ST:47
「アナタが傍にいるだけで」












            古都ブルンネンシュティグ
             とんでもない人口を誇る古都。
             周辺の魔物はそこまで強くなく、冒険者でも初心者が修行のために
             やってきたりする。




             古都の中の1つの建物内。

             テイマーやサマナーが集まると言う場所。

             そう、ここがテイマーペット申請所。
             ここで登録すれば正式にペットとして認められ、
             テイマー本人と同じ扱いを受けられる。

             申請しなければ飲食店はおろか街のほとんどに入れない場合が多い。
             そして、ペットのした事は当然、テイマーの責任になる。
             サマナーも召喚獣が暴走した場合、同じく責任問題となる。



             そんな奥の部屋で話し声が聞こえる。


ルィ    「リーナ、アンタのペットも硬いねぇ。しかし。」
リーナ   「へへへ〜。私のゴーレム以上の防御力のペットいないよ?(笑)」

アリス   「ルィお姉様のエルフもなかなか強いですねぇ。
        それに比べ、私のキャロルアンなんて。」
ルィ    「アンタのソレはぴくっこだしね。。。。。」
リーナ   「いつドンブリになるか・・・・・。(笑)」



             トテトテトテ。


             1人のテイマー到着。


ルィ    「メグ。何してんのさ?」
リーナ   「えーと、なんだっけ?チョロキュー?」


メグ    「違うもん!!チョロプーだもん!!」

             そのテイマーは『メグ』ペットはコボルド。
             名前は『チョロプー』

             コボルドの洞窟で仲間にして以来ずっとである。


ルィ    「よし、アンタも塔でファミリアを捕まえた方がいいよ。」
リーナ   「そうだな。私も手伝ってあげるよ。」

アリス   「私は、留守番しますぅ・・・・・。塔なんて死んじゃう・・・・・。」


ルィ    「よーし。早速行こうか。」
リーナ   「だな。」

メグ    「ちょ、ちょっと待ってよ〜。そんなイキナリ・・・・・。」



             強制的に連れて行かれる。

             2人に手を引っ張られていく。。。。。


ルィ    「はいはいはいはい!ポータル出すよー。」



             ムーンクリスタルのポータルが出てすぐ、メグは2人に連れ去られて行った。


             塔、強制連行!!




メグ    「うう・・・・・。塔。」

ルィ    「ここまで来たら覚悟しな。」
リーナ   「さて、タゲでもとるか。」

             ルィとリーナはそれぞれのペットを従え、
             洞窟を探し回る。。。。。



             そして、どこからともなく、ファミリアを捕まえてきた。



ルィ    「ほらほら、気合い入れて説得しなよ。」
リーナ   「私がタゲ取って、ルィが攻撃するから。」

メグ    「えっえっ?????」



             何がなんだか解らないメグ。


メグ    「ちょっと待ってよ〜〜〜〜〜。」




              リーナのゴーレムがタゲを取り、後方からルィのエルフが攻撃する。
              大抵のモンスターはこれでいい。

              リーナのゴーレムを破壊できるモンスターは今の所見当たらない。

              数々のGVで幾多の戦士も断念していった。。。。。



メグ    「って、ペットってこんな事して捕まえてたの?????」


              メグはこんなタコ殴りな状況を始めて見た。
              モンスターは体力を減らしてから説得するのが常套だったのである。


ルィ    「え?普通じゃないか?」
リーナ   「まぁ、服従ってのが近いのかなぁ。。。。。」



メグ    「やめてよーーーーー!!」

ルィ    「!!」
リーナ   「!!」



              メグは泣き叫んだ。


















メグ    「こんなの、違うよ・・・・・。



















ルィ    「メグ・・・・・。」

メグ    「こんなのが、テイマーなら、
    私はテイマーになんてならなくていい!!



              実際にメグの唯一のペットのチョロプーは
              コボルドの洞窟で、怪我してたコボルドを助けたのがきっかけだった。



              メグは攻撃されてる塔ファミをかばう。



メグ    「もうやめてー!!」


              このままでは、エルフやゴーレムの攻撃がメグに当たってしまう!!


