ST:28
「デビュー戦」













            ギルドトーナメントの初戦が始った。


            やはり優勝すべく鍛えた者であり、seven seeの参加を聞いても
            揺るぐ事無く出場した強者ばかりであった。


            プリッツたちも闘技場の脇から見ていた。


プリッツ   「ほぇ〜。やっぱ皆強いなぁ。。。」
イェロン   「今からそんな事を言っておってどうするのだ。。。。。」

            と、すぐ後ろにセブンのGM「ハインツ」が現れた。
            武道家と戦士が一緒にいる。

戦士     「やってるねぇ。しかし俺様に敵いそうは無いな。なぁ、フォルド。」
フォルド   「敵を侮るなガラハド。だが我が拳の前には朽ち伏せるかもしれん。」

            戦士ガラハドと、武道家フォルドである。


ハインツ   「しかし、なぜ我々がこの大会に出ねばならんのだ・・・・・。」


プリッツ   (!? そういえば何で出る事になったんだろう・・・・・。)

            その会話が聞こえていたプリッツは疑問に思った。

            ミネルバは自分の父セスタス伯爵の手回しと言っていたが・・・・。

            と、プリッツ達に気づいたハインツがこっちへと来た。


ハインツ   「アンタ、、、、、。まさか。。。。。」


            イェロンの前で立ち止まった。

イェロン    「ミハイルのとこのハナタレ坊主か・・・・・。」

ハインツ    「やはり、、、、、。なぜアンタが今更ギルドに。」
イェロン    「別に問題はなかろう。ワシは今はどこにも所属しておらんからのぅ。」
ハインツ    「アンタも父と同じものを探しているのか?」

イェロン    「ワシは、この娘のギルドを手助けしてるに過ぎんよ。」
プリッツ    「(´・ω・`)?????」

            話も途中に、イェロンは立ち去ろうとした。

ハインツ    「なぜ、龍の髭を抜けた!!」
イェロン    「馬鹿者・・・・・。その名を出すでない。。。。。」





            イェロンは立ち去った。。。。。


プリッツ    「ぇ━━(*´・д・)━━!!! イェロン爺、龍の髭だったの!?」


            ギルド『龍の髭』
            20年前に連勝100を超えた伝説のギルド。
            それぞれの職業を極めた者達が居た集団。

            なかでも、三連脚マスターバースト『無影脚』を習得した者は有名であった。



            そして、この会話を交わした事がこの後に影響するのであった。



            それは、エヴァースノーvsパープルヘイズの試合。


            第1戦「イェロンvsセッター」の対戦を読み上げた後だった。



審判      「ただいま入った情報によりますと、イェロン選手はあの『龍の髭』に所属していた
          そんな過去を持つとの事であります。」


セッター    「何ィ?こんなジジィが、『龍の髭』だと?まさか、アンタが無影脚か?
          倒したらイイ箔が付きそうだな。」
イェロン    「やれやれ・・・・・。肩書きなんざ、くだらぬもの。。。。。なぜ解らぬか。。。」




            試合開始である。



イェロン    「とは、言ったものの、、、、どうするか・・・・。」

            セッターの拳や、蹴りを交わすイェロン。

セッター    「ほほぅ、さすがだな。無影脚見せてもらおうか!!
           喰らえ!!三連脚!!」



            セッターの三連脚と、イェロンの三連脚がぶつかる。

            体格のせいもあるであおう、イェロンが吹っ飛ばされた。



セッター    「老いぼれて、技がでないか?ジイサン。」


イェロン    「何を勘違いしておる・・・・。ワシは『無影脚』の使い手ではないわ。
          ワシは、龍の髭がギルド戦を引退した後の旅に同行した、ただのロックマスターじゃ。」

セッター    「なんだと!? ただの老いぼれシーフかよ。」
イェロン    「最低限の護衛程度の格闘しかないわぃ。」



            無影脚を勝手に期待した観客からのブーイングも少し混ざる。

アシャン    「誰も『自分が無影脚』とは、名乗っていないというのに・・・・・。」



            ただのシーフと知ったセッターは速攻でケリをつけるべく攻めた!!

