ST:41
「バリアートにて」












           大きな町バリアート
            テレポーターがいないというだけで、寂れてる町。
            名前の通り、ただ大きいだけ。
            シティウォーカーというレアな称号があるためにたまに人が訪れる。
            
            20年ほど前の『バリアート事件』

            天界から何者かが持ち込んだ『赤い石』がこの町でなんらかの異常を起こし、
            街の人々が狼や魔物に変わり、殺しあった・・・・・。

            アシャンティやアヴァロは、その時生き残った者であった。


            そして、そんな『呪い』や、死んで行った人のために、
            町の東に大聖堂ができた。(ゲームにはありません。)

            ビショップを極めたと名高い高僧が居ると言う。

            その噂を聞いたプリッツたちはやってきたのであった。







プリッツ   「ここが、バリアートかぁ。」
アシャン   「・・・・・。」

プリッツ   「アシャン姉、どうしたの?」
アシャン   「い、、いや、大丈夫だ。」

シーマ    「あら、意外とだらしないのね。起きてしまった事実は受け入れるしかないの。」
アシャン   「そんなことは解っている!!」


フレイオ   「町のあちこちに、何か、火属性のオーラを感じるなぁ。。。。。」



            そして4人は大聖堂へと向かう。
            入り口にも修行僧が2人立っていた。


プリッツ   「すみません、有名な高僧さんにお願いがあって来たんですけど。」

            僧の厳しい返答がきた。


修行僧   「どうせ、誰かを蘇生してくれとかであろう?」
プリッツ   「私の仲間が今にも死にそうなんです!!」

修行僧   「悪いがそういう者がここを何人も訪れる。
        最初はジェンマ様もその願いを聞いていた。だがその蘇生された者共は、
        その与えられた命への感謝もなく私利私欲に走る者ばかりだった・・・・・。
        そしてジェンマ様は、それも運命であると、聖堂の奥へと篭ってしまった。。。。。」

プリッツ   「じゃあ、私の仲間はどうなるのよ!!」

修行僧   「残念だがそれも運命。」
アシャン   「アンタじゃなく、そのジェンマ様には会わせてくれないのかい?」
修行僧   「悪いが、ドコの者とも解らぬ者を『ハイそうですか』と会わせるわけにはいかんよ。」


            プリッツの機嫌が悪くなる。














































プリッツ  「もういいよ。このハゲ!!」

シーマ   「 ゙;`;:゙;`(;゚;ж;゚; )!!


          プリッツは聖堂をあとにした。


フレイオ  「すみません、、、、大事な仲間の危機で・・・・・。」
修行僧   「我々とて・・・・・本来なら・・・・・。」

フレイオ  「解っていますよ、それなりの事情があると。」
修行僧   「これも言ってはならないんだが、推薦状があれば謁見はできる・・・・。」
フレイオ  「でも、誰がそれをくれるかは言えない・・・・・だろ?」
修行僧   「すまぬな・・・・・。」



         フレイオは僧に礼をし、プリッツを追った。





         再びバリアートである。


プリッツ  「もーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。」
アシャン  「仕方ないだろう、何か事情があるんだろ・・・・・。」
プリッツ  「解ってるけどさ・・・・・。こうしてる間にもウォレンは・・・・・。」

シーマ   「しかし、困ったわね。」


         と、なぜか屋台のラーメン屋があった・・・・・。




プリッツ  「あら。こんな町で繁盛するのかな?」
フレイオ  「ちょうどお腹もすいたことだし、行ってみよう。」




         で、その1品しかないラーメンを頼んでみた。













































プリッツ  「オイシ━━━━(゚∀゚)━━━━イ !!!!!
        な、、、なにこの味わいの深さ!!この麺にして、このスープ!!
        この絶妙な歯ごたえのチャーシュー・・・・・。
        この1杯のために、バリアートに来てもおしくない!!」


じいさん  「褒めすぎじゃろ。(笑)」


         と、同じく食べに来てた男が話しかけてきた。


男     「だろ?うまいだろ?」
じいさん  「ケン・・・・。黙って食べてろ。」


シーマ   「確かにおいしい・・・・・。」


プリッツ  「おじいさん、なんでこの町でやってるの?
        もっと多くの人に食べてもらおうよ!!」

じいさん  「いいんじゃ、仕事を辞めてヒマ潰しにやってるだけじゃ。」
ケン    「じいさんは、名鍛冶屋なんだぞ。
        たまには俺にも良い剣打ってくれよー。」
アシャン  「鍛冶屋・・・・・。」

