・。」

セバス     「やはり、気づかれましたか・・・・・。」



             『タートクラフトの婚約指輪』 OP 『RED STONE』


             スキルLVが+6の指輪を二つ持っていたのである。
             (ゲームでは存在しません。)


ネメシス    「スキルマスター100を目指す私には最高の物だな・・・・・。」

スネイク    「フッ、スキルマスター100になったヤツは身の破滅って有名だぜ?」


ネメシス    「フン、誰も到達しえない物がなぜ解る。」

ミネルバ    「たったそれだけのために、レッドストーンの力を使っているの・・・・・?」

ネメシス    「貴様ら凡人には到底理解できない世界だ・・・・・。
           いずれは貴様らも赤き呪いの兵隊になるのだ。。。。。」





             そしてネメシスはまた姿を消した。




スネイク    「情けない話だ・・・・・。こんな場所からも抜け出せないとはな・・・・・。」

セバス     「蜘蛛の巣に絡められた『AI低下』のせいで高度なCPを必要とするスキルが
           ほとんど封じられていますね。。。。。」


ミスティ    「なぁ、スネイクのおっちゃん。」


スネイク    「おいおい、おっちゃんは無いだろう?お兄さんとか呼べないのかよ。」

ミスティ    「 『投げ』の実力は自信あるん?」
スネイク    「ああ、これでもナイフ・爆弾なんでもいけるぜ?」(ゲームでは爆弾はシーフは不可能。)

ミスティ    「あの上の窓でも届く?」
スネイク    「あ?ナイフも爆弾もロープもここには無いぜ?」

ミスティ    「ウチを投げてみ!!」


           ミスティは兎に変身していくというのだ。



ミネルバ    「ミスティ、危険よ?その姿で外を駆け抜けるの?
           まだ、外の世界に通じてるとは限らないのよ?」
セバス     「そうじゃ、光が見えているだけじゃぞ?」

ミスティ     「せやけど、このままおってもしゃーないやろ?
           ウチがプリッツ姉ちゃんに知らせてくるわ。」

スネイク    「お嬢ちゃん、覚悟はあるんだな?」
ミスティ    「ウチかて、ギルドの一員やで!!いつもお荷物ちゃうでっ!!」

ミネルバ    「この『移動速度』のピアスなら兎状態でもつけれるわね。」
ミスティ    「おおきに!!お姉ちゃん。ウチやったるでー!!」


スネイク    「いくぜ!!」




             スネイクは兎のミスティを投げた。

             鉄格子の向こうへとたどり着いたミスティ。
             兎変身の効果が切れる前にと、走った。



ミスティ     (とりあえず、外へ・・・・・。)



             
             細い通路を通り、外へ出たミスティ。


ミスティ     (蜘蛛の巣ようさんくっついたな〜。)





             変身を解こうとした・・・・・。





             が、解除できないっ!?


ミスティ     (あれ?おっかしぃなぁ・・・・・。なんでやねん・・・・・。)



             既に拭えない蜘蛛の巣がとりついていたのである。

ミスティ     (スキルが使えへんんか???なんちゅースキルやねん。
           とりあえず、走るにはええか。。。。。)



             ミスティは走った。


             しかし、ミスティが居るであろう場所は東。

             とりあえずハノブまで走ろうとした。






             普通に走るよりは速い、そしてモンスターなどの隙をついて走る。
             たまにエサと思われ、狼に追われた事もあった。







             鉱山町ハノブ
             温泉で有名な町。
             ハノブ高台高楼のネクロマンサーの被害が少しづつ増えてるようだ。

             そんな討伐募集をしている。



             とりあえず、誰かに知らせたい。

             だが、兎のままで話す事ができないのである。
             
             せいいっぱいピョコピョコ跳ねてみる。

ランサー    「きゃ〜〜〜〜〜っ!! 兎ちゃんだー。か〜〜〜わぃ〜〜〜〜♪」
ミスティ     (そんなヒマちゃうねん〜〜〜!!)


剣士      「何してるんだ・・・・・。」
ランサー    「え?だって、ウサちゃんが。。。。。」

剣士      「これからネクロマンサー討伐に行くっていうのに・・・・・。」
ランサー    「大丈夫よ。ウィザードバスター。ところでビショップさんとか要らないの?」

W       「君がザコを片付けてくれれば、俺にネクロマンサーの魔法は通じないよ。」
ランサー    「また、ザコ片付けかぁ。」

W       「いつもの事だろ?ビーストバスター。」



             ランサーは獣専門のハンターであり、通称ビーストバスター。
             剣士は魔導士専門のハンター通称ウィザードバスター。

             討伐依頼を色々してるうちによく顔を合わせ、
             たまに共に仕事をすることになったようだ。

             


男      「お?オマエらも村長の依頼か?」
B        「ん?そうだけど・・・・・。アナタは?」

             ものすごい重装備である。
             走れるかどうかも怪しい。(笑)

W      「防御は凄そうだが、敵は魔導士だぞ?戦士さんよ。」

男      「俺は戦士じゃないぜ。重装ビショップ、通称『グレートウォール』って
         聞いたことはないか?(笑)」
W      「なるほど、決して戦場でヒザを付くことの無い男か。。。。。」

B      「なんか知らないけど、そういう噂って、すぐ広まるよね?
         私なんか私自身も獣呼ばわりよ?」
W      「あってるんじゃないか?(笑)」

G      「ハッハッハッハ。まぁ、よろしく頼むぜ。」



ミスティ   (は!ウチはこんなことしてる場合とちゃうねん!!)