            だが、イェロンの交わす能力はすさまじく、あまり攻撃も当たらない。


セッター    「トドメだ!!」




            と、セッターの回し蹴りが・・・・・!!





セッター    「!!な、、、なんだこりゃ!!」



            セッターの足に食いつくトラップ。

セッター    「い、、、いつのまに!!」

イェロン    「そんなモノにも気づかぬとはのぅ。。。。。」



            実は仕掛けていたのではなく、セッターの踏み込みに合わせて
            その直前に仕掛けただけなのである。

            だが、セッターの足にはチェーンシューズが装備されているため、
            ダメージ自体は無い。


イェロン    「ふむ・・・・・。」


            そして、再びイェロンが罠の箱を用意した。


セッター    「エクスプロージョンか?ポイズンか?予想できる程度の反撃しかできまい。」


            足元に転がした箱を、すぐさま蹴る。
            その目の前では爆発しないと思ったのである。
            ここで爆発したら、イェロンにもダメージがあるからである。

セッター    「残念だったな。切り札ももうないだろう?
          せめてナイフ投げでも覚えてたらな・・・・・。」


            転がした箱から煙が巻き起こる。

セッター    「ポイズンか・・・・・。」


            セッターは廻し蹴りの風圧で毒の霧を飛ばす。

セッター    「残念だったな、爺さん。」



             と、イェロンの姿がなかった。














































セッター  「なるほど、、、シャドウスーキニングで姿を消すって腹か。
         たとえそれでも・・・・・・・・・・・・・・・うっ。」



         その場にセッターが倒れる。


イェロン   「安心せよ。少し眠ってもらうだけじゃ・・・・・。」

セッター   「ま、、、まさか、、、『暗殺』の使い手か・・・・・。」
イェロン   「切り札は最後までとっておくものじゃ・・・・。
         そして、観客のほとんどにはこの一連の攻撃は見えてはおらんよ。。。。。」






         元の位置で姿を現すイェロン。


         その場に倒れこむセッター。

審判     「!! セッター選手・・・・・・・・・・。戦闘不能!!イェロン選手の勝利です!!」

         イェロンの勝利が決まった。

イェロン   「なかなかじゃったがの。相手を見るチカラが無かったようじゃ・・・・・。」


プリッツ   「(-´∀`-)/゛おじいちゃ〜〜〜ん♪ さっすが!!
         あの人も毒罠の箱蹴らなきゃよかったのにねぇ。」
フレイオ   「風向きとかも計算に入れないと難しいわけか・・・・・。」


          と、イェロンに近づくウォレン。

ウォレン   「爺さん、、、、、。アンタ何者だよ・・・・。(汗)」
イェロン   「長引いたら不利じゃからのぅ・・・。(笑)」



アシャン   「とりあえず、1勝か。」
イェロン   「連戦はキツイのぅ。」

アシャン   「まぁ、次はアタシがやるよ?」
イェロン   「そうさせてもらうかの。」



          そして、審判が読み上げた。


審判     「えー。イェロン選手、棄権との事で、第2試合は、
         アシャン選手vsキャビン選手です。」


          歓声が沸きあがり、両者が闘場に上がった。
          対するパープルヘイズ二番手はキャビン・ウィザードである。


アシャン   「さて、こんな所で梃子摺ってるわけにはいかないんでね。」


          試合開始と同時にアシャンが仕掛ける!!
          やはりウィザードは距離を取られると戦いにくいわけである。

          そして、チリングタッチ対の水抵抗装備もしてある。

          アシャンのWクローが、キャビンのマントを引き裂いた!!


アシャン   「アタシは容赦しないよ?」



          が、マントの下から出てきたのは、鎧であった。


アシャン   「!! プレートメイル!?