じいさん  「オマエにはまだ早いわぃ。」

ケン    「もう、俺だって剣士だよ!!父さんと母さんのカタキを討ちたいんだよ!!」



プリッツ  「カタキ?」

ケン    「ああ、そうさ。あの事件の時の黒幕のウィザードギルド『ダークウィズダム』さ。」
アシャン  「あの事件!?」


じいさん  「おい、ケン!冒険者さんに、色々話すものでもない・・・・・。」
ケン    「でも、もしかしたらアイツらの事知ってるかもしれないじゃないか!!」

プリッツ  「その事件って、アシャン姉の・・・・・?」


じいさん  「アシャン・・・・・ま、、まさか、アシャンティなのか!!」
アシャン  「ということは、ジェス爺か・・・・・。」

        2人は知り合いであった。
        当時バリアートに住んでいたので当然であろう。

ジェス爺  「ケンはまだ小さいから覚えておらんだろうが・・・・・。
        しかし、生きておったのじゃな。」

アシャン  「ああ、こんな姿になってしまったけど、自分の意思を保てるからね。
        今、アヴァロが同じ呪いで苦しんでる・・・・・。」
ジェス爺  「あの事件は、天界から降りた悪魔が居たのじゃ。
        恐らく天界から、赤い魔石を盗んだのではと言われておるが・・・・・。」

シーマ   「盗んだ理由だって、あるんだよ・・・・・。」



         その悪魔はシーマの父ではないかというわけではあるが、
         その赤石を盗んだ理由は、シーマの母のためだというわけである。
         だが、どれも推測であり、今シーマが探してるものであった。


ジェス爺  「そうじゃ、その悪魔がココで解放したのではない。。。。。
         あれをレッドストーンだと思い、ひと稼ぎしようとした者達が
         無理矢理をそれを奪おうとしたのが事件の始まりだ。

         石を渡さないので殺そうとした・・・・・。
         そしてその火炎に反応した石が暴走を始めた。

         あの赤き石の魔物に触れられたものは、『赤き石の呪縛』に捕らわれる。」

プリッツ   「え!?」


         ふとプリッツはオート監獄での妙な光を思い出した。

プリッツ   「あの光もそうなのかな・・・・・。」

フレイオ   「なるほど・・・・・。プリッツに妙なオーラを感じるのはそのせいか・・・・・。」
プリッツ   「妙なオーラ!?」

フレイオ   「そう、僕と同じような。」


         フレイオも自分の生まれた経緯を話したのである。


ジェス爺   「なんと、魔物が進化するのか・・・・・。
         まあ、そんな進化もあれば、呪縛もあり、
         また逆になんらかの能力に目覚める者もいるのじゃ・・・・・。」
アシャン   「しかし、そのギルドのせいだとはね・・・・・。」
シーマ    「もしかしたら、今その赤石を持ってるのはそいつらって事もあるわね。」

プリッツ   「そうだね。」
シーマ    「とりあえず、そいつらブッ潰すかな・・・・・。」

ケン     「待ってくれよ、行くなら俺も連れていってくれよ!!」

ジェス爺  「ケン、オマエには無理じゃ・・・・・。足でまといになるだけじゃ。」
ケン     「じいさん!!どうしていつも俺を子供扱いするんだよ!!」


プリッツ   「でも、どうしよう。あの高僧も会ってもくれないし。」
フレイオ   「とりあえず、そういうのは明日考えよう。」
シーマ    「ま、そうしようか。」





