ST:23
「廻り始めた歯車」














            
            港町シュトラセラト
            最近開港し、ブリッジヘッドとも交流が持たれた町。
            古都ブルンネンシュティグの陸路からでも行けます。

             イカ焼き・キャンサー料理などが超栄えている。



ミネルバ    「やはり、港町は活気があるわね。」
カゲトラ     「そうでゴザるな。開港して間もないから尚更でゴザろう。」
ジェイク     「´ρ`)y─┛~~」

           そう、ミネルバ一行である。
           本来なら来月に控えたギルドトーナメントのために増員を図りたい所であるが、
           父セスタスのスパイではないか?と疑い始めていてはキリがなく、
           カゲトラ・ジェイク以外は信用できないのである。


カゲトラ     「ここから陸路で古都でゴザるか。たまには歩いてみないでゴザるか?」
ミネルバ    「アナタも物好きね。まぁ、たまにはいいかも。」
ジェイク     「´ρ`)y─┛~~」


          フォーリンロードに差し掛かり、テレットトンネルを目指す。





















カゲトラ     「!? こ、、これは!!奇怪な!!妖術か!?山に出た・・・・。」



          普通に道を歩いていただけだというのに、山に出た。






ミネルバ    「方向音痴だったんだね。。。長年一緒に居ても知らなかったわ。」
ジェイク     「´ρ`)y─┛~~」


          結局普通に、ナス橋へと出た。


カゲトラ     「いや〜、なかなかの冒険でゴザったな。
          たまには、初心に帰るのもよかろう。(笑)」

          ふと、辺りを見回し、ジェイクが口を開く。

ジェイク     「そういえば、LVの低い頃。あの南の洞窟で何度もリザードにやられたな。」
カゲトラ     「そうでゴザったか?(笑)拙者は覚えておらんでゴザる。」

ミネルバ    「あの頃か。。。。。」



老人      「イタタタタタタタ・・・・・・・。」


          と、老人の悲鳴が。。。。。
          木陰に腰をおさえ、ヒザをつく老人の姿が。。。


ミネルバ    「どうなさって?」
カゲトラ    「腰痛でゴザるか?ご老人。」


老人      「おお。すまんのぅ。。。。。しかし、休んでいる場合ではないのじゃ。。。
           ワシは材料を探さねば・・・・・。」

ミネルバ    「? なんの材料?」


         この老人、妻に毒で先立たれその際に、
         『もしあれば助かってたかもしれない薬』の材料を
         探してるとの事だった。

ミネルバ   「そうだったの・・・・・。」
ジェイク    「なるほど、その奥方への弔いみたいなものか?」

老人      「こんな事をしても、帰ってこないのは解っておるんじゃ・・・・・。」

カゲトラ    「同じ苦しみを背負ってる人を助けたい。でゴザろう?」
老人      「そうですじゃ・・・・・。今のワシにできる事など・・・・・。」

ミネルバ   「そんな素晴らしい事を聞いて、手伝わないわけには行きませんわ。
         その材料はなんです?」

老人     「ツツジの花に含まれる蜜の成分と、それと合わせる切り株に生えるキノコ。
         あとは、海でなく淡水の亀の卵。そして、石の上に生える特殊なコケじゃ。」
ミネルバ   「材料はこの辺りで取れそうなのね。」