キャビン   「クックックックック。鍛え上げた肉体こそが魔法だ・・・・・。」

アシャン   「おいおい、、、こんなイっちゃったヤツばっかなのかぃ?」



          キャビンは杖を振りかざす。
          「クリティカル」をメインに戦う武闘派WIZであった。



ウォレン   「おぅおぅ。アシャン姉さん、こりゃ苦戦じゃないのか?
         意外に力は無いからな。。。。。」
プリッツ   「ウォレン!!そんな事言ってる場合じゃないでしょーーー!!」

ウォレン   「プリッツ、俺たち前衛は、フルプレート着込んだ戦士とも戦う時あるんだぜ?
         そんな対応も当然あるに決まってると思わないか?」

          と、闘場の上ではアシャンが苦戦していた。



アシャン   「さて、困ったもんだね。(笑)」



ウォレン   「おおおおおおおい!!


         鍛えられた体力とスタミナ、そしてそのパワーに伴い、
         装備で上昇した敏捷、ヘイストの攻速が乗り、アシャンの攻撃が当たらないのである。


アシャン   「アタシより、敏捷が上だとは・・・・・。ヘイストってのは厄介だな。
         だけど、所詮はウィザードの力。」


         お互いが攻撃を交し合う。
         アシャンはその中で、チャンスをうかがっていた。


キャビン   「ライトニング!!

         目くらましのためのライトニングサンダーが一瞬光る。


アシャン   「小細工を・・・・・。」


         一瞬見えないので、攻撃をガードするアシャン。


         ガードしたアシャンの腕が折れた・・・・・。


アシャン   「!! しまった・・・・・。ダブルクリティカル・・・・・。」


         通常の数倍のダメージを持つ一撃が、ガードした腕ごと砕いたのである。


アシャン   「ただじゃ、腕はやれないね!!」

         その攻撃後の隙を突き、アシャンの攻撃がキャビンを狙う!!


アシャン   「こ、、、これは!!」







         アシャンは捕らわれていた・・・・・。
         重力スキルグラビティアンプリファーに。
         動きが鈍くなる。


キャビン   「貰った!!」


         キャビンのクリティカルが再び炸裂する!!


         砕けた腕でガードするが、効果は薄かった・・・・・。


         後ろに飛び退き、体勢を整える。

         キャビンもその隙にチャージングをし、ヘイストをかけた。


アシャン   「アタシもまだまだ、甘いねぇ・・・・・。」

キャビン   「降参したらどうだ?」

アシャン   「大丈夫さ、決まる時は一撃で決まる。。。。。
         まさか一回戦でコレをやるハメになるとはね・・・・・。」



         アシャンが気合を入れた!!
         エモーションバーストの他に何かを発動させようというのだろう。


         スキル「エモーションバースト」
         敵からの攻撃により、自分の怒りを増幅し、攻撃力を上げる。




アシャン   「一応、アタシも女なんだけどねぇ・・・・・・。
         ハアアアアアアアアアア!!」



         アシャンから激しいオーラが見える。。。
         スキル「ビーストベルセルク」
         野獣の本能を呼び覚まし、狂気と化すことにより、
         身体能力のリミッターを解除し、その攻撃力と敏捷を増大させる。
         だが、身体自身に「防御する意思が無い」ために、防御力は減る。


アシャン   「おっと・・・・。まだ発動しちゃいけないねぇ。」


         狂気になるギリギリまで意識を残している状態である。


         飛び掛り、チェーンドクローを浴びせる。
         右手だけなのでことごとく交わされる。。。。。

アシャン   (もう少しだ・・・・・。あと20秒だけもってくれ・・・・。)



         体力の続く限り攻撃をし続ける。



アシャン   「これで、終わりだよ!!」



         ビーストベルセルク発動!!


         凶々しいオーラに包まれる。
         アシャンの目の色が変わる。。。。。
         かろうじて自我を保ってるような状態である。


アシャン   「トドメヲ・・・・・ササセテモラウ・・・・・。」




          考えられる最大の攻撃、それに敏捷が加わる。
          砕けた左腕の痛みも麻痺し、両手での攻撃となる。

キャビン   「そのスピードでも、まだまだ交わせるわ!!」


          全てのチェーンドクローを交わす。
          だが、ギリギリの戦いだった・・・・・。



          アシャンの策とは、、、いったい。。。。。

















           次回へ。

inserted by FC2 system