         そして、その日はそのままバリアートで泊まる事にした。
















プリッツ   「(−_ゞうーん。。。。。。。。。。ん?」  ドカッ。

アシャン   「ん・・・・?」


         なにげに、物音で起きたアシャンが何かの異変に気づく。


アシャン   「こ、、この匂いは・・・・・。油か!?
          2人とも起きろ!!」

シーマ    「ちょ、、ちょっと、なによ、、、、、。」
プリッツ   「(−_ゞ もう、食べられないよ・・・・・。」

アシャン   「外が怪しい!!」


         慌てて外に出たアシャン。


アシャン   「こ、、、これは!!」


         集団がタイマツを持って、集まっていた。
         どうみても放火寸前。


アシャン   「何してるんだよ!!」


男       「何?放火だよ。」
アシャン   「ダメだ・・・・・イカれてる。。。。。」

プリッツ    「アシャン姉、、、どう・・・・し・・・・た・・・の?ってナニコレ。」
シーマ    「明らかに、放火ってとこね。」

男      「お、出てきたぜ。」

シーマ    「?」


男      「GM!!例の女が出てきやしたぜ。」


GM     「ほほぅ、燃える獄炎のような髪。。。。。
         オマエが『悪魔の子』だな。。。。。」
シーマ    「な、、、何よ。アンタたちは・・・・。」

GM     「持ってるんだろ?赤石の1つを。」

シーマ    「!!」


         シーマの父が天界から地上に逃げた時、
         母に渡した赤石の小さなネックレスを持っていた。
         だが、これこそ、シーマの血の呪縛の暴走を止めるものであった。。。。。


         父は知っていた、いつか娘がその血に苦しむ事があることを・・・・・。



         だがそのネックレスの存在がなぜ・・・・・。


GM     「焼け野原から拾ってもよかったんだがな、あの時のように。」









         その一言で全てを悟った。





アシャン   「そうか、、、、、。この町を焼き払ったのは・・・・・。
          オマエダッタノカ・・・・・・・・・。」


         アシャンの怒りが獣の力を呼ぶ!!
         ビーストベルセルク!!


         アシャンがかろうじて自我を保っている。



フレイオ    「アシャン!!それ以上はダメだ!!」

アシャン    「フレイオ・・・・・・・・・。」

フレイオ    「呪縛に委ねていては、いつか飲まれてしまう!!」


         そして、その騒ぎに気づいた人々も出てきた。



町人A     「ダ、、、、ダークウィズダムだ!!」

         そのギルド名に驚くプリッツ達。


プリッツ    「こ、、こいつらね。」
フレイオ    「ちょうどいいと言えば、ちょうどいい。」



ケン      「てめぇら!!やっと見つけたぜ!!」

GM      「なんだ、オマエは?」

ジェス爺   「バーキン・・・・。まだそんな愚かな事をしておるのか・・・・。」
バーキン   「愚かな事?我がダークウィズダムは赤石の研究をしているんだよ。クックック。」

ジェス爺   「貴様らのやってる事は、ただの人体実験であり、命への冒涜だ!!」

バーキン   「そんなキレイ事並べてどうなるってんだ?
          人間として、ウィザードとして大きく超えられる。
          素晴らしい事だろう!?」

ジェス爺   「LVが高いから、スキルが高いからという事が強さ
       などと思ってる時点で、
オマエには何も超えられんよ。



バーキン   「ただのラーメン屋のジジィに言われたくねぇよ。」

          バーキンは屋台に放火した。。。。。

          あっというまに、その小さな屋台は燃え散っていく。。。。。
          それを見た町人は、遠くに逃げていく!!



ケン     「こ、、、、この野郎!!何しやがる!!」

バーキン  「まだ生きてたのか?小僧。親の所へ送ってやろうか?」


          バーキンの上空に、火炎の弾が浮かぶ。
          ファイヤーボールである。

          そのたった1発だけをケンの直前で止めた。


バーキン  「まだまだだな。この程度のFBすらかわせないのか・・・・・。」
ケン     「お、、俺はやれるぞ!!オマエを倒す!!」

バーキン  「威勢だけは立派だな。」


          灰になった屋台を片付けるジェス爺。


バーキン  「おいおい、ジジィ、、、、何してんだよ。」

ジェス爺   「ワシはドコで、育て間違えたんじゃろうな。。。。。」

バーキン   「またか。いつも兄貴と比べていたな。。。。。
         それがウゼぇんだよ!!」
ジェス爺   「何も解らぬほど、愚かだったとはのぅ。」

バーキン   「うるせせええええええええええ!!」






          ジェス爺と屋台をブッ潰すメテオシャワーが炸裂した。


ケン     「爺さん!!」
プリッツ   「お爺さん!!」


          アシャンの怒りが増大していく・・・・・。
          だが、それをフレイオが抑える。

シーマ    「こいつら、腐ってる。」



          非道なダークウィズダムに対し、プリッツたちは・・・・・。







          次回へ。

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