老人     「そうじゃ。」
カゲトラ   「ジェイク、ご老人を頼む。拙者とミネルバ殿で探して参る。」
ミネルバ  「とりあえず、花の蜜を取ってくるわ。」




         ミネルバは辺りに生えるツツジの花を摘んでみた。

ミネルバ   「!! み、、蜜なんか無いじゃない!!」

         辺りでの戦闘の爪あとだろうか?乾燥してしまったツツジに蜜はなかった。

ミネルバ   「この膨大なツツジのどれかにはあるんでしょうね。。。。。
          仕方ないわね。。。。。徹底的に探してみましょう。。。。。」


         あまり戦闘が無かったような場所を片っ端から探すミネルバ。
         一方キノコを探すカゲトラ。

カゲトラ    「切り株・・・・。ああ、断面に生えるキノコでゴザるか。。。。。
          木ならなんでも生えるのでゴザろうか?」


         ふと、橋の脇の建物の柱を見た。なんか赤いキノコが生えていた。


カゲトラ    「ふむ。まぁ、一応持っていくでゴザるか。
         切り株のとは、種類が違うのでゴザろうか。。。。。」



         と、後ろに巨大な亀が。

カゲトラ    「そう言えば、卵も必要でゴザった。。。。。
         亀殿。例え魔物と言えど無益な殺生はしたくない。。。。。
         今すぐ卵を産むのでゴザる!!



         結構ムチャなカゲトラであった。。。。。



カゲトラ    「む!こんなところに、切り株が!!
          なるほど、このキノコが必要でゴザったな。
          ほほぅ、黄色いキノコか。。。。。」




         徹底的にツツジを探し回ったミネルバ。
         見つからず、腰を下ろそうとした岩に、緑色のコケが付いていた。


ミネルバ   「もしかして、これの事かしら?」

         コケを採取して袋に入れた。。。。。


         見渡す限りのツツジ。。。。。


         どうせなら一番端まで行ってみようと。

         その時、ミネルバは1つの墓碑を見つけた。。。。。

ミネルバ   「なんで、こんなところに・・・・・?」

         と、誰もいなさそうなこの場所に咲くツツジは蜜が詰まっていた。

ミネルバ   「ふふっ、正解だわ。。。。。」

         すぐに耳で知らせた。


ミネルバ   (ツツジの花の蜜と、コケは採取したわ。カゲトラはどう?)

         そして、墓碑に近寄ろうとしたら、耳打ちが入った。
         材料がそろったので、戻れとの事。

         ジェイクのコールで老人の所に戻る。


老人     「おお、すまんのぅ。。。。。これで薬ができるはずなんじゃが。」

ミネルバ   「できると、いいですわね。」

老人     「調合してる間に、POTを上手に飲むコツを教えてやろう。
         POTを効率良く吸収するには、空腹なのか満腹なのかなどにも寄る。
         さらには、吸収を良くする効果の薬草と一緒に飲んだりするのじゃ。」


         老人は調合しながら、薬草などの効果を延々と説明する。


         必然的に3人は、「薬師」の称号を得た。


老人     「!? やはりダメなのか・・・・・。成分が微妙に違うのか。。。。。
         この古都南の気候で育ったキノコだと思ったんじゃが・・・・・。」


カゲトラ   「そういえば、こんなキノコが、あの橋の横の建物に生えていたのでゴザる。」

老人     「こ、、、、これは!!なるほど。。。。。日陰で育ったキノコか。。。。。
         この独特の赤い色の色素の成分は・・・・・・。
         ふむふむ、これはイけるかもしれん!!」
カゲトラ   「なんでも、もってくるもんでゴザるな。」

ミネルバ   「色はかなり毒々しく見えますわ・・・・・。」




         と、また調合を始めた。


老人     「そういえば、アイテムギルドの集会があったのぅ。。。。。
         古都代表でワシが行くのじゃが・・・・・。」

ミネルバ   「もしかして、アイテムの開発ギルドじゃなくって?」
老人     「ほほぅ。知っておるのか。」

ミネルバ   「ええ、お父様につれていかれた記憶がありまして。」

老人     「なるほど。。。。。アウグスタのセスタス伯爵・・・・・。」
ミネルバ   「・・・・・。」

老人     「その鎧の紋章を見れば解る・・・・・。
         セスタス伯爵とは、面識もあるしのぅ。。。。。」



         と、調合が終わった。


老人     「・・・・・・・・・・。」

カゲトラ   「どうでゴザる?」

老人     「確かにいい解毒剤は出来たが、、、、、、これでは、このエリアにすむ
         変異スコーピオンの毒には効かぬ。。。。。ヤツラは妙な毒の成分を持っておる。
         どこぞの、密教の集団の連中がこぞって、変異スコーピオンの毒袋に手を出し、
         その犠牲者が後を絶たぬ。。。。。」
ミネルバ   「なるほど、、、、、密教の称号ね。。。。。」