村長     「噂に名高い方々で、こちらも安心ですじゃ。
          高台には4人のネクロマンサーが2組に分かれておりまして、
          片方を倒しても、残りのネクロマンサーがまた蘇生するようでして・・・・・。」

G       「だな。全員を同時に倒さねばならんだろう。。。。。」

村長     「先ほど他のPTの方々も依頼を受けていただいて。」

G       「熟練者ならいいがな・・・・・。」

村長     「まだ若い娘さんでしたが、ネクロマンサーが、
          蘇生アイテム「フェニックスの灰」を持ってると言ったら急に。
          あとは倒してくれた報酬としてこのフルヒールポーションをと。」

W      「1本20万Gもするのを、5本もか!?」
B       「重症の人でもたちどころに回復するらしいね。」

村長     「なんでも、仲間の武闘家さんが重体らしいとの事で。
          ですが私もこのフルポーションは村のためにと・・・・・。」
B       「なるほど、それでもう行ったのね?」

村長     「はい、さきほど。」

W      「よし、行くぜ!!」


ミスティ   (まさか・・・・・。それって、プリッツはん!?)


           行こうとするBBに擦り寄った。

B       「あれ?ウサちゃんも行きたいの?」

G       「おいおい、危険だろ・・・・・。」
B       「あら?兎1匹も守れないのかしら?(笑)」
G       「ハッハッハッハッハ。言うねぇ。。。ま、構わんぞ。」

W       「普段は獣を斬ってるのにな・・・・・。」
B       「私は人を襲う悪い獣しか斬らないの!!」




           ミスティはBBにつれていってもらうことにした。


           3人と1匹(?)は、ハノブ高台へと向かう。
B       「なんかさ、魔法の絨毯たまに見るよね?」
W       「ああ、スマグかどこかで入手するらしいな。」
G       「あったら楽だろうな・・・・・。」

W       「でも、なんか条件厳しいらしいぜ?ギルドメンバー全員でやれば楽とか。。。」
B       「私、ギルドは嫌いなのよね〜。」

G       「入ってないのか?」
B       「たまに傭兵募集とか声かかるけど、私は戦争の駒じゃないからね。」
W       「同感だな。俺も「強けりゃ誰でもいい」なんてギルドには入りたくはないな。
          勝てればOKなんてヤツはソイツらだけで勝手にやってくれ。
          俺はなんだろな・・・この剣を託してもいいギルドなら構わないがな。」

G       「そうか・・・・・。俺は傭兵としてよく行くがこっちも報酬で割り切ってしまっているな・・・・・。
          確かにそのギルドが勝とうが負けようがどうでもいいしな。
          だが、雇われた以上そこのメンバーを護るのが俺の仕事だからな。」

W       「考え方はそれぞれさ、俺が正しいなんて思ってないさ。」
G       「解ってる。。。。。でもよ、もしそんなギルドがあったら、俺も胸張って看板掲げれるか?」

B       「当然じゃない?ギルド・・・・・作る?」
G       「難しくないか?俺じゃ。」

B       「それを助けた人間が、仲間じゃないの?」
G       「まぁ、軽々しく看板を掲げるのはイヤだな。」

W       「ま、俺は実は心に決めたギルドがあるんだけどな。」


B       「へぇ・・・。そうなんだ。」

W       「そのGMは、俺を俺として代理の利かない存在としてみてる。
           そんな気がしたんだ。。。。。」
G       「有名なギルドなのか?」

W       「GVはまだみたいだったぜ。」



            依頼者に雇われた仕事をこなす彼らはどこにも所属しない方がいいのであろう。

            ギルドだけが全てではない。


            自分たちのやる事の重要さ・道を知っているのかもしれない。


B       「ハノブ高台高楼・・・・・・。
          なんか若い頃苦戦したなぁ・・・・・。
          あの頃はネクロマンサーなんて視界に入ったら逃げてたわ。」
G       「違いなぃな。」



            そのLVではなんの苦もなく3階へ辿り着く。

            グレートウォールは支援を皆にかける。

W       「すげぇ、ブレッシングだな・・・・・。」
G       「一応オーガも居るみたいだから、エビルもかけとくぜ。」
B       「ありがと^^」

G       「そっちのちっこいのにもかけとくか。」

ミスティ    (ウチかーーーーーっ!!)




G       「さて・・・・・行くか。」

B       「他のPTも来てるんじゃなかった?」
W       「見当たらないな。。。。。」

ミスティ    (プリッツはんちゃうんかぃな?)



W       「とりあえず、腕試しと行くか!!」



             Wバスターが駆ける。
             虚をつかれたネクロマンサーに斬りかかる!!


ネクロ     「名乗りもせず斬るとは、無粋ではないか?」

W       「残念だが、俺はオマエを同等だとは思っていないんでな。
           ここで終わらせてもらう。。。。。」

ネクロ     「なるほど、言うだけの魔法抵抗があると言うわけか。。。。。」


B        「たまには、変なの狩るのもいいかもね。」

G        「2人とも、体力は気にせずに行け!!」
W        「頼んだぜ!!」





              ネクロマンサーとの戦いが始まった。
















              次回へ。




































              オマケ。










戦士     「なぁ、俺たちって、生まれてきてよかったのか・・・・・?」
WIZ     「いや、、、、親の愛はなかったような気がするんだがな・・・・・・。」

戦士     「多分、この気持ちを理解してくれるのはオマエだけだ・・・・・。」
WIZ     「俺もそう思うぜ・・・・・。」


戦士     「たった2人のギルドだけど、オマエとならやっていける。」
WIZ     「同じ仲間がいるかもしれないけどな。」

























係員     「ギルド『ビューティフルネーム』の、
          戦士『11111111』さん、WIZ『ああああああああ』さん。
          登場へどうぞ。」


戦&W    「本名を呼ぶなああああああああああああああ!!」

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