ルィ    「攻撃停止!!」

リーナ   「ゴーレム!!攻撃停止!!」




              2人のペットにすぐ攻撃停止をする。



メグ    「ごめんね。。。。。ごめんね。。。。。」



              ファミはメグに抱きかかえながらも、反抗してる。
              メグを槍で刺している。



ルィ    「メグ、危ないぞ!!」

メグ    「そんなの、2人が攻撃したからじゃないか〜〜〜!!」


リーナ  「そりゃそうだけど・・・・。」



メグ    「私のためってのは、解るけど、私はこんなのイヤだ。」

ルィ    「・・・・・。」
リーナ   「・・・・・。」




               と、塔ファミが攻撃を止めた。



メグ    「ごめんね・・・・・・。」



              塔ファミは、メグの手を離れ、逃げていった。


メグ    「もう、、、、、帰ろ?」

ルィ    「ああ・・・・。」
リーナ   「悪かったね。。。。。」

メグ    「ううん。。。。。なんかテイマーに向いてないのかな。」


ルィ    「優しすぎるんだよ・・・・・。」
リーナ   「ある意味、冒険者には向いてないかもね。。。。。」







              と、さっきの塔ファミがついてきた。



ルィ    「あれ?」
リーナ   「あいつ・・・・。ついてきてるぞ?」



メグ    「あれ?どうしたの。」


             なにげにこっちへ向かってるような感じだ。


             メグが左へ行けば、左へ。






              完全にメグについて来てる。

メグ    「あれれ?」







ルィ    「もしかして、ある意味、一番テイマーに向いてるのかもねぇ。」
リーナ   「う、、、うん。モンスターと心を通わせる・・・・・かぁ。」





               で、登録所に戻って来た3人。



アリス   「お帰りなさい^^ あら、ファミテイムできたんですね。」
リーナ   「まぁねー。」


               ついてきたファミを見たアリス。
               ちょっと羨ましそうだ。



ルィ    「さて、メグ。そのファミ申請しなよ。」

メグ    「え・・・・・?」

リーナ   「せっかくついてきたんだし。」



メグ    「え、でも、チョロプー居るけど。」

リーナ   「登録しないと、保健所に捕まっちゃうよ。」


               長時間登録の無いモンスターは、保健所に捕獲され、
               処分されたりするのである。。。。。








               と、ちょうど、他のテイマーもファミを登録していた。



事務員  「はい、ではこれでファミリアをアナタのペットとして認証しました。
         今までのペット、『ソードスパイダー』は、破棄でよろしいのですか?」







メグ    「!!









               メグの中で、過去の出来事がよぎった。






メグ    『あれ?どしたの?怪我してるの?』

               怪我してるコボルドとの出会いだった。





メグ    「チョロプー・・・・・。」





メグ    『なんだ〜?一緒に来たいの?』

                傷を治療してなついた、コボルド。。。。。





メグ    「チョロプー・・・・・。」




メグ    『(`・ω・´)b よし!名前はチョロプーだぞ!!』

                それを自分の初めてのペットにしたあの日・・・・・。





メグ    「(´;ω;`)」




メグ    『(´・ω・`)あれ・・・・・。今日は調子悪いね。』

                ツライ時も一緒だった・・・・・。







               今までの出来事が次々によぎる・・・・・。






メグ    『チョロプー!!助けてーーーーー!!』

                命を懸けて、助けてくれたっけ・・・・・。






















メグ    「ごめん。。。。。。。。。。。。。。。
         私、チョロプーと離れられない・・・・・。


ルィ    「メグ・・・・・。」



メグ    「弱いとか、強いとか関係ない。。。。。
        ファミはまた塔に返して来るよ。。。。。」


リーナ   「まぁ、メグにはメグのやり方あるんだろうね。」












































事務員   「あの、、、2匹連れていけばいいのではないでしょうか?」


ルィ     「あ!!

リーナ    「そういえば・・・・・。」


ルィ     「私ら、破棄とか本にするの慣れてたから・・・・・。」



メグ      「あは・・・・・。」



              状況の解ってないファミがこっちを見ていた。






メグ     「名前、、、、、、何にしようね?


























              そして、コボルドとファミを連れてるメグの姿がありました。






メグ     「今日も行くぞ〜。チョロプー、ファミタン。」

アリス    「センスある名前とは、あまり・・・・。(汗)」


リーナ    「じゃあ、ぴくっこにキャロルアンはいいのか?(笑)」




ルィ      「おーぃ。エルフィン・・・・・って、なんだか呼びにくいな。(汗)」

リーナ     「ナックルー!! って、なんか慣れないとねぇ。」




             どうやら、2人も名前をつけたようだ。



             少しづつ、ペットとの関係を見直していく2人であった。



































アリス    「ペットと心を通わせる・・・・・。
      本当にそのままの意味なんだけど、、、、、難しいものね。。。。。


















              まて、次回。

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