         そして、老人は歩き出した。

         3人も黙ってついていく。



ミネルバ   「ここは・・・・・。」





         さっきの墓碑だった。



         ミネルバはそれが老人の妻のものであると理解した。


老人     「やはり、、、、無理なのかのぅ。。。。。
         今、これが完成したとして、、オマエが戻ってくるわけじゃないんだが・・・・・。」
ミネルバ   「何が足りなくて?」

老人     「キノコはこの2つの成分を混ぜた方がいいのは、解った。。。。。
         となると、ちょっと別の気候で育ったコケを調べてみるか・・・・・。」

ミネルバ   「条件としてはドコの地方がよくって?」

老人     「そうじゃなぁ。。。。。ブリッジヘッドより、緯度が近いアウグスタの、
         川の近くか、、、、、。少し涼しげな所がどうかのぅ。」


ジェイク    「ご老人、ちょっと来てくれ。」




         ジェイクは墓碑に祈りを捧げていたのだが・・・・・。

老人     「なんじゃ?」

ジェイク    「この墓碑に付着した、黄色いコケはなんだ?
          色的に不可思議な色なんだが・・・・・。」

老人     「おお!!こ、、これは、、、、、。このコケは!!
          そうか!!浄化作用がうんぬんかんぬん・・・・・・。
          ぶつぶつぶつぶつ・・・・・・・・・・・。」


         老人はまた調合を始めた。


         そして、1つの薬を作り上げた。

老人     「完成じゃ!!これじゃ!!
          よし、さっそく明日のギルド会議で報告じゃ!!」
カゲトラ   「おお!!おめでとうゴザる。」

老人     「皆さんのおかげですじゃ。」


ミネルバ   「結局、、、、最後に助けてくれたのは、奥さんですわ。(笑)」


老人     「そうじゃな。。。。。いつもいつも、助けてもらってばかりじゃったなぁ・・・・・。」




        老人は墓碑を前に座り込む。


        気を利かせて、三人は先を急ぐ事にした。。。。。

カゲトラ    「ご老人。では拙者達は先を急ぐでゴザる。。。。。」
ジェイク    「貴重な薬師の話。役に立った。。。。。礼を言う。」


老人     「いやいや、礼を言うのはワシじゃ。
         アナタがたが、これから救う人々の人数は計り知れないからのぅ。」

ミネルバ   「しかし、そんな密教も危ないわね。またヒマがあったら、調べてみる必要ありそうだわ。」
ジェイク    「そうだな。。。。。」


老人     「また、古都に訪れてくだされ。この解毒剤。
         もっと量産して、アナタがたにも使って欲しいのじゃ。」
ミネルバ   「解りましてよ。また、お会いした時に。」


老人     「道中気をつけなされ。また薬の事なら、この老いぼれに聞いてくだされ。
         多少なら知っておるでの。」

カゲトラ    「ご老人も、お身体に気をつけるでゴザるよ。」









         そして、三人は古都へと姿を消した。。。。。。
















          古都では何やら、色々な組織がレッドストーンの謎を解こうと、
          慌しく動いていたのだった・・・・・。


ミネルバ    「レッドストーンの謎か・・・・・。私達もやらねばならないわね・・・・。」
カゲトラ     「そうでゴザるな。母上のためにも・・・・・。」



          



          その直後。飛んでいる鳩の手紙を三人が受け取り、
          古都の国会議事堂の「ロングッシュ」の元を訪れる事になるのである。。。。。











          導入クエを匂わせつつ、まて次回。

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